1.ラフ作成
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美味しい食卓のある風景をイラストとして描いていきます。
まずは、絵を描き始める前に一番大切な作業を行います。
描写予定の食物の、とにかくおいしそうな見本をたくさん探して鑑賞します。自分で実物を用意できるならそれが一番理想的なのですが、悲しいことに現実ではそうそうご馳走は食べれません。
画像検索や本で我慢です。
ひたすら見て廻り、涎が出るほどよく観察したらいよいよ製作開始です。ただし、あくまで写真はイメージを膨らませるための参考ですので、そのまま鑑賞した写真等の模写は行いません。
せっかく絵で表現するのですから、現実と同じものを描いても楽しくないですよね。
それではラフを製作します。
絵の中で一番見せたいモチーフは食卓となりますので、テーブルをメインの前面、キャラクターを奥の配置で構成することにしました。
しかし、この構成では画面に動きがなくなってしまいそうでしたので、解決策として方向の違う二段階の地平線を設定してみます。
「最前面-テーブルと食物」「後方-背景と遠景」の2ラインに中段にキャラクターを置き間を取っていきます。
ラフの描画作業は紙上で行います。
密集度が高いほうがご馳走に見えるので、テーブル上の食器はなるべく重ねて見せるよう配置します。
各料理は画面内に全部納めるより、見切れている方が画面外への繋がりを想定できます。
この段階では食物の形はざっとでも良いのですが、食器はしっかりサイズ・アングル・位置を決めて描いておくと後々の作業が楽になります。
中段のキャラクターは脇役となるのであまり凝らず、比較的シンプルなデザインを心がけました。
こちらにも各自料理を持たせ、ご馳走アピールの駄目押しをします。
完成したらスキャナーで取り込みます。
(1)[ファイル]メニューから[読み込み]→[スキャン]を選択します。
(2)解像度設定350dpiとして取り込み、描画用のキャンバスになるようトリミングします。
トリミング後のサイズを見てみるとこのような数値です。
今回はラフに合わせたので、幅が少々半端な数値になっていますが、気にしないこととします。
気になる場合は、この段階できりの良いサイズにしてしまうと良いです。
白を透明に!
スキャンした画像はカラーレイヤーに取り込むと白地のある線画になります。
そのため線画を取り込んだレイヤーより下のレイヤーに彩色しても見えません。
カラー(32bit)レイヤーをグレー(8bit)レイヤーに変換すると白地が透明になります。
(1)白地を透過したいレイヤーを右クリックし、[レイヤーの変換]を選択します。
(2)[レイヤーの変換]ダイアログで[表現色]を[グレー(8bit)]に設定し[OK]をクリックします。
白が透明になり下の色が見えるようになります。
ラフに軽い着色をします。
線画レイヤーの下にラフ着色用のレイヤーを新規作成します。
ここで完成の予想イメージと色テーマを確定してしまいます。
今後の描き込みで細部の色や形変更はありうるのですが、画面全体を見た時の印象はここで決めたものから変更しません。
空間の光の色も決めてしまいます。
今回は黄色~黄緑を光の色として想定することとしました。
今後、塗りの段階でハイライトを作っていく時には色相をこの色に近づけ、空間に統一感をもたせていきます。
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