11.描き足し、色の補正

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : ざいん
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[1]仕上げ前の描き足し
[2]色の補正

[1]仕上げ前の描き足し

ここで全体を表示して、一旦見え方を確認します。大分完成に近づいてきました。

ここからの作業は全体を確認しながら、更にどう見せたいかを考えて完成に近づけて行く、という作業になります。

手前のキャラクターにもう少しファンタジックな要素を足したい、それから画面に動きを足したい、という考えから紙吹雪と風のような線を描き足す事にしました。


1.紙吹雪

まず紙吹雪から。

(1)[レイヤー]パレットの[新規ラスターレイヤー作成]をクリックして新規レイヤーをつくります。

レイヤー名を「紙吹雪」にし、テクスチャのレイヤーの下に配置しました。


(2)[鉛筆]ツールの「中芯」で、はっきりと位置を確認できるように最初は見えやすい白で描きます。


(3)「紙吹雪」レイヤーの[透明部分をロック]に設定します。

ロックされたレイヤーは、鍵のマークが付きます。


(4)色を変更します。

紙吹雪の色は描画系ツールで周囲の色合いの調和を考えて、黄色・赤・黒の三色にしました。


2.風のような線

続いて風のような線です。

(1)これもレイヤーを新規作成します。
「紙吹雪」レイヤーの下に配置し、レイヤー名を「風」に変更します。


(2)[鉛筆]ツールの「中芯」で。風の動きが見えるよう、かなり勢い重視でサッと描きます。

勢いの中にも多少前後関係がわかるように、回り込んでいる部分などを重ね塗りしています。

はじめは見えやすいようにと白で描きましたが、色々試したところ、やはり白が一番ということで色変更は無しです。


風が描けました。

[2]色の補正

もう一度全体を見て雰囲気を確認します。

光が当たっている部分が弱く、画面が落ち着き過ぎています。


1.光のレイヤーを追加する

(1)レイヤーを新規作成します。

レイヤー名を「光」に変更し、「テクスチャ(加算)」レイヤーの下に配置します。


(2)合成モードを[オーバーレイ]に設定して、明るい黄色で光を足すように描いて行きます。


ぼんやりした光にしたいので[エアブラシ]ツールの「強め」を使用しました。



光のレイヤーのみを、合成モード[通常]で表示するとこんな風になっています。


2.色味を調整する

ほとんど完成ですが、発色を良くしたいので新規フィルタレイヤーを作成、カラーバランスで色味を調整しました。

(1)[レイヤー]メニュー→[新規フィルタレイヤー]→[カラーバランス]を選択します。


(2)[カラーバランス]ダイアログの数値を動かしたのは[シャドウ]と[ハイライト]の項目です。

全体的に暖色の発色が良くなりました。

フィルタを使った補正は便利なのですが、やり過ぎると塗りで丁寧に作ってきた階調がとんでしまったりするので、気を付けながら使用すると良いでしょう。


「カラーバランス」フィルタレイヤーは一番上に配置してあります。


(3)さらに[レベル補正]でコントラストをほんの少しだけ微調整。

[フィルタ]メニューから[レベル補正]を選択します。


3.完成

レイヤーをすべて統合して完成です。

[レイヤー]パレットで右クリックし、メニューから[レイヤーをすべて統合]を選択します。



クリックすると拡大します。

作者プロフィール:ざいん  (サイトURL:http://777nnn.jugem.jp/

東京在住。最新の仕事は「死ぬのがこわくなくなる話」(渡辺浩弐・著/星海社FICTIONS)挿絵。 彩度の高い色が好きです。

コメント
trex 2012/11/17 20:35
素晴らしいです。ざいんさんの絵が大好きです。同じようには到底描けませんが、とても参考になりました。