IllustStudio 使い方講座 > 機能解説!トラの巻 > フィルタ > フィルタレイヤーとフィ…

フィルタレイヤーとフィルタフォルダ

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 16522回 総合評価 : 3件
使用したバージョン:IllustStudio Ver.1.2.0
 

[1]フィルタレイヤーとフィルタフォルダの仕組み

通常、フィルタを使用すると、編集中のレイヤーが直接加工されます。

IllustStudioのフィルタの中には[フィルタレイヤー(フィルタフォルダ)]として使用できるものがあります。

[フィルタレイヤー(フィルタフォルダ)]では、画像レイヤーとは別に各フィルタの効果を持った特殊なレイヤーを作成します。[質感]レイヤーや[マスク]レイヤーなども、このフィルタレイヤーの一種です。

[フィルタレイヤー]の場合、[レイヤー]パレット上で、フィルタレイヤーよりも重ね順が下のレイヤーはすべて、設定されたフィルタ効果の影響を受けます。

この[フィルタレイヤー]がレイヤーフォルダの中にある状態が[フィルタフォルダ]になります。この場合、同一フォルダ内で、フィルタレイヤーよりも重ね順が下のレイヤーのみがフィルタ効果の影響を受けます。フォルダ外のレイヤーには影響がありません。

 

[2]フィルタレイヤーを使う

■フィルタレイヤーを作成する
フィルタレイヤーを作成するには…
[レイヤー]パレット→[新規フィルタレイヤー作成]ボタンをクリックして、任意の効果を選択します。

または、[レイヤー]メニュー→[新規フィルタレイヤー]から、任意の効果を選択する方法もあります。

実行すると、フィルタレイヤーが作成されます。

■フィルタレイヤーの特徴

①レイヤーの重ね順が影響する
フィルタレイヤーは、自分よりも重ね順が下のレイヤーに影響を与えるため、[レイヤー]パレットでのレイヤーの重ね順が重要です。効果を与えたいレイヤー と、そうでないレイヤーを考慮して、適切な順番でレイヤーを重ねる必要があります。フィルタレイヤーは、主にイラスト全体の色調調整や、質感の適用などに 向いています。

また、下のレイヤーに後から何か描き足した場合、描き足した部分にも効果が適用されます。

②フィルタの効果を再設定できる
[レイヤー]パレットでフィルタレイヤーをダブルクリックすると、フィルタの効果を再設定できます。

③レイヤーが劣化しない
レイヤーを直接加工するわけではないので、何枚フィルタレイヤーを重ねても、画像レイヤーは元の状態を保持しています。フィルタレイヤーを非表示にしたり、削除したりすると、元通りの状態に戻せます。

④描画ツールで効果範囲や適用量を指定できる
フィルタレイヤー自体に描画ツールで描画すると、フィルタの適用量を調節できます。
基本的に、黒に近い色で塗ると、フィルタの効果が弱まり、完全な黒で塗った部分にはフィルタの効果が適用されなくなります。逆に白や透明に近い色で塗るほど、フィルタの効果が強く現れます。
(フィルタレイヤー作成直後はレイヤー全体が透明の状態=100%効果が表れる状態です)

⑤フォルダ内に入れると[フィルタフォルダ]になる
予め[フィルタフォルダ]として作成しなくても、フィルタレイヤーをレイヤーフォルダの中に入れると、[フィルタフォルダ]になります。
※[フィルタフォルダ]について詳しくは次項で解説します。

 

[3]フィルタフォルダを使う

■フィルタフォルダを作成する
フィルタフォルダを作成するには…
[レイヤー]メニュー→[フィルタフォルダ化]から、任意の効果を選択します。

または、[レイヤー]パレット上で、すでに作成されたフィルタレイヤーをレイヤーフォルダ内にドラッグ&ドロップしても、フィルタフォルダと同じ状態になります。

■フィルタフォルダの特徴
基本的な特徴はフィルタフォルダと同じですが、さらに以下の特徴があります。

①同一フォルダ内のみ効果が適用される
同一フォルダ内で、フィルタレイヤーより重ね順が下のレイヤーにのみ影響を与えます。
そのため、フォルダ化されていないフィルタレイヤーよりも、細かく影響範囲が設定できます。
一部のレイヤーのみにフィルタレイヤーを使用したい場合は、フィルタフォルダとして使用する方が良い場合が多いです。

②多重フォルダ化できる
上記に関連して、フィルタフォルダ内にさらにフィルタフォルダを作る、といった複雑な使い方もできます。

 

[4]各フィルタの効果

[フィルタレイヤー作成]/[フィルタフォルダ化]で選べるフィルタは、[明るさ・コントラスト]、[トーンカーブ]、[レベル補 正]、[反転]、[グラデーションマップ]、[色相・彩度・明度]、[カラーバランス]、[質感]、[マスク(全領域を表示)]、[マスク(全領域を隠 す)]の10種類です。それぞれのフィルタの効果を紹介します。

■明るさ・コントラスト
画像の明るさとコントラストを調整します。

■トーンカーブ
画像の明暗をグラフで調整します。

■レベル補正
画像の明るさをヒストグラムから調整します。

■反転
レイヤーの色を反転表示するフィルタです。

■グラデーションマップ
画像の濃淡に合わせて、設定したグラデーションの色を置換して彩色します。

■色相・彩度・明度
色の三要素であるHSVカラーモデル(色相・彩度・明度)を調整することができます。

■カラーバランス
画像内のRGB各要素のバランスを調整できます。また、シャドウ、中間色、ハイライト部分にそれぞれ効果をかけられます。

■質感
レイヤーに[キャンバス]、[画用紙]、[走査線]などの質感の効果を与えます。[パターン読み込み]では、任意のパターントーンを読み込むことができます。

■マスク(全領域を表示)
画面全体にマスクがかかります。このレイヤーに描画すると、描画部分にマスクが作成されて下のレイヤーの画像が隠れるようになります。

■マスク(全領域を隠す)
画面全体にマスクがかかります。このレイヤーに描画すると、描画部分のマスクが削られて下のレイヤーの画像が見えるようになります。

コメント
翠河 2014/04/01 08:27
勉強になります