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フィルタの使い方~変形、線補正~

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 16198回 総合評価 : 1件
使用したバージョン:IllustStudio Ver.1.2.0

[色調補正]や[効果]のカテゴリでは「色」についての効果を得られるフィルタが多いのですが、ここでは、変形と線補正についてご紹介します。

注意!)
フィルタを利用して画像に効果を加えると、アンドゥ(取り消し)回数の限度を超えて画像を元に戻すことはできません。フィルタ効果を利用する場合は画像レ イヤーを必ずコピーして、元画像を保存しておくクセを付けておきましょう。元画像を[素材]パレットに登録する方法も便利です。

[1]フィルタを使う

フィルタは選択された画像レイヤーに対して画像効果を与えます。
[フィルタ] メニューからそれぞれ必要な効果を選択します。


[変形]からは

・極座標
・波
・波形
・渦巻き
・ジグザグ


[線補正]からは

・線編集
・線幅修正


以上のフィルタが選択できます。

フィルタを選択すると、効果内容を調整するための[フィルタ設定]ダイアログが表示されます(一部設定のないものもあります)。それぞれのフィルタではこのダイアログを調整することで必要な効果をもたらすことが可能です。


ここでは、「形」に変化のあるフィルタですので、このようなグリッドの描き込まれた画像を使用してフィルタの使い方と効果を見ていきましょう。


[2]極座標

一般的に座標(位置)を表すには、(横x,縦y)といった横縦など値から位置を特定します。これを直交座標といいます。極座標は、この座標を表すために特定の点からの(距離r,角度θ)と表現します。

フィルタの[極座標]では、このx、yとr,θを入れ替えておもしろい画像効果をもたらしたり、球体に画像が映り込んだような効果を得ることが可能です。


・直交座標を極座標に

・極座標を直交座標に

・球体に映り込む

■使用例
[極座標]フィルタをつかった面白い例を紹介しておきましょう。

(1)正方形のキャンバスを作成して、ビル群を2次元的に上下逆さまに描きます。水平線は少し高めの位置にしておくことがコツです。


(2)[フィルター] メニュー→[変形]→[極座標]を選択、[極座標]ダイアログで[直交座標を極座標に]を選択します。水平線が円上になり、建物も面白い変形が施されました。


オブジェクトを描き込んだりして、おもしろい構図を演出できます。


手描きでは難しい「円周上」の等間隔の図形なども、まず水平垂直の矩形で描いておき、フィルタで変形させれば簡単に作成できます。


[3]波

波打つようなイメージの変形を行います。


実際にフィルタを適用した画像で、[向き][振幅][波の数]の特性をそれぞれ確認しておきましょう。

■[向き]による変化
文字通り、波の方向(角度)が変化します。

向きを[0]、振幅を[10]、波の数を[5]に設定

向きを[45]、振幅を[10]、波の数を[5]に設定

向きを[90]、振幅を[10]、波の数を[5]に設定

■[振幅]による変化
波の高さ(振れ幅)が変化します。

向きを[0]、振幅を[1]、波の数を[5]に設定

向きを[0]、振幅を[3]、波の数を[5]に設定

向きを[0]、振幅を[5]、波の数を[5]に設定

■[波の数]による変化
文字通り波の数が変化します。

向きを[0]、振幅を[5]、波の数を[1]に設定

向きを[0]、振幅を[5]、波の数を[3]に設定

向きを[0]、振幅を[5]、波の数を[5]に設定

[4]波形

画像を指定した波形の形になぞらえて入れ替えます。


・[波の波形]を[正弦波]に設定

・[波の波形]を[三角波]に設定

・[波の波形]を[矩形波]に設定

[5]渦巻き

画像の中心をねじれさせる変形を行います。


実際にフィルタを適用した画像で、[ねじれ][ひっぱり]の特性をそれぞれ確認しておきましょう。

■[ねじれ]による変化
ねじる方向、角度が変化します。値を「0」にすると変形されません。

ねじれを[-180]、ひっぱりを[4]に設定。

ねじれを[0]、ひっぱりを[4]に設定

ねじれを[180]、ひっぱりを[4]に設定

ねじれを[360]、ひっぱりを[4]に設定

■[ひっぱり]による変化
画像を引っ張る強さが変化します。値が大きいと影響範囲は小さくなります。

ねじれを[180]、ひっぱりを[1]に設定

ねじれを[180]、ひっぱりを[2]に設定

ねじれを[180]、ひっぱりを[4]に設定

[6]ジグザグ

波紋のような効果を与えます。設定で波紋に乱れを作り出すことができます。


実際にフィルタを適用した画像で、[回転][波の数]の特性をそれぞれ確認しておきましょう。

■[回転]による変化
波の回転角度の大きさ(振れ幅)が変化します。

回転を[5]、波の数を[5]に設定

回転を[20]、波の数を[5]に設定

回転を[50]、波の数を[5]に設定

■[波の数]による変化
画面内の波の数が変化します。

回転を[5]、波の数を[1]に設定

回転を[5]、波の数を[5]に設定

回転を[5]、波の数を[20]に設定

[7]線編集

[ツール]パレットの[線編集]ツールと同じ働きをします。描画後にまとめて線編集を行う場合などに便利です。

ラスターレイヤーで[線編集]フィルタを使用した場合のダイアログ。

■ラスターレイヤーでの[線つなぎ]適用例

ベクターーレイヤーで[線編集]フィルタを使用した場合のダイアログ。


■ベクターレイヤーでの[線をなめらかにする]適用例
[滑らかにする]をon、[強さ]を[10]に設定


[8]線幅修正

[ツール]パレットの[線幅修正]ツールと同じ働きをします。描画後にまとめて線編集を行う場合などに便利です。

ラスターレイヤーで利用する際は、下記の2項目が利用できます。

・指定幅で太らせる
・指定幅で細らせる


ベクターレイヤーで利用する際は、すべての項目が利用できます。


■元絵

[指定倍に縮小]を[0.2]に設定

[指定倍に拡大]を[3.0]に設定

[一定の太さにする]を[5.0px]に設定
コメント
翠河 2014/04/01 08:25
勉強になります