フィルタの使い方~シャープ、ぼかし~
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[シャープ]と[ぼかし]フィルタについてご紹介します。その名の通り、画像をシャープにしたり、ぼかしたりすることができるフィルタです。
注意!)
フィルタを利用して画像に効果を加えると、アンドゥ(取り消し)回数の限度を超えて画像を元に戻すことはできません。フィルタ効果を利用する場合は画像レ イヤーを必ずコピーして、元画像を保存しておくクセを付けておきましょう。元画像を[素材]パレットに登録する方法も便利です。
[1]フィルタを使う
フィルタは選択された画像レイヤーに対して画像効果を与えます。
[フィルタ]メニューからそれぞれ必要な効果を選択します。
[シャープ]からは以下のフィルタが選択できます。
・シャープ
・シャープ(強)
・アンシャープマスク
[ぼかし]からは以下のフィルタが選択できます。
・ぼかし
・ぼかし(強)
・ガウスぼかし
・放射ぼかし
・移動ぼかし
・スムージング
フィルタを選択すると、効果内容を調整するための[フィルタ設定]ダイアログが表示されます(一部設定のないものもあります)。それぞれのフィルタではこのダイアログを調整することで必要な効果をもたらすことが可能です。
[2]シャープ/シャープ(強)
画像の境界線を強調して、画像をシャープにするフィルタです。
[レイヤー]パレットで画像を調整したいレイヤーを選択してから、[フィルタ]メニュー→[シャープ]→[シャープ]または[シャープ(強)]を選択するとフィルタが適用されます。
画像をシャープにします。効果が[シャープ]よりも効果が強くなります。
[3]アンシャープマスク
[アンシャープマスク]は、画像の点と、点の周囲との差を検知して、隣接してる点のコントラストを強く鮮明に調整するフィルタです。
[レイヤー]パレットで画像を調整したいレイヤーを選択してから、[フィルタ]メニュー→[シャープ]→[アンシャープマスク]を選択すると、[アンシャープマスク]ダイアログが表示されます。ダイアログ設定後に[OK]ボタンをクリックするとフィルタが適用されます。
■[アンシャープマスク]ダイアログの解説
①半径:点の周囲をどれくらいの広さで検知するか設定します。
②シャープの強さ:隣接する点とのコントラストの強さを設定します。
③閾値(しきいち):周囲との差をこの閾値を基準に色の差を認識します。
④プレビュー:チェックを入れると調整後の画像をプレビューします。
■[アンシャープマスク]適用例
[半径][シャープの強さ][閾値]のそれぞれの特性について、実際にフィルタを適用した画像で確認しておきましょう。
・[半径]による変化
・[シャープ]による変化
・[閾値]による変化
数値が大きいほど色の差を認識しなくなります。
[4]ぼかし/ぼかし(強)/ガウスぼかし
1.ぼかし・ぼかし(強)
画像の境界線やくっきりとした領域をなめらかな画像にぼかすフィルタです。
[レイヤー]パレットで画像を調整したいレイヤーを選択してから、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ぼかし]または[ぼかし(強)]を選択するとフィルタが適用されます。
画像をぼかします。[ぼかし]よりも強くぼかします。
2.ガウスぼかし
画像の境界線やくっきりとした領域をなめらかな画像にぼかすフィルタです。ぼかし具合を数値で調整することができます。
[レイヤー]パレットで画像を調整したいレイヤーを選択してから、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択すると、[ガウスぼかし]ダイアログが表示されます。ダイアログ設定後に[OK]ボタンをクリックするとフィルタが適用されます。
■[ガウスぼかし]ダイログの解説
①ぼかす範囲:ぼかす範囲を設定します。
②プレビュー:チェックを入れると調整後の画像をプレビューします。
■[ガウスぼかし]フィルタ適用例
実際にフィルタを適用した画像で確認しておきましょう。
・[ぼかす範囲]による変化
[ぼかす範囲]は、数値が大きくなるほど画像がぼやけます。
[5]放射ぼかし/移動ぼかし/スムージング
1.放射ぼかし
設定した中心点から放射状に画像をぼかすフィルタです。
[選択]ツールなどで選択範囲を作成してから、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[放射ぼかし]を選択すると、[放射ぼかし]ダイアログが表示されます。ダイアログ設定後に[OK]ボタンをクリックするとフィルタが適用されます。
■[放射ぼかし]ダイアログの解説
①手のひら:キャンバスの表示位置を移動します。
②移動:ぼかしの中心を移動します。
③ぼかす範囲:ぼかしの範囲を設定します。
④ぼかす位置:画像をぼかす方向を[前後]・[前方]・[後方]から選択します。
⑤ぼかす方法:画像のぼかし方を[ボックス]と[なめらか]から選択します。
⑥プレビュー:チェックを入れると調整後の画像をプレビューします。
■[放射ぼかし]フィルタ適用例
[ぼかす範囲][ぼかす位置][ぼかす方法]のそれぞれの特性を実際にフィルタを適用した画像で確認しておきましょう。
・[ぼかす範囲]による変化
数値が大きいほど画像がぼやけます。
・[ぼかす位置]による変化
2.移動ぼかし
画像の境界線やくっきりとした領域を、設定した角度の方向に向かって画像をぼかすフィルタです。
[選択]ツールなどで選択範囲を作成してから、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[移動ぼかし]を選択すると、[移動ぼかし]ダイアログが表示されます。ダイアログ設定後に[OK]ボタンをクリックするとフィルタが適用されます。
■[移動ぼかし]ダイアログの解説
①ぼかす範囲:ぼかす範囲を設定します。数値が大きいほど画像がぼやけます。
②ぼかす方向:360度内でぼかす方向を設定します。
③ぼかす方法:画像のぼかし方を[ボックス]と[なめらか]から選択します。
④ぼかす位置:画像のぼかし方を[前後]・[前方]・[後方]から選択します。
⑤プレビュー:チェックを入れると調整後の画像をプレビューします。
■[移動ぼかし]フィルタ適用例
それぞれの特性を実際にフィルタを適用した画像で確認しておきましょう。
・[ぼかす方向]による変化
[ぼかす範囲]を[10]、[ぼかす方向]を[135]、[ぼかす方法]を[ボックス]、[ぼかす位置]を[前後]に設定
・[ぼかす方法]による変化
・[ぼかす位置]による変化
3.スムージング
画像のジャギーを押さえて輪郭をなめらかに加工する(アンチエイリアスをかける)フィルタです。
[レイヤー]パレットで画像を調整したいレイヤーを選択してから、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[スムージング]を選択するとフィルタが適用されます。
■[スムージング]フィルタ適用例
(1)下図のような線画にアンチエイリアスのかかっていない画像に対して[スムージング]を適用します。
(2)ジャギーが緩和されて、画像がなめらかになります。
[6]シャープとぼかしフィルタ使用例
シャープとぼかしフィルタを利用した使用例を紹介しておきましょう。
【ソフトフォーカスを演出する】
ソフトフォーカスとは、写真などにまばゆさと柔らかさを少し加える効果のことです。
1.線画のソフトフォーカス
まず、線画にソフトフォーカスをかける方法です。
(1)鉛筆ツールなどで、少し柔らかめの線画を描きます。
例では[パターンブラシ]ツールの[ツールセット]から[色鉛筆]を使用しました。
(2)画像に一度[ガウスぼかし]フィルタをかけます。
作例では[ガウスぼかし]ダイアログで[ぼかす範囲:10]に設定しています。
(3)[ガウスぼかし]をかけた画像に、さらに[アンシャープマスク]フィルタをかけます。
[アンシャープマスク]ダイアログで[半径:100][シャープの強さ:140][閾:40]に設定しています。
ソフトフォーカスをかけたような効果がかかりました。
2.カラーイラストのソフトフォーカス
次に、カラーイラストにソフトフォーカスをかける方法を紹介します。
[元画像] ※1024ドット×768ドットのキャンバスで作成。
(1)カラーイラスト全体にソフトフォーカスをかける場合はレイヤーを複製して、フィルタを使用します。
(2)コピーしたレイヤーにフィルタをかけていきます。まずは[ガウスぼかし]フィルタを[ぼかす範囲:10]程度でかけます。
(3)画像をぼかしたら、次は画像を明るくします。
[レベル補正]フィルタで、白とグレーの[△]マークをそれぞれ左に移動します。
(4)すこし白飛びするくらいに設定した方がいいでしょう。
(5)フィルタをかけたレイヤーの不透明度を50%程度まで下げます。
(6)ソフトフォーカスの効果を付加することができました。
明るさやレイヤーの不透明度の調整で、全体の雰囲気を調整することができます。
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