ラスターレイヤーを使いこなす
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[1]ラスターレイヤーの特徴
[ラスターレイヤー]は、IllustStudioのもっとも基本となるレイヤーです。ほとんどのツールを使用でき、主線の描画や彩色など、イラストを描く上での大抵のことが[ラスターレイヤー]で行えます。
[ラスターレイヤー]では、ラスター形式でペンやブラシのストロークを記録します。ラスター形式とは、線や色を格子状に配置されたドットの集まりで記録す る方式です。キャンバスサイズが大きければ大きいほど、記録できるドットの数が多くなり、より細密に描き込むことができるようになります。
ブラシのタッチを、ドットの集まりで表現するため、[水彩]ツールや[パターンブラシ]ツールなどで複雑なタッチのストロークを描くことができます。また、ドットの集まりで記録しているため、細かな加筆や消去が簡単にできるのが特徴です。
■ラスターレイヤーの苦手なこと
ラスターレイヤーは、可逆的な修正が苦手です。解像度を低くした後、再び元の解像度に変更したり、一度歪ませた画像を元の比率に変更すると、画像が劣化してしまいます。
[2]ラスターレイヤーの作成
[レイヤー]パレットには、[新規ラスターレイヤー作成]ボタンがあります。クリックすると、自動的に[カラー(32bit)]のラスターレイヤーが作成されます。
[ラスターレイヤー]の種類をあらかじめ設定して作成したい場合は、[レイヤー]パレットの[新規レイヤー作成]ボタンをクリックし、メニューから[ラスターレイヤー]を選択します。
[新規レイヤー]ダイアログが表示されます。[表現色]の項目から、[カラー(32bit)]、[グレー(8bit)]、[黒白(2bit)]、[黒(1bit)]の4種類の項目が選択できます。
[3]ラスターレイヤーの種類
[ラスターレイヤー]で選択できる、4種類の表現色について紹介します。
1.カラー(32bit)
フルカラーで描画することができます。32bitの色深度を持つラスターレイヤーで、1枚のラスターレイヤー上に、異なる色、濃度で描画することができます。
2.グレー(8bit)
モノクロで描画することができます。グレーは256段階の階調で表現され、1枚のラスターレイヤー上に異なる濃度の描画が行えます。グレーのトーンは、黒 の不透明度で表現されます。黒は不透明度100%、中間的なグレーは不透明度50%や30%というように透明度の階調で表現されます。そのため、[グ レー(8bit)]のレイヤーでは、黒以外の階調では、下のレイヤーが透けることになります。最も明るいトーンは透明色となり、白色として描くことはでき ません。
※ピンクの市松模様は、[用紙レイヤー]の表示をオフにした状態のものです。下のレイヤーが透過していることを示しています。
3.黒白(2bit)
黒と白の2色で描画することができます。グレーのトーンは、黒のドットの密度で表現されます。黒で描いた部分以外は、不透明色の白で表現されます。レイヤーを透かしたい場合は、透明色を使用します。
4.黒(1bit)
黒1色で描画することができます。グレーのトーンは、黒のドットの密度で表現されます。黒のドット以外の場所は透明色となり、白色として描くことはできません。
※ピンクの市松模様は、[用紙レイヤー]の表示をオフにした状態のものです。下のレイヤーが透過していることを示しています。
[4]便利な使い方
1.レイヤーカラーを使用する
8bit以下の色深度を持つレイヤーは、モノクロで描いた画像を単色カラーで表示することができます。下描きと清書を見分けるなど、特定のレイヤーの描画内容を確認したい場合に便利です。 単色カラー表示は[レイヤープロパティ]パレットの[レイヤーカラーを使用する]をオンにして設定します。[メインカラー]をクリックすると[色の設定]ダイアログが表示され、単色カラーの表示色を選択できます。
2.透明色の利用
グレー(8bit)、黒(1bit)では、最も明るいトーンが透明色として表現されます。この仕様を利用して、アナログで下描きしたスキャンデータなど、 線画と余白部分が一枚のレイヤーに統合されている画像を、グレー(8bit)、黒(1bit)のレイヤーに変換することで、簡単に主線だけのレイヤーにす ることができます。
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