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描画を補助してくれるツール

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 32787回 総合評価 : 3件
使用したバージョン:IllustStudio Ver.1.2.0
 

スタンプツール、ゆがみツール、ゴミ取りツール

描画を補助してくるツールとは、直接何かを描いたり塗ったりするツールではなく、描いた絵に対して、あとから効果を加える役割のツールです。ここでは[スタンプ]ツール、[ゆがみ]ツール、[ゴミ取り]ツールを紹介します。

 

[1]スタンプツール

[スタンプ]ツールは、描いた絵を別の場所に転写することができるツールです。コピー&ペーストのようにコマンド操作で複製するのとは異なり、ペン・ブラシ系ツールで描画するような感覚でドラッグして転写することができます。ツールの設定や描画方法によって、いろいろな表現ができます。

スタンプ

 

1.[スタンプ]ツールの使い方

[ツール]パレットから[スタンプ]ツールを選択。転写元の絵が描かれているレイヤーを選択した状態で、キャンバス上で[Alt]キーを押しながらクリックすると、転写の開始位置が設定できます。 続いて、キャンバスの任意の場所で、ペンやブラシで描くようにツールを動かすと、転写元と同じ絵が描画されます。

スタンプ

[スタンプ]ツールは、[ラスターレイヤー]・[選択範囲レイヤー]で使用できます。[ベクターレイヤー]・[定規レイヤー]では使用できません。

転写元と異なるレイヤーや、別のキャンバスに転写することもできます。

スタンプ

 

2.ツールオプションの設定

ツールのサイズや形状をはじめ細かい設定は、[ツールオプション]で変更できます。
一部のパラメータは初期状態では非表示設定になっています。これらの項目を表示するには、[ツールオプション]下部の[全てのパラメータを表示する]をクリックします。

詳しくはIllustStudioの質問集「ツールオプションの非表示になっているパラメータを表示したいのですが?」をご覧ください。

①[サイズ]:ツールのサイズ(線の太さ)を変更します。

②[不透明度]:描画の不透明度を変更します。

③[硬さ]:ペン先の周辺部での効果の強さを変更します。数値が低いほど、ツールのフチをぼかします。

④[ブラシ形状]:ブラシ形状を選択します。[多角形]を選択した場合は、頂点の数を設定します。

⑤[厚み]:ブラシパターンの厚みを変更します。

⑥[向き]:ブラシパターンの向きを変更します。

⑦[間隔]:ブラシパターンを描画する間隔の設定を選択します。[間隔]を[固定]に設定した場合のみ、描画間隔を任意の値に変更できます。

⑧[調整]:参照元(転写元)との相対的な位置を保ちます。オフにすると、参照開始地点が変化しません。(※詳しくは、次項「3.使い方のポイント」をご覧ください。)

⑨[アンチエイリアス]:アンチエイリアスのオン/オフを設定します。

⑩[手ブレ補正]:描画時の手ブレの抑制量を変更します。

⑪[はらい]:筆先の長い筆のように、ペンをタブレットから離した後に線が徐々に細くなりながらついてくる効果量を変更します。

⑫[筆圧設定]:筆圧の影響状態をグラフで設定します。

⑬[傾き設定]:傾きの影響状態をグラフで設定します。

⑭[透明部分の保護]:オンにすると、透明部分には描画されなくなります。

※各オプション項目についてくわしくは、IllustStudioユーザーガイドをご覧ください。
※各設定項目について詳しくは、「ツールオプションを使いこなす」で詳しく紹介しています。参考にしてください。

 

3.使い方のポイント

[ツールオプション]にある[調整]の項目を切り替えることで、転写のされ方が変わります。

■[調整]がオフの場合
ストロークのたびに、転写元の開始位置から描画が始まります。 ツールをキャンバスからいったん離すと、次のストロークでは、あらためて転写元の開始位置から描画が始まります。

スタンプ

■[調整]がオンの場合
転写元との相対的な位置を保った状態で転写されます。 最初にツールを置いた位置が転写される側の開始位置として固定され、以降のストロークでは、転写元と相対的な位置を保った絵が描画されます。

スタンプ

 

[2]ゆがみツール

[ゆがみ]ツールは、絵にゆがみ効果を与えるツールです。

ゆがみ

 

1.[ゆがみ]ツールの使い方

[ツール]パレットから[ゆがみ]ツールを選択。効果を加えたいレイヤーの描画部分を、ツールでなぞるようにドラッグして使用します。

ゆがみ

 

2.ツールオプションの設定

ツールのサイズや効果の強さ、ゆがみの方向など細かい設定は、[ツールオプション]で変更できます。
一部のパラメータは初期状態では非表示設定になっています。これらの項目を表示するには、[ツールオプション]下部の[全てのパラメータを表示する]をクリックします。

詳しくはIllustStudioの質問集「ツールオプションの非表示になっているパラメータを表示したいのですが?」をご覧ください。

①[サイズ]:ツールのサイズ(線の太さ)を変更します。

②[効果量]:ゆがませる強さを変更します。値が大きいほど、効果が強くなります。

③[方向]:ゆがませる方向とその方法を選択します。

④[硬さ]:ペン先の周辺部での効果の強さを変更します。数値が低いほど効果をぼかし、数値が高いほど効果をくっきりさせます。

⑤[トーンをゆがませる]:[トーンレイヤー]に[ゆがみ]ツールを適用するときにオンにします。[レイヤー]パレットで、[トーンレイヤー]を選択しているときに設定できます。

※各オプション項目についてくわしくは、IllustStudioユーザーガイドをご覧ください。

3.使い方のポイント

[ツールオプション]の設定によって、いろいろなゆがみ効果を表現することができます。

■[効果量]の値による違い
値が大きいほど、ゆがみ効果が強くなります。

ゆがみ

■[硬さ]の値による違い
値が低いと、ぐにゃりとゆがんだような効果になります。
値が高いと、くっきりとズレたような効果になります。

ゆがみ

■[方向]の設定による違い
[方向]の設定によっても、ゆがみの効果が変化します。

ゆがみ

 

[3]ゴミ取りツール

[ゴミ取り]ツールは、キャンバス上の細かいゴミを自動的に検知して、取り除くことができるツールです。検知したゴミは、選択した描画色で塗りつぶして消去します。

ゴミトリ

 

1.[ゴミ取り]ツールの使い方

[ツール]パレットから[ゴミ取り]ツールを選択。ゴミを取りたいレイヤーを選択した状態で、ツールで範囲を選択すると、選択範囲内のゴミが自動的に塗りつぶされます。

■[ツールセット]に登録されている設定を使用した例

▼透明地のゴミ取り
透明地に不透明なゴミが点在する場合、ゴミを消去します。
※下図はゴミを見やすくするために白背景を表示しています。

▼白地のゴミ取り
白く塗りつぶされたレイヤーに使用すると、ゴミ部分を白く塗りつぶしてゴミを消去します。
紙原稿をスキャンした場合などに有効です。

▼穴塗り
描画部分に空いた透明の穴を描画色で塗りつぶします。
必ず指定の色で塗りつぶしたい場合に有効です。

▼塗り残し埋め
「穴塗り」と違って、描画色ではなく、穴の周りの色と同じ色を自動で塗りつぶします。
囲んだ範囲内に複数の色がある場合などに有効です。

 

2.ツールオプションの設定

ゴミを取る範囲の選択方法や、検出するゴミのサイズ、塗りつぶしの方法など細かい設定は、[ツールオプション]で行います。

①[選択形状]:ツールの効果範囲を指定する方法を選択します。

②ツールのサイズを変更します。[選択形状]で[ペン(●)]・[ペン(■)]を選択したときに設定できます。

③[ゴミのサイズ]:ゴミとして認識する最大サイズを設定します。

④[モード]:対象色(ゴミとして認識する色)と描画する色(ゴミを塗りつぶす色)の組み合わせを選択します。

不透明の点を消す 透明部分に点在するゴミを透明色で塗りつぶし、消去します。
白地の中の点を消す 白地部分に点在するゴミを白で塗りつぶします。スキャンした原稿のように、白で塗りつぶされたレイヤーに使用します。
透明の穴を周囲の色で埋める 不透明部分にある、透明や半透明の小さな領域を周囲の色で塗りつぶします。
透明の穴を描画色で埋める 不透明部分にある、透明や半透明の小さな領域を描画色で塗りつぶします。

⑤[複数参照]:ゴミ取りの対象にするレイヤーを選択します。[モード]で[透明の穴を周囲の色で埋める]・[透明の穴を描画色で埋める]を選択しているときに、設定できます。

⑥[文字を参照しない]:オンにすると、[ゴミ取り]ツールの実行時に、[テキストレイヤー]をゴミ取りの対象から除外します。[複数参照]をオンにすると設定できます。

⑦[編集レイヤーを参照しない]:オンにすると、[ゴミ取り]ツールの実行時に、現在[レイヤー]パレットで選択されているレイヤーをゴミ取りの対象から除外します。[複数参照]をオンにすると設定できます。

※各オプション項目についてくわしくは、IllustStudioユーザーガイドをご覧ください。

POINT

フィルタを使ったゴミの消去

[ゴミ取り]フィルタを利用すると、[ゴミ取り]ツールと同様に、斑点状に残るゴミを取り除くことができます。
任意のレイヤーを選択した状態、または、キャンバスに選択範囲を作成した状態で、[フィルタ]メニュー→[効果]→[ゴミ取り]を選択すると、[ゴミ取り]ダイアログが表示されます。各設定を行い[OK]ボタンをクリックすると、キャンバスのゴミを消去することができます。

ゴミトリ

[ゴミ取り]ダイアログでは、[ゴミ取り]ツールの[ツールオプション]と同等の設定ができます。

①[サイズ]:ゴミとして認識する最大サイズを設定します。

②[モード]:対象色(ゴミとして認識する色)と描画する色(ゴミを塗りつぶす色)の組み合わせを選択します。

③[複数参照]:ゴミ取りの対象にするレイヤーを選択します。[モード]で[透明の穴を周囲の色で埋める]・[透明の穴を描画色で埋める]を選択しているときに、設定できます。

コメント
minasigo 2018/01/06 00:22
ツール]パレットから[スタンプ]ツールを選択。まずこれがどこにあるか解らない。
翠河 2014/04/01 19:10
勉強になります