第3回 カメラワークを使った背景動画の作成
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第3回では、カメラの移動を使い、カメラアングルを変えながら背景動画を作成します。元となる3Dデータは、前回作成した「教室.mxs」を使用します。
(1)3Dモデルの読み込み
「DigitalLoca3 for Stylos」を起動します。
[ファイル]メニュー→[プロジェクトを開く]をクリックし、前回作成したファイルを開きます。
カメラを設置します。
[キャスト]ウィンドウの[camera]タブの空白欄をダブルクリックします。
キーフレームは、0フレーム目に入れておきます。
(2)キーフレームの操作
カメラをPANさせる動画となるため、[スコア]ウィンドウにアニメーションする分のキーフレームを追加し、設定を行います。
[スコア]ウィンドウ上のキーフレームには、表示、移動値、回転値、スケール値が設定されていることが次の色で表示されます。
フレームを右クリックし[キーフレームを設定]→[全て]を選択し、キーフレームを挿入します。
今回は20フレーム分をアニメーションさせた動画を作ります。まず、0フレームにキーフレームが挿入し、次に、今回は20フレーム目にキーフレームを挿入します。
20フレーム目を選択し、右クリックで表示されるメニューから、[キーフレームを設定]の[すべて]を選択します。
このとき、カメラだけでなく、ライトやオブジェクトにも、スコア上の1フレーム目から20フレーム目に表示のステータスのキーフレームを挿入しておかないと、モデルが表示されません。
動かさないポリゴンであっても「表示したい」ポリゴンであれば、必ずキーフレームを挿入します。
試しに、一項目だけ20フレーム目にキーフレームを挿入し、再生フレーム(上画像)の黒い部分を20フレーム目に合わせてみます。ワークビューにはキーフレームを挿入しているポリゴン以外は表示されません。
20フレーム目にキーフレームを挿入すると、0フレーム目と20フレーム目だけ[表示・移動値・回転値・スケール値]がすべて満たされたキーフレームになり、1~19のフレームは表示ステータスのキーフレームの状態になります。
次に、「カメラ2」の20フレーム目を選択したまま、カメラの位置を[ワークビュー]ウィンドウのコマンドを使って少しずらします。
再生フレームを0フレームから20フレームまで動かしてみると、フレームとフレームの間が自動的に中割りされ、0フレーム目から20フレーム目まで、徐々に表示が変化するのが確認できます。
[ツールボックス]ウィンドウ→[制御パネル]タブで再生のボタンを押すと、自動的にレンダリングされ、[ステージ]ウィンドウで作成した動画を確認できます。
1~19フレームのいずれかを選択した状態で、モデルやカメラを動かすと、キーフレームに赤い色が表示されます。
回転すると緑色で表示され、大きさを変えると青い色で表示されます。
色が表示されているフレームを右クリックし、[キーフレームを設定]→[スムーズ]を選択すると、なめらかに動作します。
[スムーズ]を設定すると、キーフレームの赤い帯に円が表示されます。
(3)ゴーストの設定
ゴーストを設定し基準とすることで、カメラの移動を操作する方法もあります。
[ツールボックス]ウィンドウ→[プリミティブ]タブから、ゴーストのアイコンを選択するとスコアウィンドウに、ゴーストのトラックが追加されます。
また、[ワークビュー]ウィンドウ上に十字が表示されます。この十字を中心にしてカメラを動かします。
0フレーム目を選択し、カメラの始点として設定するところへ、ワークビューのコマンドを使いながら十字を配置します。配置後、キーフレームを20フレーム目に挿入します。
ゴーストを設置する際、[ワークビュー]コマンドのボタンをオンにしていないと十字がポリゴンとして表示されませんので、ご注意ください。
(4)ゴーストを使ったカメラワーク
0フレーム目を選択し、カメラの目線をゴーストの中心に合わせます。
カメラ・ゴーストの両方に20フレーム目のキーフレームを挿入します。
他のカメラと間違えないようにするため、「カメラ0」と「カメラ1」のキーフレームは表示しないように設定します。
「カメラ0」と「カメラ1」の0~20フレームを選択し、赤い枠の中で右クリックします。
[キーフレームを削除]→[表示]を選択し、キーフレームの表示ステータスを取り消します。
ゴーストと「カメラ2」をリンクします。
「カメラ2」のトラックを[shift]キーを押しながらドラッグし、ゴーストのトラックにドロップします。リンクすることにより、ゴーストを基準としてカメラ操作ができます。
「カメラ2」のトラックがゴーストのすぐ下に線で繋がれた表示になり、リンク完了です。
この状態でゴーストの20フレーム目を選択し、ゴーストのポリゴンを回転・移動・拡大縮小するとカメラがゴーストを基準に動きます。
ゴースト自体は表示されません。ここでは、教室の窓側から廊下側へゴーストを中心としてカメラが移動するように設定します。
回転しながら移動するカメラの位置は、下から上へ伸び上がるように動作しています。
カメラの初期位置を低い位置へ設定し、最後は高い位置へ設定します。
ゴーストの20フレーム目は、0フレーム目を180度回転した状態にします。
[ツールボックス]ウィンドウの[制御パネル]タブから再生ボタンを押すと、ステージ上でムービーが再生されます。
カメラが移動する動作を遅くする場合は、場合は、0~20フレーム間のフレーム数を多くするとより長い時間をかけてアニメーションすることになります。
20フレーム目を選択すると、カーソル手のひらに変わります。
その状態で、左クリックし、そのまま右方向にドラッグします。この状態では表示は白いままです。
どこでもよいので、一回クリックすると、自動的に中割りされます。
最後に上書き保存をしておきます。
(5)「Stylos」で線画の作成
「Stylos」を起動します。
[ライトテーブル]パレットの[登録]ボタンをクリックし、「教室.mxs」のデータを登録します。
サンプルで使用したデータはフレーム数が150フレーム程度あるものを使用しています。
30~40枚くらいトレースします。
背景を書き込んでいきます。
[ライトテーブルパレット]にある[次のセル]ボタンを押すと次のフレームが表示されます。
トレース後はこのような感じです。
教室と机/椅子は、別々に書かれています。
「PaintMan」で色を塗るために、書き出しを行います。
書き出しは、まず、描き終った背景のデータが入っているカットフォルダを開きます。
[ファイル]メニュー→[書き出し]→[仕上げ]をクリックします。
[カットフォルダ書き出し]ダイアログが表示されますので、詳細を設定します。
設定が終わったら、OKをクリックして書き出します。
作成後は、このような感じになります。
次に、色をつけていきます。
(6)「PaintMan」での着色
「PaintMan」を起動します。
書き出したカットフォルダを開きます。「F12」キーを押すか、[ウィンドウ]メニュー→[ファイルブラウザ]をクリックしてください。
[ファイルブラウザ]ウィンドウが表示されます。
色を塗っていきます。
人間の動きと合わせて、完成したムービーがこちらです。
人間の動きだけのものと3Dの背景とを合成すると、下のような動画も出来ます。
3回にわたり、「DigitalLoca3 for Stylos」と「Stylos」を活用して背景を描く、というテーマで解説を行いました。おつき合い頂きまして、ありがとうございました。
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