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第3回 画面の構図やイメージを決める「絵コンテ」が完成!

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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(1)先日、「アニメ作りました」

さて、この企画も第3回。ここまでは練習練習と、ソフトに慣れていく段階でした。......いやまだ全然「慣れた」なんて言えませんけどね。でもまあ、ちょっとは憶えたんじゃないかな?ということで、いよいよ『アニメーションノート』スタッフに招集をかけて、実際に絵コンテをもとに作画をやってみました!
おっと、まだどんな絵コンテが完成したか披露していませんでしたね。ここは慌てず順番に行くとしましょう。なんにしても、最初の作画会は和気あいあいと進みました。......作品の方の出来映えは......、まあ次回以降で見ていただくことにしましょう。


絵コンテをもとに作画を進める、『アニメーションノート』スタッフたち

 

(2)そんなわけで前回の続き

前回、原画のところで止まっていた練習カット、なんとか動画まで進めてみました。前よりも手際はよくなりましたが、それでも一晩かかってしまいました。そしてなにより......へたっぴい......。いいんだ!これからうまくなるからっ。

参考までに動画の作業の進め方は次の通り。
「クリンナップ」:原画を動画として使えるように、線を清書します。具体的には色を流し込んだときにはみ出さないようにトレースし直す作業です。
「中割り」:原画をクリンナップした動画の間に必要な絵を描きます。これはトレースする元がありませんから、動画担当者の絵心が問われる工程です。

中割りまで終われば1カット分の動画作業の完了です。

文字で書くとこれだけのことではあるのですが、実際にやるのは、大変です。筆者が描いたのはそれほど込み入っていないデザインの絵ですが、それでも1枚トレースするのに何時間もかかってしまいます。動画というのは手数の勝負です。

 

(3)一工夫で、ちょっとでも楽に

デジタル動画の作業工程は、確かに手数の勝負ではあるのですが、少しでも面倒な作業は減らしたいところ。今回作業している中で、実際にやってみた工夫をここで紹介しておきましょう。

「原画からのコピー&ペースト」
原画が最初からデジタルで作画されていたりする場合、クリンナップなしでもそのまま動画として使えそうな場合があります。こういうときは、原画を動画としてそのままコピーしてしまいましょう。今回のカットでいえば、Bセルの目の原画はそのままコピーして使っています。

「軌道線の確認のための点を打っておく」
ガイドブックにも「タップ割」としてレイヤーを重ねることで、中割りを手際よく進める方法が書いてありますが、中割り動画の下描きレイヤーに重ねるときのための参考用の点(必要なら線でも)を描いておくと、重ねる場所の目安ができて便利です。
具体的に紹介しましょう。たとえば鼻。ただ前後の動画レイヤーに描いてある鼻を重ねてしまうと、中割りの鼻は顔にめり込んだみたいな場所に描いてしまうことになります。それを避けるために、まずレイヤーを動かす前に、動画の下書きレイヤーに、前後の動画の鼻の頂点に当たる部分の点を描き込みます。
さらにそのあと、中割りの動画で鼻の頂点が来て欲しい場所に点を描きます。そしてレイヤーを動かして鼻の頂点を重ねる場所は、3つめの点を目安にすれば、位置決めが容易にできますし、鼻が顔にめり込まずに済みます。......筆者の例では、めり込むめり込まない以前に、原画と原画の間でキャラの顔の形が変わってしまっていますから、あまり参考にならないかもしれませんけど。


動画のAセルとBセル

 

これが実際に動いているところです。前回の原画のみで動かしている状態より「動いて」見えますね。あそこの形が途中で変わってるとか、線がよれてるとか、それはいいっこなし。デジタルアニメ初挑戦でも、なんとかここまではこられます。


動画のモーションチェック

 

(4)紙に描いてみる

デジタル動画に時間がかかりすぎて、[TraceMan]までたどり着けませんでした......。でも、素材までは描きました!

一応デジタル動画版と同じキャラクター......のつもりで、紙に描いています。さすがに子供の頃から使っている道具だけあって、えんぴつは早く仕上がります。ラフ(原画)からここまで30分ほど。でも、デジタルならこのあとすぐに色が塗れたり、動きをチェックできたりするわけです。その手軽さは、いかにえんぴつに慣れている筆者でも「いいなあ」と思うところです。

次回こそこれをデジタルデータとして取り込んで色まで塗ってしまいたいです!


えんぴつで描いた原画1


えんぴつで描いた原画2

 

(5)さあ、これが本番コンテです!......おい

前回は脚本を紹介しましたが、それをもとに完成した絵コンテがこれです!絵コンテ担当は、『アニメーションノート』編集部のひよこ氏。みなさん読んで内容がわかるでしょうか。きっと「よくわからない......」と思われるのではないでしょうか。
ぜひプロの絵コンテ(書籍などのかたちで刊行されていますね)と見比べてみてください。スタッフ間での作業指示書ともなる絵コンテを描くのに、プロの演出家さんがどんな工夫をしているか、それだけ見ているよりよくわかると思います。皆さんが自分で絵コンテを描くときは、こうはならないようにしたいですね......。
それはそうとして、体当たりがモットーの『アニメーションノート』編集部では、とにかくこの絵コンテで作画に突入してみます!
絵コンテ用紙はなんと、アニメーション製作会社マッドハウス(http://www.madhouse.co.jp/)さんからご提供いただきました。取材ではいつもお世話になっています。......それにしても、せっかくお借りしたのに、怒られないかしら......。しかも、10秒って言ったのに、なんだかすごく長い作品になってるし。


アニメ作ろうぜ!絵コンテ。

次回では、手描き動画をデジタルに取り込む[TraceMan]の工程と、彩色に挑戦していきます。編集部スタッフが実際に挑戦した原画、動画もご紹介できそうです!

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