第5回 「廻る」作画編
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今回は、「道化師の周りを、光を放つ妖精(実体無し)が一周し、それに合わせて影が動く動画(原画)」を作成する内容です。
前回作成したレイアウトから原画を作成する練習ですが、そのままでは作業量が多くなり過ぎるので、もう少し寄ったサイズに描き直しましょう。
前回のカットフォルダの練習内容。
以下は完成見本のカットフォルダのデータです。レイアウト等の参考に使用してください。
サンプルデータ
(1)カットフォルダの作成
まず、今回作業するカットフォルダを作成します。
(1)[ファイル]メニューから[新規]→[カットフォルダ]を作成します。
(2)[作画カットフォルダ]ダイアログで、以下の通り項目を設定します。
作品名は「練習」
話数は、「3」
シーンは、「1」
カット番号は、「1」
他の項目は前回と同じです。
([タイムシートを作成する]のチェックは入れません)
(2)レイアウトの作成
前回作成したレイアウト画像を読み込み、今回の動画用に新たにサイズを調整したレイアウトを作成します。
(1)新規カットフォルダが開いたら[レイアウト]タブの1番目のフレームをダブルクリックして[新規セル]を作成します。
(2)新規セルが開いたら、[ライトテーブル]パレットの[登録]ボタンをクリックしてライトテーブルに前回の「レイアウト編」で作成したラスト(6枚目の)画像を登録します。
「練習-002-001-0001」→「Layout」フォルダ内からセルを選択します。
(3)[ライトテーブル]に読み込んだ画像の表示サイズを変更します。
[ライトテーブル]パレットの[表示設定]ボタンをクリックします。
(4)今回は、バストサイズの作画なので[ライトテーブル]の表示[倍率]は、300%くらいにしてから、X軸とY軸の調整をします。
(5)レイアウトを参考に[ペン]ツールでラフに描画します。
(6)光源位置とキャラクターに[色トレース線プレーン3](青色)でキャラクターに影線を付けます。背景のラフ画も描きます。
(7)一通りレイアウトを描き終えたらセルを[保存]します。([Ctrl]+[S]キー)
(3)原画の制作
(1)[ファイルブラウザ]のタブを[原画]に切り替えて、「A」レイヤーに新規セルを作成します。
(2)[ライトテーブル]パレットの登録ボタンで、保存した「レイアウト」を登録します。プレビューで内容を確認します。
(3)[ライトテーブル]パレットの透明度設定を20%程度に調整します。
(4)ライトテーブルに読み込んだレイアウトをもとに、[ペン]ツールで原画を清書していきます。
以下は原画作成過程のキャプチャムービーです。
(5)描き上がった原画に[影指定レイヤー]を作成します。[セル]メニューの→[影指定作成]を選択します。
※[ツール]パレットの[影指定作成]ボタンをクリックしても同様の操作が出来ます。
(6)[影指定を作成]を実行すると、[ツール]パレットが影指定モードになるので、[フィル]ツールにして塗りたい影色を選択します。
(7)原画作業は、動画作業ほど緻密さが要求されないので、所々で線切れが発生している場合があります。
それを補間する為に[ツールオプション]パレットの[隙間を閉じる]機能をオンにします。(数値は任意)
(8)基本的には作画フレーム外(下図のピンクの枠)で[フィル]ツールを使う必要は無いのですが、気分的に塗りつぶしておきたい場合は、線を閉じておかないと塗り溢れてしまいます。
(9)[ツール]パレットの[ペン]ツールに切り替え、フレーム外で塗り漏れて欲しくない範囲を、[影指定プレーン]に描画します。
(10)[ツール]パレットの[フィル]ツールに切り替え、フレーム外で補間した部分を[フィル]ツールで塗ります。
(11)影指定を塗り終えたら[保存]します。
(4)原画の複製
作成した原画を複製して2~4枚目の原画の元となる画像を作成します。
(1)[ファイルブラウザ]で原画が選択されている状態から、メニューの[編集]→[コピー]を実行します。
直後に、メニューの[編集]→[ペースト]を実行します。
(2)同様に後、2回[ペースト]を実行します。
コピーしたセルは「セル番号」まで同じなので修正する必要があります。
(3)コピーしたセルをすべて選択して、セル番号を変更します。
[セル]を全て選択するには、左端の[セル]を選択した状態で[Shift]キーを押しながら右端の[セル]をクリックします。
※順番を無視して選択する場合は[Ctrl]キー(MACの場合は[command]キー)を押しながらクリックします。
[メニュー表示]ボタンから[セル番号の変更]を選択します。
[セル番号の変更]ダイアログが出るので、そのまま[OK]をクリックします。
(4)[セル]番号が自動的に修正されました。(次の行程の為に[セル]番号、2番を選択)
(5)複製した原画の修正
この作業では実線はそのまま使い、色トレースだけを描き変えて動きを付けます。
(1)先ほど複製した「セル番号」、2番を開いて「色トレース線プレーン3(青)」を選択します。
(2)メニューの[編集]→[全てを選択]を実行します。
メニューの[編集]→[カット]を実行します。
(3)[色トレース線プレーン3]の線が全て無くなりましたが、[影指定レイヤー]が残っています。これも削除します。
[色トレース線プレーン3]を選択した状態で、パレットの[レイヤー削除]ボタンをクリックします。
(4)新たに、「色トレース線プレーン3(青)」へ影線を描画します。
光源が移動した設定で、左方向から光が当たっている感じにします。
(5)「色トレース線プレーン3」の描画が出来たら[影指定レイヤー]を作成します。
[フィル]ツールで塗りつぶして、影指定を完成させます。
(6)同様に「セル番号」3番も修正します。
「色トレース線プレーン3(青)」の線を削除して、[影指定レイヤー]も削除します。
光源が移動した設定で、後ろ方向から光が当たっている感じにします。
「色トレース線プレーン3」を描き直したらたら[影指定レイヤー]を作成します。
(7)同様に[セル]番号4番の「色トレース線プレーン3」の線を削除して、[影指定レイヤー]も削除します。
さらに光源が移動した設定で、右方向から光が当たっている感じにします。
「色トレース線プレーン3」を描き直したらたら[影指定レイヤー]を作成します。
(8)原画が完成です。
「Bセル」&「Aセル」&「背景画」のセル重ね構造はこんな感じです。
影なしで塗った「Aセル」に対して、[Bセル]は影部分だけを黒塗りして半露出で合成します。
コンポジット予定画面です。
次回は、動画と彩色とコンポジット(撮影)まで予定しています。(背景作成は別枠です)
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