第6回 「廻る」動画編

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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商業アニメーションの制作過程では、レイアウト/原画の次は「タイムシートの作成」ですが、この練習講座ではタイムシートの作成は後回しにします。

 

以下は今回の作例データです。
サンプルデータ

今回配布するカットフォルダ「練習-006-002-0003」は前回原画まで作成したものをフォルダごとコピーして、動画の中割りをしたものです。

前回から引き続き作業する場合は、前回の作例「練習-005-002-0002」フォルダをコピーして使用します。

 

(1)ライトテーブルセットの作成

まず、[ウィンドウ]メニューから[ライトテーブル]パレットを表示させます。

 

[セル]を開いていない時は、ライトテーブルセットが[なし]になっています。

 

[セル]を開くとセットが[デフォルト]に切り替わって任意の画像を登録出来ますが、[セル]を閉じると、登録画像が全て解除されてしまうので、毎回登録するのは手間が掛かって不便です。

そこで、頻繁に使うファイルを[ライトテーブルセット]に登録します。あらかじめ任意のセットに登録しておくと、セルを閉じたり、STYLOSを終了してもセットは保持されます。

(1)ライトテーブルパレットの[メニュー表示]から[セットの編集]を選択します。

 

(2)[ライトテーブルセット]の[追加]ボタンをクリックして[新規セット]を作成して、名称を「練習セット」にします。(セットを追加したら、[OK]ボタンでで確定します)

 

(3)[ライトテーブル]パレットのセットを[なし]から[練習セット]に切り替えます。

 

(4)原画セル「1」番を、[ライトテーブル]パレットの下のエリアにドラッグします。

 

セル画像が登録されると[ファイルブラウザ]の該当セルの下部分が「黄色」表示になります。

これで、原画「1」番はライトテーブルセット「練習セット」に登録されました。

 

(2)原画のクリーンアップ

ライトテーブルに登録した画像を元に原画のクリーンアップを作画していきます。

(1)[ファイルブラウザ]を[動画]タブに切り替えて、サムネイル欄をダブルクリック。[新規セル]を作成します。

 

(2)[新規セル]が開きます。

この時、[ライトテーブル]パレットのセットが自動的に[デフォルト]に切り替わるので、先ほど作成した[練習セット]に切り替えます。

 

(3)[ライトテーブル]パレットの透明度を30%程度に調整します。

 

(4)[ペン]ツールでクリーンアップ作画をします。(前回の原画では、線のつなぎを意識しませんでしたが、今回の作画は彩色に使用するものなので、彩色行程で塗り漏れが起きない様、確実に線を繋ぎます)

 

場合によっては、クリーンアップの段階で原画よりきれいな曲線に修正する事もあります。

整った曲線を描画するために[曲線]ツールも使用します。

 

念の為、ピンク線の外まで作画しておく方が確実に色漏れを防げます。

 

POINT

クリーンアップ作画の動画。

例えば、楕円を描く場合は曲線ツールで4回以上に分けて描くのがコツ。
線繋ぎを効率よく作業するには「絵の中で手前に来るもの」から順に描くのがコツです。

 

(5)クリーンアップ作業で実線がすんだ状態です。

 

(6)[レイヤー]パレットで[色トレース線プレーン](赤色)を選択し、絵柄のハイライトや色トレース線を赤線でクリーンアップします。

 

(7)実線と赤色トレース線が作画できたら、「A1」セルとして一旦保存([Ctrl]+[S])します。

 

(3)Aセルの複製

今回の練習ではキャラクターは動きませんが、「影の動画」を作成するので、青色トレース線は「B」セルとして作画を分けます。

[B]セルは、彩色行程で影になる部分を黒色で塗り潰すので、アウトラインは全て「A1」と同じものを使います。その為に、「A1」セルの主線プレーンを「B」セルに複製します。

(1)[レイヤー]パレットで[主線プレーン]を選択します。

[編集]メニュー→[全てを選択]を実行し、「A1」セルを全て選択します。

 

(2)[編集]メニュー→[コピー]を実行します。(コピーを実行したら「A1」セルは閉じます)

(3)[ファイルブラウザ]で[Bセル]を表示、ダブルクリックして[新規セル]を作成します。

 

(4)開いた「B1」セルに[ペースト]を実行します。

続けて[編集]メニュー→[選択範囲を解除]を実行してペーストを確定します。

 

(5)「B1」を一旦保存して閉じます。

(6)[ファイルブラウザ]の「B1」が選択された状態で[コピー]を実行します。

 

(7)[ファイルブラウザ]で「B1」の隣を選択して[ペースト]します。

 

同様に合計8枚のコピー&ペーストします。

(8)コピペした為、番号が同じなので[Bセル]8枚全て選択した状態で[メニュー表示]から[セル番号の変更]を選択します。

 

[セル番号の変更]ダイアログが表示されるので、[セル番号]が1のままで[OK]をクリックします。

 

セル番号が変更された結果。

 

(4)青色トレース線の描画

1.色トレース線のクリーンアップ(「B1」セル)

(1)[ファイルブラウザ]から「B1」セルを開いて、ライトテーブルを[練習セット]に切り替えます。

 

(2) 原画「A1」がライトテーブルで表示されるので、「影線」を[色トレース線プレーン3](青色)と[曲線]ツールで作画します。

 

※[色トレース線プレーン3](青色)のクリーンアップ作画の動画。

 

(3)[影指定レイヤー]を作成して[フィル]ツールで影色を塗ります。

[フィル]ツールオプションの「隙間を閉じる」にチェックを入れておくと、隙間があっても設定値に合わせて自動的に閉じてくれます。

 

(4)[影指定プレーン]が塗り終わった状態です。保存して閉じます。

 

2.色トレース線のクリーンアップ(その他のセル)

(1)「B3」セルを開きます。[ライトテーブル]の「練習セット」には登録された[原画/A/1]が選択されている状態です。

(2)このセルでは、先ほどの「B1」セルよりも影が移動するので、[ライトテーブル]の表示も切り替えます。

[次のセル]ボタンをクリックしてライトテーブルの表示を[原画/A/2]に切り替えます。

 

このように、同じフォルダ内にあるセル画像は、再登録しなくてもこのボタンで呼び出す事が出来ます。

(3)「B1」セル同様に影線のクリーンアップをして、[影指定レイヤー]を作成、[影指定プレーン]の影部分を[フィル]ツールで塗ります。

 

(4)同様に「B5」を開き、ライトテーブルの表示を[原画/A/3]に切り替え、影線の作画、[影指定プレーン]の塗りつぶしを行います。

 

(5)さらに「B7」セルを開き、ライトテーブルの表示を[原画/A/4]に切り替え、影線の作画、[影指定プレーン]の塗りつぶしを行います。

POINT

影指定を塗りつぶす際、色が漏れてしまうので、「主線プレーン」の画面外部分は色トレース線で閉じておきましょう。

 

(6)「B1」、「B3」、「B5」、「B7」と、原画のクリーンアップが済みました。

 

[ライトテーブル]パレットの[削除]ボタンをクリックして[練習セット]の内容を解除します。

 

※[ライトテーブル]パレットの[削除]ボタンは登録が解除されるだけで、画像自体が削除されるわけではありません。

 

(5)動画の中割り

ここから、動画の中割りを行います。アニメーションにした時の動きをスムーズにするために、原画と原画の間をつなぐ絵を描きます。今回は、先ほど原画をクリーンアップした「B1」、「B3」、「B5」、「B7」セルの間を中割りしていきます。

(1)「B6」を開きます。

 

(2)「B6」を開いた状態で、[ライトテーブル]メニューから[前後の画像を登録する]を実行します。

 

ライトテーブルに前後のセル「B5」と「B7」が登録されます。

ライトテーブルで2枚を見比べながら、「B6」セルにはこの2枚の中間の絵を描きます。

 

POINT

[ライトテーブル]には[Alt]+「数字」のショートカットキーが割当てられています。

キーボードで[Alt]キーと数字キー(テンキーの数字では動作しません)を同時に押すと、編集中のセルや、ライトテーブルに登録したセルを単独で表示できます。

これは紙の作業でよく使われる「ゆびパラ」を、キーボード操作で再現する機能です。

[Alt]キーを押したままにして、数字キーを交互に押して中割りできているかを確認しながら作画していきます。


[Alt]+[1]のショートカットキーを実行した時の表示です。


[Alt]+[2]のショートカットキーを実行した時の表示です。


[Alt]+[3]のショートカットキーを実行した時の表示です。


これらを見比べて、光が正面奥から当たっているように作画すれば良いことが分かります。

 

(3)動画「B6」の影線の中割りをしますが、練習なので慣れない場合は大体の雰囲気で構いません。

[影指定レイヤー]を作成作して影部分を塗ります。

 

影部分を塗った状態です。

 

(4)「B6」が完成したら、次のセルの作業に移ります。

[ライトテーブル]パレットで[編集画像]を選択してある状態で、シフトキーを押しながら登録画像の「B7」と「B5」をクリックして追加選択します。

 

(5)この状態で[ライトテーブル]の[前のセル]を2回クリックしすると、編集中のセルは「B4」に移動します。同時に登録画像もそれぞれ「B3」と「B5」に入れ替わります。

 

(6)先ほどと同様に動画「B4」の影線の中割りをしますが、大体の雰囲気で構いません。

色トレース線が引けたら、[影指定レイヤー]を作成して影部分を塗ります。

 

(7)[ライトテーブル]パレットの[編集画像]と登録画像の「B5」と「B3」を、シフトキーを押しながらクリックして追加選択し、[ライトテーブル]の[前のセル]を2回クリックして「B2」セルに移動します。

「B2」セルに移動したら、先ほど同様、色トレース線を中割り、影指定を塗りつぶします。

 

(8)同じ要領でセル移動をして、動画「B8」の影線の中割りをします。大体の雰囲気で構いません。

こちらも[影指定レイヤー]を作成して影部分を塗ります。

 

(6)動きの確認

中割り動画が完成したら[モーションチェック]で動きを確認します。

(1)[表示]メニュー→[モーションチェック]をクリックします。

(2)[モーションチェック設定]ダイアログで、[影指定レイヤーを表示]をオンにします。

[OK]をクリックすると、モーションチェックが開始され、動画の動きが確認できます。

 

「影が回る動画」の完成です。

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