3.3Dデータを操作する
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コミスタイラスタで自分の使いたい3Dデータを利用するためには、3Dデータを読み込まなくてはなりません。
3Dデータとはポリゴンで作られた立体的なデータの事です。ポリゴンという言葉自体はゲームで馴染み深いかもしれませんね。ポリゴンという言葉があまりにポピュラーになったため、3Dデータの事を単にポリゴンと呼んだりもします。ポリゴンとは多角形という意味です。いろんな形のポリゴンを立体的に組み合わせる事で、3Dデータを作成しますが、オリジナルデータの作成はまだ先の話です。
それよりもまず、出来上がっているデータを読み込んでみましょう。
■マウスでぐりぐり
では実際に3Dデータをコミスタやイラスタで見てみましょう。まずは以下のデータをダウンロードしてください。
コミックスタジオ4.0用 レーサー(ComicStudio)
イラスタ1.0用 レーサー(IllustStudio)
ダウンロードしたファイルを解凍して、それぞれコミックスタジオ、イラストスタジオで開きます。
ComicStudioの場合
画面左上の[開く]ボタンをクリックし、ダウンロードしたフォルダ内にある「レーサー(コミスタ4用).cpg」を指定します。
IllustStudioの場合
画面左上の[開く]ボタンで、ダウンロードした「レーサー(イラスタ).xpg」ファイルを指定します。
開くと以下のような画面があらわれます。左がイラスタ、右がコミスタです。両方ともかっこいい3Dのレーサーバイクです。
このバイクは3Dなので向きを変える事ができます。やってみましょう。
マウスでぐりぐり回転手順
①バイクの一部を長押ししたまま、左下にゆっくり移動します。
②バイクをかこっている水色の四角がマウスの動きに合わせて移動するのが確認できます。
③マウスを離します。バイクの向きが変わります。
慣れてくればマウスでぐりぐり向きが変えられるはずです。この向きが変えられる事こそ、3D最大の利点です。自分で描いた2Dの絵は簡単に向きを変える事はできませんよね?2Dで向きを変えるには描き直すしかないからです。
*もし、この手順でバイクの向きが変わらない方は、以下の[3D選択]ツールの設定を確認してください。
[3D選択]ツール(コミスタ)
①[ツール]パレットの[3D選択]ツールボタンをダブルクリックします。
[ツール]パレット自体が見当たらない時はキーボードの[F2]キーを押すと表示されます。
②[3D選択ツールオプション]パレットが現れるので、[回転]をチェックします。[3Dマニピュレータの表示]がオフになっていたらオンにします。
③[3D選択ツールオプション]パレットを閉じます。3D操作中は常に[3D選択]ツールを使用します。
[3D選択]ツール(イラスタ)
①ツールバーの[編集]タグの[3D選択]ツールボタンをダブルクリックします。[ツール]パレット自体が見当たらない時はキーボードの[F2]を押すと表示されます。
②[3D選択ツールオプション]パレットが現れるので、[回転]をチェックします。[3Dマニピュレータの表示]がオフになっていたらオンにします。
③3D操作中は常に[3D選択]ツールを使用します。
3Dマニピュレータとは?
さて、おそらくみなさんはバイクの上にずっと表示されている謎の赤青緑の3色の円と3つの矢印が気になっている事と思います。下の図のやつですね。これはいったい何でしょうか。
これは[3Dマニピュレータ]という名前です。マウスでぐりぐりもいいのですが、もっと特定の方向に向きを変えたい時はこの[3Dマニピュレータ]を使用します。回転だけでなく移動したい時にも非常に便利な奴なのです。やってみましょう。マウスでぐりぐりいろんな方向回転してしてしまったと思うので、ダウンロードしたレーサーのデータをもう一度開きなおします。
①青矢印 [前後]移動
青矢印は、3Dデータを手前や奥に移動させます。青矢印をつかみ下の方に動かしてみましょう。バイクはぐっと手前に来ます。逆の操作をすれば遠くに行きます。
②緑矢印 [左右]移動
そのまま、今度は緑の矢印をつかみ右に移動してみましょう。今度は右に移動するはずです。
③赤矢印 [上下]移動
同様に赤矢印をつかんで上に持ち上げてみましょう。
④青サークル[左右]回転
青い円はバイクを左右に向きを変えます。ちょうど首をかしげるような方向ですね。青い円をうまくつかみ、左にかしげさせてみましょう。
⑤赤サークル[水平]回転
赤い円はバイクを水平に回転させます。ちょうど「いやよいやよ」と首をふる方向ですね。赤い円をつかみ、左にやや大きく回転させてみましょう。
⑥緑サークル[垂直]回転
正面を向いている時はほとんど線に見えていましたが、緑の円が真ん中に垂直に存在してます。さっき赤サークルで水平回転させたので、緑の円がみやすくなりましたね。この緑の円は垂直方向に回転させます。ちょうど「うんうん」うなずく動作に似ていますね。緑の円をつかみ下向きにバイクをうなずかせてみましょう。
[3Dマニピュレータ]とは移動や回転を感覚的に操作するための小道具だと思ってください。
つまりこれらで3Dデータを操作する事で、前述したレモンを近づけたり、遠ざけたり、ひねったりといったリアルで出来る事と同じ事がこの仮想空間でも可能だという事なのです。
3D空間に関して、なんとなくわかってきましたか?
3Dワークスペースプロパティとは
3Dデータを読み込むと[3Dワークスペースプロパティ]というパレットが自動的に表示されます。このプロパティで[3Dマニピュレータ]よりさらに精度高く操作する事が可能です。あとほんの0.1mmだけ右に回転させたいといった時にはマウス操作ではなかなかうまくいかない事もあります。そんな時は[3Dワークスペース]のプロパティで数値操作するのが得策です。
[3Dワークスペース]プロパティはデータ読み込み時に自動的に表示されますが、もし画面上に表示されていなければ、それぞれ以下の方法で表示させてください。
[3Dワークスペース]プロパティ表示方法 コミスタ
①[レイヤー]パレットで「3Dワークスペース」レイヤーが選択されていることを確認し、 [ウィンドウ]メニュー→[プロパティ]を選びます。またはキーボードの[F7]を押します。
②下図のような[3Dワークスペース]プロパティが表示されます。
[3Dワークスペース]プロパティ表示方法 イラスタ
①[レイヤー]パレットで「3Dワークスペース」レイヤーが選択されていることを確認し、 [レイヤー]メニューから、下の方にある[レイヤーの設定]→[詳細設定]を選択します。
②下図のような[3Dワークスペースプロパティ]が表示されます。
表示手順に若干の違いはあるものの、[3Dワークスペースプロパティ]の内容はコミスタもイラスタもほぼいっしょです。
数字や見たこともない項目が並んで、少しひいてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
誰でも友人にはじめて携帯メールを打った時に慣れない操作でうまくいかなかったでしょう。要は慣れなのです。こんなものは慣れてしまえば携帯メールの操作よりも簡単な事です。
左側に[カメラ][racer_UV.lwo]と並んでいますね。[カメラ]に関しては次の項目で説明します。[racer_UV.lwo]とはレーサーバイクの事です。[racer_UV.lwo]をクリックしてみましょう。
すぐ右側を見てください。下図のように移動 回転という項目といくつかのレバーと数値が見られますね。
移動の[左右]は緑色の文字です。これはさきほどいじった[3Dマニピュレータ]の緑矢印に対応しているからです。試しに[左右]のレバーを動かしてみましょう。[3Dマニピュレータ]の緑矢印を動かした時と同様の動作が確認できます。
同様に赤矢印は[上下]レバーに青矢印は[前後]レバーに対応しています。
回転も同じです。全て[3Dマニピュレータ]の三色サークルに対応しています。
つまり緑サークルは[垂直]レバーに赤サークルは[上下]レバーに青サークルは[左右]レバーに対応しています。
それぞれのレバーのとなりにある数値を変更する事で、精密な向きを設定できるわけです。
このバイクにあなたの描いた2Dのキャラクターを乗せたい場合、この精密な設定が生きてきます。
手順としては、[3Dマニピュレータ]で大雑把に移動と回転を設定したのち、[3Dワークスペースプロパティ]で微調整を行うのが定石です。
[3Dワークスペースプロパティ]ではそれ以外にもさまざまなセッティングが可能です。
少し専門的になりますが、読み流してください。3Dには[移動]・[回転]・[大きさ]という三大要素があります。
[移動]・[回転]に関しては、もう理解したと思いますが、もうひとつ[大きさ]に関してはこの連載中に必要になってきますので、その時に詳しく説明しましょう。この空間ではビルよりでかい人間を作る事も、蟻より小さな象をつくる事も思いのままと覚えておいてください。
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