3.部屋のレイアウトを作成する

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : ブンサダカ
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コミスタやイラスタで使用する3Dの中で、前回の街と同じくらい使用頻度の高い背景として、部屋があげられます。前項では、積木で遊んで3Dの操作に慣れてもらいました。今回はより実戦的です。

部屋をレイアウトするには真上から見るとわかりやすいですよね。自分の部屋のどこに何をおこうか考える時にも、真上から見た図をつくっている方もいらっしゃるでしょう。引越しの時お世話になるお部屋探しのお店にはいっぱい貼ってありますよね。間取図と呼んだりします。

例えば下図のような部屋があるとします。

 

これをコミスタやイラスタで組み立ててみましょう。今までのチュートリアルより少し長めです。

部屋の組み立て手順 1 真上からのカメラ

①新規にページを作成し、[ファイル]→[読み込み]→[3Dファイル]を選択します。

 

②「第3回用3D素材」フォルダの中の「3dルーム」フォルダから、「床.lwo」を読み込みます。

 

③床は大きなデータのため、読み込まれた状態では以下のように、ページにおさまりきらないと思います。でもこの状態でまったく問題はありません。

 

④これからカメラを操作して、真上から床を見ているように調整します。まず[3Dワークスペースプロパティ]の一覧からカメラをクリックします。

 

⑤[3Dワークスペースプロパティ]の[距離]スライダーを右に動かし床の全体が見えるようにします。スライダーの横の数値が表示されている部分に直接数値入力してもいいです。「30」と打てば、全体像が見えると思います。みなさんのお使いの環境によっても変わるので、この数値は微調整してください。

 

 

⑥[3Dワークスペースプロパティ]の[回転]の項の[垂直]の数値に「90」と打ちます。これで真上から見た絵になり、床は四角く見えるようになります。

 

⑦[3Dワークスペースプロパティ]の[大きさ・パース]の項のパースを目いっぱい左に動かします。遠距離感が強いと、これからやる真上からの作業に都合が悪いためです。

 

これで真上からのアングルがつくれました。次の手順はいよいよ壁の設置です。

部屋の組み立て手順2 壁の配置

①[3Dワークスペースプロパティ]のアイコンをクリックして、「壁.lwo」を読み込みます。

 

②5枚の壁パーツが重なった状態で、読み込まれました。[3Dワークスペースプロパティ]を見れば、壁a~壁eまで5つの壁が読み込まれている事がわかります。

 

③5枚の壁を計画した間取図どおりに設置しましょう。ここからは数字がいっぱい出てきます。もしどうしても、数字が嫌いな人はとばして一気に手順3まで進んでもらってもかまいません。

まず[壁a]をクリックします。

 

④[3Dワークスペースプロパティ]の[移動]の項の[前後]数値に「-45」と入力します。[壁a]は上に移動します。

 

⑤[壁b]をクリックします。

 

⑥[3Dワークスペースプロパティ]の[回転]の項の[水平]数値に「90」と入力します。[壁b]は90度回転します。

 

⑦[3Dワークスペースプロパティ]の[移動]の項の[左右]の数値に「-45」と入力します。[壁b]は左に移動します。

 

⑧[壁c]をクリックします。

 

⑨[3Dワークスペースプロパティ]の[回転]の項の[水平]数値に「90」と入力します。[壁b]は90度回転します。

 

⑩[3Dワークスペースプロパティ]の[移動]の項の[左右]の数値に「45」と入力します。[壁c]は右に移動します。

 

⑪[壁d]をクリックします。

 

⑫[3Dワークスペースプロパティ]の[回転]の項の[水平]数値に「90」と入力します。[壁b]は90度回転します。

 

⑬[3Dワークスペースプロパティ]の[移動]の項の[左右]の数値に「-20」、また[前後]の数値に「-60]と入力します。[壁d]は左上方向に移動します。

 

⑭[壁e]をクリックします。

 

⑮[3Dワークスペースプロパティ]の[移動]の項の[左右]の数値に「24」、また[前後]の数値に「-15」と入力します。[壁d]は右上方向に移動します。

 

これで壁の設置は終わりです。お疲れ様です。

部屋の組み立て手順3 ドアと窓の配置

①壁の設置、大変でしたね。どうしても数字が嫌いな方はここに飛んできたと思います。

そんな人は5枚の壁を手動で移動させて、ラフでかまわないので右図のようにしてください。壁が多少めりこんでようが、まあ、なんとかなります。

 

②[3Dワークスペースプロパティ] のアイコンをクリックして、「ドア.lwo」を読み込みます。

 

③[ドア]をクリックします。

 

④[3Dマニピュレータ]を使ってドアを大体下図の位置に配置します。ドアはあとで微調整しなくてはならないので、ここでは大まかな位置合わせで大丈夫です。

 

⑤[3Dワークスペースプロパティ]のアイコンをクリックして、「窓.lwo」を読み込みます。

 

⑥[窓]をクリックします。

 

⑦[3Dワークスペースプロパティ]の[回転]の項の[水平]数値に「90]と入力します。[窓]は90度回転します。

 

 

⑧[3Dマニピュレータ]を使って窓を大体下図の位置に配置します。窓もドア同様、あとで微調整しなくてはならないので、ここでは見た目でおきましょう。(もちろん違う場所に窓をおきたい人は好きな位置においてもいいですよ。)

 

⑨上から見ているとちょっと何ができているのかわかりづらいので疲れてきますよね。そろそろカメラをもどしましょう。

[3Dワークスペースプロパティ]の[カメラ]をクリックします。

 

⑩以下のようにパラメータを書き換えます。(もちろん手動でカメラを動かしてもかまいません。)

 

移動
[上下]20.000
[距離]8.000

回転
[垂直]4.000
[水平]-6.000

大きさ・パース
[パース] 45.000

 

⑪[ドア]がめりこんでみえる場合は、[ドア]を選択し、[前後]スライダーで微調整して、ドア全体が壁の手前側にでてくるようにします。

([前後]スライダーを右側(+方向)に動かすと、ドアが手前側に移動します。)

 

 

⑫ドアと同様に[窓]も選択し、[左右] [上下] [前後]スライダーで微調整を行う。基本的には見た目重視で調整します。正確な位置などにあまりこだわらない事が大事です。

 

 

※図の場合は[左右][上下]スライダーともに右側(+方向)にドラッグして調整しました。

⑬お疲れ様でした。だいたい部屋になりましたね。でも家具がなくて殺風景ですね。ネットなどから、家具のデータを手に入れれば、もうちょっと部屋らしくなりそうです。今回、サービスとして、丸テーブルを入れておきました。みなさんもちょっと読み込んで、配置してみてください。

 

作者プロフィール:ブンサダカ

幼少期をロサンゼルスで7年ほど過ごした事から、若い時期はウォルトディズニーカ ンパニーで絵を学ぶ。帰国後、CD-Iのグラフィック業務を通じて、川上陽介氏(セルシス創業者)と出会う。業務としては映像ディレクションからプログラミング、CG製作、実写合成まで行う。 数多くの著名なTVCM,音楽プロモーションビデオ,映画に3Dアーティストとして参加している。テクニカルライターやイラストレータとしてもCG関係雑誌に記事や連載の執筆を20年近く持ち続けている。また東放学園映画専門学校デジタルアニメーション科の講師もつとめる。現在某大型アニメ映画のスタッフとして活動中。

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