6.背景の描画①民家
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この項では背景部分の描画について解説します。
背景はドラゴンを描画している間も少しずつ描き進めていたのですが、ある程度ドラゴンが描けたタイミングで、本格的に取り掛かりました。
[1]モチーフの追加
背景モチーフも絵の重要な要素の一つです。作品世界を深めるために、描くものを考えていきます。
(1)焼けた都市の建物を描きます。
ドラゴンの背後はほとんど隠れて見えないため、手前に建物を追加して場面を構成していくことにしました。
▲描き込む前の背景「base」レイヤー。ドラゴンを非表示にした状態です。
(2)まずは、[レイヤー]パレットの「background」レイヤーフォルダーに新規レイヤーを追加し、ドラゴンによってつぶされた民家を下図赤枠部分に描きます。
(3)グシャっとつぶされた民家で、ドラゴンの重量感を表現します。
(4)さらに倒壊したビルや電柱、電線を追加していきます。
ビルや電柱などはドラゴンより前にあるため、ドラゴンより上の階層にレイヤーフォルダー「front_parts」を作成し、その中に「pillar」レイヤー(電線のレイヤー)、「bill」レイヤー(建物のレイヤー)を作成しています。
[2]民家の描画
背景のイメージが固まってきました。細部を描画していきます。
(1)瓦屋根を一つひとつ描くのは大変なので、コピー&ペーストで複製しながら描画していきます。
「background」レイヤーフォルダーに新規レイヤーを作成し、瓦を一つ描画します。光源を意識して照り返しの描画に注意します。
(2)作成した瓦のレイヤーを[レイヤー]メニュー→[レイヤーの複製]で複製し、コピー元の瓦と並べるように移動させます。
位置が決まったら、複製したレイヤーを選択した状態で下にある複製元と[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーと結合](ショートカット[Ctrl]+[E]キー)で結合します。
(3)結合した瓦のレイヤーを再度複製し、また結合……を繰り返していきます。
(4)このような瓦屋根になりました。
POINT
パターンを連続して描画する方法は、レイヤーをコピー&ペーストで増やす方法以外に、パターンブラシを使用する方法もあります。
[デコレーション]ツール→[服飾]→[真珠]などのブラシを複製し、[ツールプロパティ]パレットの[ブラシ形状]カテゴリ→[ブラシ先端]に複製したい画像素材を登録すると連続パターンを簡単に描画できます。
※画像を画像素材として登録する方法やブラシ先端への登録方法は、機能解説!トラの巻「素材を作ろう!デコレーションブラシ②スタンプ」をご覧ください。
(5)作成した瓦屋根を [編集]メニュー→[変形]→[拡大・縮小・回転]で変形・移動して位置などを調整します。
(6)次に[編集]メニュー→[変形]→[メッシュ変形]を選択します。すると格子状のガイド線が表示されます。
[ツールプロパティ]パレットで縦横の格子の点数を増やし、ハンドルを動かして(交点をつかむようにドラッグ)、うまく下絵に合うように変形します。
変形・移動をするときは、瓦屋根のレイヤーの不透明度を下げて、下絵が見えるようにしながら作業すると調整しやすいです。
(7)変形した後、新規レイヤーを作成し、上から加筆して壊れた屋根にしていきます。
このとき、合成モード[オーバーレイ](暗い色は暗く、明るい色は明るくなる)のレイヤーや、[覆い焼きカラー]のレイヤーなど、複数のレイヤーを作成して影や光を入れています。
(8)これまで作成した屋根のレイヤーを複製して結合します。
※複数レイヤーを複製して結合する方法については、第2回[3]のPOINT解説を参照してください。
複製した屋根は、変形・移動して「建物が崩れて一部の屋根が崩落した」ように見せます。
(9)上から加筆修正して、壊れた民家が完成です。
次回は民家以外の背景(電柱・ビル)を描画していきます。
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