7.トーン、効果線
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[1]網点トーン
まず、網点のトーンを貼ります。
網点のトーンは第1回の[2]で作っておいた、トーンレイヤーを使用します。
トーンレイヤーを作るには、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[トーン]を選択します。
表示される[簡易トーン設定]ダイアログで、[濃度]を5%~50%、[線数]を60線、42.5線、30線に分けてそれぞれの枚数を作成しています。
トーンレイヤーについて
でき上がった[トーンレイヤー]は全面が網点で塗りつぶされている状態です。
キーボードの[Delete]キーをクリックして塗りつぶされている色を非表示にしておくと、後から描画した部分にだけトーンを表示できます。
※トーンレイヤーについて詳しくは、こちらの講座を参照してください。
貼りたい線数・濃度のトーンレイヤーを編集対象にし、[塗りつぶし]ツールなどを使って画像を塗りつぶすと、その部分がトーンになります。
この要領で、すべての網点トーンを貼ります。
トーンを貼る際に気をつけているのは、『貼り過ぎないこと』です。
デジタル作業ではトーンが簡単に貼れるので、つい貼りすぎてしまい、画面がのっぺりしてしまいがちです。
できるだけ白黒で表現し、トーンは補助的に使うように意識しています。
特に、『影のトーンをどこまで表現するか』は悩むところだと思いますが、僕の場合は、たいてい髪の影・首・スカートの影に60線のアミ10%を貼るくらいに抑えています。
※影トーンの濃さは実際に印刷された状態を見て決めています。印刷方法と紙によっては、10%でも濃かったり薄かったりすることがあります。
[2]グラデーショントーン
次はグラデーショントーンです。
グラデーショントーンは、普通の網点トーンでは他のパーツと区別が付きにくくなってしまう部分や、奥行きを出したい場合などに使っています。
これも使いすぎないように注意しながら貼っています。
①まず、あらかじめ[自動選択]ツールなどでグラデを貼りたい部分を選択している状態で、[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[グラデーション]を選択します。そうすると、選択した部分にだけグラデーショントーンが表示されます。
②次にグラデーションの濃さを調整します。
[操作]ツール→[オブジェクト]を選択し、グラデーショントーンに表示されている開始点(+)と終了点(□)のハンドルを移動すると、濃さと方向を変更できます。
以上でトーンは終了です。
[3]効果線
次に効果線を描いていきます。
今回は[特殊定規]を使用して描いていきます。
・集中線
まず集中線を描きます。[図形]ツール→[定規作成]→[特殊定規]を選択し、[ツールプロパティ]パレットで[放射線]を選びます。
キャンバス上でクリックすると、[放射線定規]が作成されます。
集中線の描画には[ペン]ツール→[ペン]→[効果線用]を使用します。
[ツールプロパティ]パレットで[入り抜き]の[抜き]にだけチェックを入れ、「100」に設定しています。
第6回の背景でパース定規を使ったときと同じように[特殊定規にスナップ]をオンにし、集中線を描いていきます。
※効果線を描く際に、キャラに線がかからないよう背景部分を選択した状態で描きます。
・流線
流線を描きます。集中線と同じように、[図形]ツール→[定規作成]→[特殊定規]を選択し、[ツールプロパティ]パレットで[平行線]を選びます。
キャンバス上をクリックすると、[平行線定規]が作成されます。
集中線のときと同じ要領で、流線を描いていきます。
・ウニフキダシ
ウニフキダシを描いていきます。要領は集中線のときと同じで[特殊定規]の[放射線]定規を使用します。
ひととおり描いたあとに、デコボコしている線の入りの部分(下図の水色部分)を消しゴムで消して、滑らかに整えました。
以上で効果線は終了です。
CLIP STUDIO PAINT PRO/EX Ver1.3.0より、[図形]→[集中線]・[流線]ツール、[テキスト]→[フラッシュ]ツールが追加されました。 [ツールプロパティ]の設定で、さまざまな種類の集中線や流線が簡単に描画できます。
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