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1.ラフ、ブラシの作成

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/07/01    作家 : こより
閲覧数 : 82176回 総合評価 : 34件
1.ラフ
2.ブラシの作成
サブツールのカスタマイズ
サブツールのパラメータ変更

[1]ラフを描く、ブラシを作成する

1.ラフ

今回のキャンバスは、A4(350dpi)にしました。

線を描きます。色を置いていくうちに形やイメージなどは刷新されていくので、最初に描いた輪郭そのままに仕上がることはありません。そのため、線の過程は省略して色を塗ることもあります。最近は、線のラフは下描きも兼ねてちょっとだけ描き、そのあとに色でじっくり練っていきます。

2.ブラシの作成

ブラシツールはNormal,DryClumps,Brending,Frostの4種類を作成しました。頭文字で表記します。


N (汎用。細かいところなどの仕上げ用。)

[筆]→[油彩]→[油彩]をもとに、次のパラメータをカスタムしました。

合成モード : 通常
アンチエイリアス : 弱
ブラシ先端形状 : 素材 毛筆
ブラシ濃度 : 100
ストローク間隔 : 狭い


D (乾いたもの。少し擦れるように設定します。)

Normalから次のパラメータをカスタムしました。

不透明度 : 68
紙質 : キャンバス地
紙質濃度 : 100
入り抜き : ブラシ濃度
方法 : 長さ指定
抜き : 17
速度による入り抜き : オン


B (一見Nのようですがこちらは色が混ざります。)

Normalから次のパラメータをカスタムしました。

下地混色 : 色混ぜ
絵の具量 : 80
絵の具濃度 : 100
色延び : 100
アンチエイリアス : 中
ブラシ先端形状 : 素材 平毛筆


F (霧。ざらざらした感じ。)

Normalから次のパラメータをカスタムしました。

下地混色 : 色混ぜ
絵の具量:86
絵の具濃度:30
色延び:92
粒子サイズ:2.5
粒子密度:16
散布偏向:22
手ブレ補正:0
はらい:3

次回から、作成したブラシを使い塗りながらイメージを固めていきます。

サブツールのカスタマイズ

1.既存のツールをもとにしたサブツールのカスタム方法

(1)既存のサブツールを複製します。

サブツールは、下記のいずれかの方法で複製できます。

●[サブツール]パレットのパレットメニューをクリックして、[サブツールの複製]を選択する。
●[サブツール]パレットの複製したいサブツールを右クリックして、[サブツールの複製]を選択する。
●[サブツール]パレット下部の[サブツールを複製]アイコンをクリックする。


複製したサブツールの名称とツールアイコンを設定して、[OK]をクリックすると、ブラシが複製されます。


(2)複製したサブツールのパラメータを、[ツールプロパティ]パレットや[サブツール詳細]で変更します。

[サブツール詳細]は、[ウィンドウ]メニュー→[サブツール詳細]を選択するか、[ツールプロパティ]パレット下部のアイコンをクリックすると表示できます。


(3) パラメータを変更したら、初期設定に登録してサブツールの状態を保存します。

[ツールプロパティ]パレットのパレットメニュー、[初期設定に登録]や、[サブツール詳細]パレット下部の[全設定を初期設定に登録]を選択すると、選択時点のサブツールの状態が初期設定として登録されます。

初期設定に登録すると、パラメータを変更しても [ツールプロパティ]パレットのボタンやパレットメニューから、初期設定に戻すことができます。


また、サブツールは、[ツールプロパティ]パレットの[ロック]アイコンをクリックしてロックすることができます。

ロック中でもサブツールの設定を変更できますが、再度同じサブツールを選択すると、[ロック] に設定したときの状態に戻ります。


2.作成したサブツールをサブツールグループにまとめる

サブツールを、[サブツール]パレット上部のサブツールグループがない部分にドラッグすると、新しいサブツールグループを作成できます。

また、別のサブツールグループにドラッグすると、サブツールグループを変更できます。

サブツールグループの名称は、[サブツール]パレットのパレットメニューや、サブツールグループを右クリックして、[サブツールグループの設定]を選択すると変更できます。


3.作成したサブツールにショートカットを設定

(1)[ファイル]メニュー(Windows)/[CLIP STUDIO PAINT]メニュー(Mac OS X)→[ショートカット設定]を選択し、[ショートカット設定]ダイアログを表示します。

(2) [ショートカット設定]ダイアログの[設定領域]が「ツール」になっていることを確認してから、ツールやサブツールグループ名の横にある、 部分をクリックして、ショートカットを設定したいサブツールやサブツールグループを選択します。


(3)サブツールをダブルクリックするか、[ショートカットを編集]をクリックして(①)、希望のショートカットをキー入力し(②)、[OK]をクリックするとショートカットを設定できます。

他のツールやメニューに割り当てられている場合は、下図のように [ショートカット設定]ダイアログにメッセージが表示されます。

サブツールのパラメータ変更

[ツールプロパティ]パレットには、各サブツールの代表的なパラメータが表示されます。

サブツールで設定できるすべてのパラメータは、[サブツール詳細]パレットで確認できます。

1.サブツール詳細パレットの使い方

①カテゴリー
項目をカテゴリーごとに分類しています。

②ストロークプレビュー
設定中のサブツールのストロークを、プレビュー表示します。

③ツールプロパティに表示する
オンにした項目は、サブツールを選択したときに[ツールプロパティ]パレットに表示されます。

④設定値・表示状態のコピー
クリックするとメニューが表示され、設定値・表示状態を他のサブツールにコピーできます。

⑤サブツールの設定
項目が表示されます。

⑥情報表示
設定方法のヒントや、設定のプレビューなどが表示されます。

⑦ カテゴリ表示
オンにすると、[ ツールプロパティ] パレットに、カテゴリーの区切り線が表示されます。

⑧ 全項目を初期設定に戻す
選択中のサブツールの設定を、初期設定に戻します。

⑨ 全項目を初期設定に登録
現在のサブツールの内容を、このサブツールの初期設定として登録します。


2.今回カスタムしたパラメータの詳細

CLIP STUDIO PAINTでは、さまざまなパラメータを設定して、サブツールの詳細なカスタマイズが可能です。

今回作成したブラシでカスタマイズしたパラメータを解説します。


[インク]カテゴリのパラメータ

・不透明度 : 描画の不透明度を設定します。

・合成モード : 同一レイヤー内の描画で、先に描いた色に対して、あとから描いた色をどのように影響させるかを設定します。[下地混色] がオフの場合に設定できます。
「通常」に設定した場合は、先に描いた色に対して、あとから描いた色をそのまま重ねます。

・下地混色 : オンにすると、すでに描かれている色(下地色)を混ぜながら描画できます。
また、[絵の具量]・[絵の具濃度]・[色延び]・[にじむ強さ]を設定できます。
[下地混色]を「色混ぜ」に設定した場合は、下地色に描画色を混ぜ加えて描画します。

・絵の具量 : 下地色と描画色の混色する割合を設定できます。

・絵の具濃度 :透明部分に描画する場合の描画色の濃度を設定できます。

・色延び :下地色を塗り伸ばす距離を設定できます。           


[アンチエイリアス]カテゴリのパラメータ

・アンチエイリアス : 線にアンチエイリアスを適用します。
アンチエイリアスがある線は、線のギザギザが目立たなくなり、滑らかな輪郭の線を描画できます。[無し]・[弱]・[中]・[強]を選択できます。


[ブラシ先端]カテゴリのパラメータ

・先端形状 : ブラシの先端形状を[円形]と[素材]から選択します。
[素材]を選択すると、ブラシ形状を変更したり、複数のブラシ形状を組み合わせて使用したりできます。

・ブラシ濃度 : ブラシ先端形状の不透明度を設定します。
[影響元]が[筆圧]の場合は筆圧に応じた濃淡をつけやすくなります。


[散布効果]カテゴリのパラメータ

・散布効果 : オンにすると、選択のブラシ先端をスプレー状に散布し、[粒子サイズ]・[粒子密度]・[散布偏向]・[粒子の向き]が設定できます。

・粒子サイズ : スプレー状になったブラシ先端の粒子ごとの大きさを設定できます。

・粒子密度 : 粒子の密度を設定できます。

・散布偏向 :粒子がブラシ中芯に寄る度合いを設定できます。
マイナスの値にすると、ブラシの外側に粒子が寄ります。


[ストローク]カテゴリのパラメータ

・間隔 : ブラシ描点の間隔を指定します。
[固定]・[広い]・[普通]・[狭い]から間隔を選べます。[固定]の場合は、数値で指定できます。


[紙質]カテゴリのパラメータ

・紙質 : ブラシに設定する質感を選択します。
ボタンをクリックすると、[用紙テクスチャ素材の選択]ダイアログが表示され、紙質画像を変更できます。

・紙質濃度 : 紙質を適用する強さを設定できます。


[補正]カテゴリのパラメータ

・手ブレ補正 : タブレットでの描画のブレを補正する強さを設定します。

・はらい : 筆圧を抜きながら線をひいたときに、線が追従する量を変更します。
値を大きくすると、タブレットからペンを離したあとも、ペンに追従して線を徐々に細くしながら描画します。


[入り抜き]カテゴリのパラメータ

・入り抜き : 選択したパラメータに対して、線の描き始めや描き終わりに、強弱の変化を付けられます。

・方法 : 入り抜きの長さを指定する方法を選択します。[長さ指定]の場合は、入り抜きの長さを数値で指定します。

・入り : オンにすると線に入りがつきます。入りの長さはスライダーで設定します。

・抜き : オンにすると線に抜きがつきます。抜きの長さはスライダーで設定します。

・速度による入り抜き : 描画の速度によって[ 入り抜き] の強さを調整します。


[絵の具量]や[絵の具濃度]などの一部のパラメータは、[影響元]ボタン が使用できます。
[影響元]ボタンをクリックすると、筆圧やペンの傾き、速度といった、タブレットなどからの入力に応じた影響の度合いを設定できます。

※[サブツール詳細]パレットについて詳しくは、「機能解説!トラの巻>サブツール詳細パレットを使いこなす①基本」を、サブツールの項目について詳しくは、「CLIP STUDIO PAINT ユーザーガイド」を、それぞれ参照してください。

作者プロフィール:こより  (サイトURL:http://koyori.org/

1983年6月8日生まれ、鹿児島在住。 児童書・時代小説・ミステリなど本のカバーを描いています。 最近のお仕事 富樫倫太郎さんの経済時代小説『堂島物語』中公文庫版 全6巻 読みやすく大人から子供までお勧めです。 そのほか、近況などはWebでお知らせしています。 ・twitter : @koyori

コメント
翠河 2014/03/31 19:14
勉強になります
みっぺーー 2013/11/14 01:06
わかりやすいです