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4.キャラクターの塗り1_目・肌

提供者 : セルシス    更新日 : 2018/12/05    作家 : 森倉円
閲覧数 : 110029回 総合評価 : 18件
使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.4.2

[1]目の塗り
[2]肌の塗り

[1]目の塗り

彩色は下塗りをベースレイヤーとして進めていきます。

ブラシは基本的に[水彩]ツール→[濃い水彩]ブラシで塗っています。
細かいところは[ペン]ツール→[丸ペン]で塗ったり、[水彩]ツール→[透明水彩]ブラシでぼかしたりしています。

▼使用サブツール[濃い水彩][透明水彩]
①[透明水彩]は下に塗られた色の上に薄く色を混ぜながら塗れるように設定されたサブツールです。
②[濃い水彩]は下に塗られた色よりも描画している色が強く塗られるように設定されたサブツールです。
※下の描画サンプルは[濃い水彩][透明水彩]ともに同じ青色を塗っています。

1. 「キャラ」レイヤーフォルダーの中に新規フォルダー「目」を作成し、目の下塗りレイヤーを格納します。
目の下塗りレイヤーを選択し、[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]でベースの色を明るめの色に調整しておきます。

POINT
[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]ダイアログ

色を明るくする場合には、主に[明度]スライダーを調整します。


2. 下塗りレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[水彩]ツール→[濃い水彩]ブラシでベースより暗めの色で瞳孔や瞳の上部の影部分を塗ります。

3. その上にさらに新規レイヤーを作成し、レイヤーの[合成モード]を[オーバーレイ]に設定して瞳の上下、真ん中部分に明るい色を入れます。

POINT
レイヤーの合成モードは、 [レイヤー]パレット上部で変更できます。
変更したいレイヤーまたはレイヤーフォルダーを選択した状態で、合成モードのプルダウンリストから効果を選択します。

※合成モードの各効果について詳しくは、機能解説!トラの巻「合成モードを使用する」を参照してください。


4. キャラクターの線画レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[ペン]ツール→[丸ペン]で目にハイライトを入れます。

5. レイヤーフォルダー「目」の下に新規レイヤーを作成し、[水彩]ツール→[濃い水彩]ブラシで白目部分を塗ります。

6. 白目のレイヤーを選択し、[レイヤー]パレットの上部にある[透明ピクセルをロック]をクリックし、白目のベースより暗い色で白目の影を塗ります。

これで目は完成です。

POINT
[透明ピクセルをロック]はレイヤーの描画部分以外(透明部分)に描画ができないようにロックする機能です。設定すると、下塗り等で塗った部分からはみ出さずに重ね塗りできます。


[2]肌の塗り

肌を塗ります。

まず新規レイヤーフォルダー「肌」を作成します。
肌の下塗りベースレイヤーの上に新規レイヤーを作成して[下のレイヤーにクリッピング]を設定し、上にレイヤーを増やす形で塗り重ねていきます。この方法が塗り重ねの基本の構成なります。

1.新規レイヤーに[エアブラシ]→「柔らか」で頬や唇に肌ベースよりも赤っぽい色を入れます。
関節部分や皮膚の薄いところに色を乗せると、かわいさが少しアップして見えます。

▼使用サブツール[柔らか]
エアブラシ特有のふわっとしたやわらかい線を描画できるように設定されたサブツールです。ブラシサイズを大きくすると、なめらかなグラデーションが表現できます。

2. さらに新規レイヤーを作成し、レイヤーの[合成モード]を[乗算]にして、[水彩]ツール→[透明水彩]または[濃い水彩]で陰影を入れ、立体感を出します。

[濃い水彩]ツールでは、比較的面積の広い首や服などの影を付けています。
[透明水彩]ツールは、[濃い水彩]ツールで塗った筆跡をぼかしたり、顔や指などの細部に薄めの影を付けたりする場合に使用しています。

今回は全体的には落ち着いた雰囲気にしたかったのと、紅葉の赤を鮮やかさを引き立たせたかったため、人物の影の色は彩度を低めにしました。影の色は、塗った後、全体のバランスに合わせて色調整することが多いです。

影の濃さは、全体を離れて見た時にも立体感が分かる程度にコントラスト強めにしています。はっきりと段差を付けたいところは濃い影にし、顔の細部の陰影は立体的になり過ぎないよう薄めにしています。
全体のざっくりした陰影に対し、部分的にはっきり細かく塗るとそこだけリアルに感じられるようになるため、目や爪等には細かい陰影を入ています。

顔の中でもキャラクターの目は、イラストを見た人の視線が行きやすいよう、目の陰影を一番濃くし、その他の顔のパーツの陰影はそれよりも薄くなるようにしています。

3. 新規レイヤーを作成し、ラフの彩色を参照しながら[水彩]ツール→[濃い水彩]ブラシで肌の明るいところ(光が当たっているところ)を塗り、さらに立体感をつけます。

4. 肌色が少し暗く感じたので、肌の下塗りレイヤーのすぐ上に新規レイヤーを作成し、[エアブラシ]ツール→[柔らか]で肌に明るめの色を入れ、肌の印象を少し明るくしました。

5. 肌色に対し、白目の色が少し浮いているように感じたので、肌色になじむよう、[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]で調整します。白目の色を少し調整してなじませました。
また、目のハイライトの位置も修正し、唇にもハイライトを入れてツヤを出しました。

これで肌の塗りは終わりです。

作者プロフィール:森倉円  (サイトURL:http://canvas701.blog51.fc2.com/

児童書やライトノベルの装画・挿絵、ソーシャルゲームのキャラクターデザイン等をしています。
制服少女を描くことと、柴犬が大好きです。

コメント
Су-29 2018/07/29 01:21
とても参考になりました。 ありがとうございます。 ただやはり文章の構成が初心者の自分のようなものに対して、いまいち理解を阻んでいる気がします。