合成モードを使用する

提供者 : セルシス    更新日 : 2018/12/06   
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使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.5.5

[1] 合成モードの種類と表示の違い
[2] 合成モードの使用例

[1] 合成モードの種類と表示の違い

下の絵を使用してどのような効果が得られるかを実際にご紹介します。各レイヤー1枚ずつです。
ここでは、上のレイヤー(ハートの画像)の合成モードを変更していきます。


通常

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色をそのまま重ねます。

比較(暗)

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を比較し、暗い方の色を採用して合成します。

乗算

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を掛け合わせて合成します。合成後は、元の色より暗い色になります。影などを塗る際に使用されます。

焼き込みカラー

銀塩写真の「焼き込み」のような効果が得られます。下のレイヤーの画像の色を暗くし、コントラストを強くしたあとに、設定中のレイヤーの色を合成します。

焼き込み(リニア)

下のレイヤーを暗くしたあとに、設定中のレイヤーの色を合成します。

減算

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を引いて合成します。合成後は、元の色より暗い色になります。

比較(明)

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を比較し、明るい方の色を採用してそれぞれの色を合成します。

スクリーン

下にあるレイヤーの色を反転した状態で、設定中のレイヤーの色を掛け合わせて合成します。乗算の反対の効果が得られます。合成後は、元の色より明るい色になります。

覆い焼きカラー

下のレイヤーの画像の色を明るくし、コントラストを弱くします。色のメリハリが弱くなります。

覆い焼き(発光)

[覆い焼きカラー]よりも強い効果が得られます。

加算

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を足します。デジタルで色を加算すると明るい色に変化します。

加算(発光)

[加算]よりも強い効果が得られます。

オーバーレイ

明るい部分は[スクリーン]、暗い部分は[乗算]の効果が現れます。合成後は、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く表示します。

ソフトライト

重ねた色の濃度に応じて、結果が異なります。明るい色同士を重ねると[覆い焼き]のように明るく、暗い色同士を重ねると[焼き込み]のように暗く表示されます。色の部分に重ねずに描画した場合は白になります。

ハードライト

重ねた色の濃度に応じて、結果が異なります。明るい色同士を重ねると[スクリーン]のように明るく、暗い色同士を重ねると[乗算]のように暗く表示されます。

差の絶対値

下にあるレイヤーの色と、設定中のレイヤーの色を引いて、その絶対値を採用して先に描いた色の部分と合成します。

ビビットライト

設定レイヤーの色に応じて、コントラストに強弱を付けて合成します。
明るい色を重ねると[焼き込み]を適用して画像を明るくし、暗い色を重ねると[覆い焼き]を適用してコントラストの強い画像にします。

リニアライト

設定レイヤーの色に応じて、明るさを増減して合成します。

ピンライト

設定レイヤーの色に応じて、画像の色を置換して合成します。

ハードミックス

[差の絶対値] に近い効果で、[差の絶対値] よりコントラストが低めに合成されます。 設定レイヤーが白の場合、設定レイヤーの色が反転した状態で合成されます。設定レイヤーが黒の場合、下のレイヤーの色がそ のまま表示されます。

除外

設定レイヤーのRGB の各値を、下のレイヤーのRGB の各値に追加します。

カラー比較(暗)

設定レイヤーと下のレイヤーの輝度を比較し、値が低い方の色を表示します。

カラー比較(明)

設定レイヤーと下のレイヤーの輝度を比較し、値が高い方の色を表示します。

除算

下のレイヤーの各RGB 値を、設定レイヤーの明度で割ります。

色相

下のレイヤーの明度と彩度の値を維持したまま、設定レイヤーの色相を適用します。

彩度

下のレイヤーの明度と色相の値を維持したまま、設定レイヤーの彩度を適用します。

カラー

下のレイヤーの明度の値を維持したまま、設定レイヤーの色相と彩度を適用します。

輝度

下のレイヤーの色相と彩度の値を維持したまま、設定レイヤーの輝度を適用します。

     

[2] 合成モードの使用例

1.使用例その1

建物と背景に色を合成することでシーンの雰囲気を変えます。建物と空を作成しました。明るく晴れたプラットフォームです。

まずは「空」レイヤーの上に新規レイヤーを作成して、オレンジ色で塗りつぶします。塗りつぶしたレイヤーの合成モードを[ハードライト]に変更します。夕方のような雰囲気になりました。

次に「建物」に雰囲気に合わせた環境光をあてます。
「建物」のレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、オレンジ色で塗りつぶします。塗りつぶしたレイヤーの合成モードを[ハードライト]に変更します。柔らかい反射光を表現するため、[不透明度]を20%にしました。

雰囲気が変わりました。夕陽を浴びたプラットフォームであることが伝わります。
このように、合成モードを活用すると、シーンの雰囲気を変更できる効果が発揮されます。


2.実践例その2

キャラクターの背景にキャラクターのコピーを配置し、キャラクターを強調する演出をします。単色の背景とキャラクターと装飾(テキストなど)を作成しました。

「キャラクター」のレイヤーを複製し、拡大・移動をします。

コピーした「キャラクター」のレイヤーを「背景」の上に移動し、合成モードを[オーバーレイ]にします。

このように合成モードを変更することで、様々な演出や効果つけることができます合成モードをうまく活用して表現の幅を広げましょう。

     
コメント
NGA同好会 2018/09/19 21:35
乗算で影をつけるときにはどの筆を使うのがいいですか?
blackswan 2018/05/01 14:00
分かりやすい記事をありがとうございます。 一点だけ、オーバーレイの「明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く~」のところでつまづきました。 明るいor暗いはどのように判断されているのでしょう? 明度の数値でしょうか?であれば明度いくつ以上だと「明るい」いくつ未満だと「暗い」と判断されているのでしょう??
不二式 2017/10/08 19:18
すごく分かりやすくてためになりました
ぱかうん 2017/10/02 12:54
十分わかりやすいんだよなぁ
おぎのしき 2017/08/29 19:54
そもそも、まずどうやったら合成モードを切り替えられるかの説明が不十分すぎる。 説明が初心者に優しくない。 独りよがりで不親切。 書き直したほうが良い。