コマ枠のテクニック1
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使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.3.0
前回までで、基本的なコマ枠の作成方法を解説しました。
今回と次回の講座で、コマ枠を作成するときに役立つさまざまなテクニックを紹介します。
[1]重なったコマを作る
コマ枠フォルダーは、[レイヤー]パレットで他のコマ枠フォルダーの上に配置することで、重ねることができます。
コマ枠の上にコマ枠フォルダーを新たに追加して、重なったコマを作成します。
コマを一つだけ作る場合は、[図形]ツール→[コマ枠]サブツールグループ→[長方形コマ]サブツールを使用します。
※Ver.1.5.6より、[長方形コマ]サブツールは初期状態の場合、[コマ枠]ツールの[コマ作成]に格納されています。
[長方形コマ]サブツールでキャンバスをドラッグすると、新たにコマ枠フォルダーが作成されます。Shiftキーを押しながらドラッグすると、正方形のコマを作れます。
[ツールプロパティ]パレットの、「枠線を描画」をチェックすると、コマ作成時に枠線が描画されます。枠線の太さは「ブラシサイズ」で設定します。アンチエイリアスの有無も[ツールプロパティ]パレットで設定できます。
「追加方法」の項目は[フォルダーを新規作成]と[選択中のフォルダーに追加]から選択できます。[フォルダーを新規作成]を選択すると、作成したコマ枠のコマ枠フォルダーが新規作成され、[選択中のフォルダーに追加]を選択すると、すでにあるコマ枠フォルダーにコマ枠を追加できます
追加方法で[フォルダーを新規作成]を選択しているときに「ラスターレイヤー」にチェックをつけてコマを作成すると、キャンバスの基本表現色のラスターレイヤーが作成されます。
「白レイヤー」にチェックを入れると、コマ枠フォルダ-内に白色の単色レイヤーが作成されます。下のコマを目隠しできます。
[長方形コマ]サブツールでキャンバスをドラッグする間は、他のコマにはスナップせず、基本枠や定規、ガイドにのみスナップします。
トンボやグリッドにはスナップしません。
スナップは、[表示]メニューまたは上部コマンドバーのアイコンで切り換えられます。
[2]絵が飛び出たコマを作る
下図のように絵がコマから出て枠線や他のコマに重なっているような場合は、2つのアプローチがあります
1.飛び出ている絵のレイヤーをコマ枠フォルダーの上に置く
コマ枠フォルダーの上に、重なる絵のレイヤー(もしくはレイヤーフォルダー)を置く方法です。
レイヤーの構成がわかりやすいですが、絵が属するコマ(下図の例であれば、コマ2)のフォルダーに入っていないので、コマを動かす場合などに、飛び出す部分を一緒に動かすようにするなどの注意が必要です。
絵の下に白色のべた塗りレイヤーなどを置いて、下のコマが透けないようにしておきます。
コマから一部だけ飛び出る場合は、コマの枠線で隠れる部分を選択し、[レイヤー]メニュー→[レイヤーマスク]→[選択範囲をマスク]で隠します。
2.コマ枠フォルダーをラスタライズする
コマ枠フォルダーを選択して、[レイヤー]メニュー→[ラスタライズ]を選択すると、コマ枠が描画されたラスターレイヤーと、コマ枠外をマスクしたレイヤーフォルダーに変換されます。
このレイヤーマスクは、コマ枠フォルダーの場合と違い部分的に削除したり塗り足すことができるため、飛び出る部分のマスクを削除して絵を表示させます。
手順を覚える必要がありますし、後からコマ割を変えるような加工も難しいですが、コマに含まれる内容をすべてフォルダー内に収めることができます。
ラスタライズしたコマ枠フォルダーのレイヤーマスクアイコンを、Shiftキーを押しながらクリックし、レイヤーマスクを一時無効にします。
飛び出る部分のレイヤーを選択し、[自動選択]サブツールなどでコマから飛び出させる部分を選択します。
コマ枠のレイヤーフォルダーのレイヤーマスクをクリックして選択します。レイヤーマスクは有効になります。
[編集]メニュー→[塗りつぶし]で塗りつぶして、飛び出ている部分のマスクを削除します。
[編集]メニュー→[消去]や、透明色を選択している状態で[塗りつぶし]をすると、逆にその範囲をマスクしてしまうので注意してください。
複数のコマ枠フォルダーを使用する場合は、絵が飛び出ているコマを、重なるコマ枠フォルダーの上に置きます。
この時、下のコマが透けてしまうので、上になるコマ枠フォルダーの一番下に白のべた塗りレイヤーを作成します。
絵が飛び出ている部分にかかるコマ枠線を見えなくして作業完了です。
[消しゴム]などで削除するか、かかる部分を選択して枠線のレイヤー上で[レイヤー]メニュー→[レイヤーマスク]→[選択範囲をマスク]でマスクします。
次回の講座では、コマ枠線の種類を変更する方法など、コマ枠のテクニックを引き続き解説します。
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