パース描写-1点透視で学校の廊下を描く-
提供者 : セルシス
更新日 : 2018/12/06
閲覧数 : 27141回 総合評価 : 21件
閲覧数 : 27141回 総合評価 : 21件
使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.5.6
※Debutでは対応していません。
[1]1点透視のパース定規の作成
[2]従来の手法による等間隔線の作成①
[3]従来の手法による等間隔線の作成②
[4]パース定規のグリッドを使った等間隔線の作成
[5]パースに合わせて変形させる
CLIP STUDIO PAINTのパース定規を使ってパースペクティブを活用した描画をしてみましょう。
今回は、「1点透視」の構図を扱います。奥行きのある構図で、窓枠の様に「等間隔」に並ぶ線を正確に描くためには、どのような作業が必要でしょうか。
パース定規の使用方法詳細については、
「機能解説!トラの巻>透視図法とパース定規の基本 -パース定規基本編1 」を参照して下さい。
[1]1点透視のパース定規の作成
①ツールパレットの[定規]ツールから[パース定規]サブツールを選びます。②消失点の位置を指定します。消失点は2本のガイドラインを使って設定します。消失点を1つ設定した段階では、消失点以外の水平垂直方向にスナップする定規が有効です。
POINT
1点透視のパース定規は[レイヤー]メニューから[定規・コマ枠]→[パース定規]から表示された[パース定規]ダイアログで[1点透視]を選択して作成することも可能です。 この場合、1点透視の消失点がキャンバス(原稿)の中央に配置さるので、すでに消失点の位置が決まっている構図を作成したい場合は[ツール]パレットの[パース定規]ツールを利用したほうが効率的です。
1点透視のパース定規は[レイヤー]メニューから[定規・コマ枠]→[パース定規]から表示された[パース定規]ダイアログで[1点透視]を選択して作成することも可能です。 この場合、1点透視の消失点がキャンバス(原稿)の中央に配置さるので、すでに消失点の位置が決まっている構図を作成したい場合は[ツール]パレットの[パース定規]ツールを利用したほうが効率的です。
1点透視のパース定規を作成した場合は、[消失点]と[水平]、[垂直]方向にペンやブラシの動きがスナップします。
この作例ではすべての線をパース定規を利用して作画しています。
POINT
作成した1点透視用のパース定規は、アイレベル(赤い矢印部分)に対して水平垂直方向にもスナップします。
作成した1点透視用のパース定規は、アイレベル(赤い矢印部分)に対して水平垂直方向にもスナップします。
アイレベル上の[+]マークをドラッグして、アイレベルの角度を調整します。
この操作でカメラアングルを斜めに傾けることができます。
[2]従来の手法による等間隔線の作成①
パースを利用すると、奥行きのある構図を描くことができます。赤枠部分の窓枠を等分割して描く方法です。
パースを使って奥行きを立体的に描画する場合、このような窓を同じ大きさの4枚に分割するには「パースに合わせて」等分割する必要があります。
原稿用紙上の実寸で等間隔な線を描画するだけでは、パースの奥行きを考慮した等分線にはなりません。そこで、今回のこの窓枠など、同じ間隔のラインを持つものを、パースの奥行きにそって描くための手順をご紹介します。
まずはパースを使わない平面での、分割方法を理解しておきましょう。
(1)四角形を二等分する補助線の描き方
平面的な四角形での分割方法をまず理解しておきます。このように四角形を縦に二等分してみましょう。①四角形に対角線を描きます。
この対角線同士の交点は、縦横共にちょうど辺を1/2に分割しています。
②対角線の交点を通るように垂直(縦方向)に直線を引くと、二等分線が描画できます。
③二等分線を元にして、さらに細かく等分できます。
対角線の交点を通るように、垂直(縦方向)に直線を引いて長方形を四分割できます。
[3]従来の手法による等間隔線の作成②
今度は右側の四角形を3分割してみましょう。先ほどと同じように、まず平面での分割方法を理解しておきます。(1)四角形を三等分する補助線の描き方
3分割も途中までは2分割と同じ作業を行いますが、さらに1/3の位置を割り出すためにもう一工夫必要です。①四角形に対角線を描き、対角線の交点を元に2分割線を描きます。ここまでは2等分割線を描く作業と全く同じです。
②更に、2等分線で構成される四角形の対角線(緑色の線)を図のように引きます。青い対角線と緑の対角線の好転が、3等分割された位置です。
③2つの対角線の交点を通るように垂直(縦方向)に直線を引くと、三等分線が描画できます。
(2)パースへの応用
先ほどの作業と同じことを、パースに沿って変形させた四角形に適用します。①対角線を引き、中心位置を確認します。
②2等分線の位置を割り出して、線を引きます。
③2等分線から、さらに対角線を引きます。
④対角線の交点の位置を確認して、3等分線を引きます。
これらの方法で、パースに従って変形した四角形の中に、等分割線を引けます。
[4]パース定規のグリッドを使った等間隔線の作成
等分割の方法を理解したところでで、同じやり方をパース定規のグリッド機能を使って行います。①パース定規を作成し、調整が終わったら、[ツールプロパティ]パレットの[グリッド]をONにして、
パースにあわせたグリッドを表示します。
垂直方向の壁にある窓の作業を行うので、[YZ平面]ボタンを選択します。
POINT
[XZ平面]は水平方向のグリッドを表示します。
[XZ平面]は水平方向のグリッドを表示します。
[YZ平面}は垂直方向(前後方向)のグリッドを表示します。
②緑色の●ハンドルを移動して、グリッドの位置と窓の四角形をあうように調整します。
③グリッドと分割数を合わせるために、[ツールプロパティ]パレットの[グリッドサイズ]の数値を調整します。
④線を引くときは[表示]メニュー→[グリッドにスナップ]もしくは[コマンド]バーの[グリッドにスナップ]をONにして、等分割線を引きます。
[5]パースに合わせて変形させる
もっと複雑な形をパースに合わせたい、という場合は[自由変形]を活用します。①平面的な図形を準備します。このような部屋の見取り図を利用して、室内の家具を描く際の目印にします。
同時に、部屋の壁面と床、天井部分を描いておきます。
②[編集]メニュー→[変形]→[自由変形]で、変形させます
四隅のハンドルを床面の形に合わせて変形させます。こうすることで、パースにあった奥行きで変形できます。
③形が整ったら[プロパティ]パレットの[◯]ボタンもしくは[enter]キーを押して変形を確定します。
④変形させた見取り図を使って、パース定規を使って家具を描画します。
POINTベクターの太さを変更
自由変形で変形させると、一緒に線の太さも変化してしまいます。
線の太さを維持した状態で変形させるには、ベクターレイヤーに描画して、[ベクターの太さを変更]をオフして変形させます。
自由変形で変形させると、一緒に線の太さも変化してしまいます。
線の太さを維持した状態で変形させるには、ベクターレイヤーに描画して、[ベクターの太さを変更]をオフして変形させます。
コメント