透視図法とパース定規の基本 -パース定規基本編1-
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使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.4.0
[1]透視図法について
簡単に透視図法について解説します。
透視図法は、遠近感を表現するための手法の一つです。3次元の物体を2次元の平面上にリアルに描くことができます。
透視図法は、一般的に1点透視、2点透視、3点透視の3種類に分けられます。
1点透視図法
物を正面から見た構図などによく使います。
手前から奥に伸びる線は、延長すると1点に集まり(収束し)ます。線が収束する点を「消失点」と言います。
また、消失点は、場面を見ている人(観察者)の目の高さ、あるいは、カメラの高さを表す水平線、「アイレベル」の上に位置します。
2点透視図法
物をななめ横から見た構図などに使用します。人間が日常的に目にするものに近いため、マンガの背景やイラストに最も使われる透視図です。
1点透視では、手前から奥に伸びる、奥行き方向の線が一点に収束しました。2点透視の場合は、奥行きに加えて幅の方向の線も収束します。
作例のように2つの方向の線が、それぞれの消失点に向かって収束します。
このように、2点の消失点を使うので、2点透視図法と呼びます。2点透視の場合も、消失点はアイレベル上に位置します。
3点透視図
3点透視は、大きな物体を見上げるようなアオリの構図、または、高いところから見下ろすフカンの構図を描くときに使用します。
2点透視は奥行と幅の2つの方向に向かう線がそれぞれの消失点に収束しました。
3点透視では、これに加えて高さ方向の線が3点目の消失点に向かいます。
物を見上げる構図の場合は高さ方向の消失点は、描く物の上に位置します。
見下ろす構図では、高さ方向の消失点は描く物の下に位置します。
[2]パース定規とは
CLIP STUDIO
PAINTでは、[パース定規]を使うことで、パースに沿った直線をペンなどの描画ツールを使い、フリーハンドで描くことができます。
ここでは、パース定規の操作方法と、1点~3点透視図の描き方を説明します。
1.パース定規の作成
[レイヤー]メニュー→[定規]→[パース定規の作成]を選択すると、[パース定規の作成]ダイアログが表示されます。
[パース定規の作成] ダイアログの「タイプ」で、1点~3点透視を選択し、[OK]ボタンをクリックすると、パース定規が作成されます。
「レイヤーを新規作成」にチェックが入っている場合は、パース定規が新規ラスターレイヤーに作成されます。
チェックが入っていない場合は、選択したレイヤーにパース定規が作成されます。
パース定規を作成したら、描きたいものに合わせてアイレベルや消失点などを移動させてパースを取ります。
パース定規を作成すると、自動的に[オブジェクト]ツールを選択した状態になるので、パース定規の線のどこかをクリックします。
操作用のハンドルなどが表示され、アイレベルや消失点の移動などの操作ができるようになります。
2.パース定規の要素
[アイレベル]……場面を見ている人(観察者)の目の高さ、あるいは、カメラの高さを表します。
画面上の水平線(または地平線)と一致します。アイレベルより上にある物体は見上げる構図に、下にある物体は見下ろす構図になります。
[消失点]……物の幅、奥行き、高さの線が収束する点です。
地面に対して平行な、幅、奥行き方向の消失点は、必ずアイレベル上に位置します。
[ガイド線]……消失点から伸びる1対の線です。消失点には必ず付属します。
作画時のガイドの他に、消失点の位置を決める場合のコントローラーとしても使用します。
[補助線]……1点透視、2点透視の場合のみ表示されます。高さ方向の垂直線を表す補助線です。
[オブジェクト]ツールで位置を動かせるので、作画時のガイドとして利用できます。
[ハンドル]……定規全体や、消失点、ガイド線、補助線ごとに存在する、それぞれの要素を操作するためのハンドルです。
次回の講座で、パース定規を使った基本的な透視図の描き方を解説します。
消失点の追加やパース定規と3Dレイヤーとの連動といった、パース定規の機能もあります。
詳しくは、
『パース定規ツールを使う –パース定規活用編1-』
『パース定規と3Dレイヤーの連動–パース定規活用編2-』
を参照してください。
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