テキストツールの使い方・設定編
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CLIP STUDIO PAINTでは入力する文字(テキスト)の大きさ(サイズ)や間隔などの調整ができるほか、フリガナをつける「ルビ」機能などもあります。これらの使用方法について解説します。
[1]テキスト設定のタイミング
[2]フォントの設定
[3]行間・行揃えの設定
[4]テキストの設定
[5]編集設定の設定
[6]ルビの設定
[7]テキストの設定をサブツールに保存する
[1]テキスト設定のタイミング
テキストの細かな調整は[ツールプロパティ]と[サブツール詳細]パレット(PRO/EX)で行います。
[サブツール詳細]パレットは[ウィンドウ]メニュー→[サブツール詳細]か、[ツールプロパティ]パレット右下の[サブツール詳細]アイコンをクリックして表示します。
テキストの設定変更を文字の入力前か入力中に行うかで、設定内容をその後のテキストフレームに適用できるかどうかが変わります。
1.テキスト入力前の設定変更
テキストを入力していない(またはテキストが確定して入力完了)状態では、[ツールプロパティ][サブツール詳細]のプレビュー(赤線部分)に何も表示されず、テキストフレームの線が黒く表示されます。
テキスト入力前にテキスト設定を変更した場合、その後入力するテキストフレームはすべて同じ設定が適用されます。
2.テキスト入力中の設定変更
テキストを入力中では[ツールプロパティ][サブツール詳細]のプレビュー(赤線部分)に「テキスト編集中」と表示され、テキストフレームの線が緑で表示されます。
テキスト入力中にテキスト設定を変更した場合、入力中のテキストフレームのみ設定が有効です。
新規にテキストフレームを作成してテキストを入力すると、変更前の設定に戻ります。
[2]フォントの設定
フォントの種類や大きさ、修飾の調整を行います。
1.[フォント]
フォントを選びます。クリックしてされるフォントを登録して選択できる[フォントリスト]や、漢字やひらがななど文字の種類によってフォントを組み合わせる[合成フォント]を利用できます。
※[フォントリスト]と[合成フォント]の使用方法については、機能解説!トラの巻「テキストツールの使い方 フォントリストと合成フォント」を参照してください。
2.[サイズ][水平比率][垂直比率]
・[サイズ]文字の大きさを指定します。
・[水平比率]文字の横幅を%で指定して引き延ばし(縮め)ます。
・[垂直サイズ]文字の縦幅を%で指定して引き延ばし(縮め)ます。
POINT
雑誌向けに入稿するB4漫画原稿で使用するネーム(セリフ)の文字の大きさは、18 ・20Q(級)が一般的と言われています。単位がpt(ポイント)の場合は12~14pt程度を目安にするといいでしょう。行間はルビのない場合は125%、ルビがある場合は150%程度が収まりやすくなります。
雑誌印刷用途で利用されるB4サイズ(商業誌用)の漫画原稿用紙は、印刷時に縮小するため、実寸の1.2倍の大きさで描きます。原寸で作成する原稿の場合はそれらを考慮します。
同人誌印刷などは「原寸」で原稿を用意するので文字の大きさは10pt~12pt程度を目安にするといいでしょう。行間は125%を目安にします。
テキストの単位は初期状態では[pt(ポイント)]に設定されていますが、[ファイル]メニュー→[環境設定]の[定規・単位]カテゴリ、[テキストの単位]で [Q(級数)]に変更できます。
3.[字間][文字詰め]
文字同士の間隔を調整します。[字間]はポイント数で、字詰めは%で設定します。
4.[スタイル]
太字/斜体/袋文字を設定します。
5.[縦中横]
テキスト入力時のみ表示される項目です。
縦中横(たてちゅうよこ)とは縦書きテキストのなかで一部の文字のみ横向きにする機能です。文中に数字が出てくる場合などに利用します。文字は半角英数/全角日本語など、どの文字にでも設定できます。
POINT
[フォント]カテゴリの[縦中横]は[テキスト]カテゴリの[自動縦中横]がONだと利用できません。
[自動縦中横]ではテキストフレーム内の該当する半角英数字すべてに適用されます。
個別に縦中横を適用するか選択する場合は[テキスト]カテゴリの[自動縦中横]を[なし]に設定し、[フォント]カテゴリから設定をします。
[3] [行間・行揃え]カテゴリの設定項目
1.[行揃え]
[行揃え]は複数行のテキストをどちらに揃えるかを設定します。縦書きか横書きで揃える方向が変わります。
2.[行間]
行の間の空白を指定します。[指定方法]は[長さ指定]はピクセル単位で設定、[パーセント指定]では%で設定します。
マンガのセリフ(ネーム)では125%~140%程度が一般的です。[指定方法]を[パーセント指定]にしておけば、テキストの大きさ(サイズ)が変化しても行間の割合が変わらないので扱いやすいでしょう。
[4] [テキスト]カテゴリの設定項目
[縦書き][横書き]他、テキスト全体の設定を行います。
1.[文字方向]
縦書きか横書きかを設定します。
2.[アンチエイリアス]
[キャンバス設定] ・[ON]・[OFF]から選択できます。
初期状態の[キャンバス設定]では、キャンバスの基本表現色を[モノクロ]に設定している場合、アンチエイリアスがOFFになります。
POINT
[基本表現色]はキャンバス作成時(下図)に設定します。作成後は、[編集]メニュー(EXの場合は [ページ管理]メニュー)→[ページ基本設定を変更]で変更できます。
3.[自動縦中横]
縦中横(たてちゅうよこ)とは縦書き文章のなかで数字やアルファベットを横向きにすることです。[自動縦中横]は[文字方向]が[縦書き]の時のみ利用します。文章内に半角の英数字があれば自動的に横向きにします。その際、何桁(何文字)まで横向きにするかを選択します。
4.[約物の字幅を半角にする]
句読点や疑問符、括弧などのことを「約物(やくもの)」と言います。これらの文字の間隔を狭くします。カギ括弧などは文字が間延びしてしまうので、このオプションをONにすると読みやすくなります。
5.[フレームで折り返す]/[フレーム揃え]
[フレームで折り返す]をONにした場合、テキストを入力し始めてからテキストフレームの大きさを調整して、任意の位置で文章を自動で折り返すことができます。[フレーム揃え]では横書きの場合[左/中央/右揃え]、縦書きの場合[上/中央/下揃え]を指定して文章のレイアウトを設定します。
6.[フチ]/[フチの色]
文字の周りにフチを付けます。レイヤープロパティの境界効果とは独立してテキストフレーム単位でフチが付けられます。[フチの色]のカラーバーをクリックして色を設定します。
POINT
テキストにフチを付ける方法は[レイヤープロパティ]パレットの[境界効果]を利用する方法もあります。
この方法でフチが付けられるのは「レイヤー単位」です。
[テキスト]ツールの[ツールプロパティ]では選択したテキストフレーム1つだけに設定を行います。
フキダシツールで作成したフキダシにフチをつけることはできません。
・個別のテキストフレームにフチを付けたい場合は[テキスト]ツールを使用する
・レイヤー全体にフチを付けたい場合はレイヤープロパティの[境界効果]を使用する
7.[背景色]
文字の背景に任意に設定した色を付けます。[不透明度]で色の不透明度を調整できます。
[5] [編集設定]カテゴリの設定項目
テキストフレームの大きさを変更するハンドルの表示/非表示切り換えや、テキストの色を設定します。また、テキストフレームを既存のテキストレイヤー/新規のテキストレイヤーに置くかを設定します。
1.[リサイズハンドル]
テキストフレームにリサイズハンドルの表示/非表示を切り換えます。
2.[テキストの色]
テキストの色を選択します。[ユーザーカラー]はあらかじめ設定した特定の色を使用するものです。[ユーザーカラーを選択]をクリックしてカラーを指定しておくことが可能です。
メインカラー/サブカラーはツールパレットにあるものと同じものです。利用しているメイン/サブカラーが[テキストの色]にも反映されます。
3.[追加方法]
テキストフレームを作成する場合に、レイヤーをどこに作成するかを選択します。
※こちらについて詳しくは、機能解説!トラの巻「テキストツール基本編 [3]テキストフレームの編集」を参照してください。
[6] [ルビ]カテゴリの設定項目
ルビとは[ふり仮名]のことです。既に入力した文字を選択して、[ルビ設定]をクリックすると[ルビ文字列]を入力できます。
ルビ(ふり仮名)を振る
テキストフレーム内のテキストを選択して、[ルビ設定]ボタンをクリック、[ルビ文字列]で読み仮名などを入力します。
ルビの調整
1.[ルビフォント]/[ルビサイズ]
ルビの文字に使われるフォントや大きさを設定します。サイズは元の文字に対して何%の大きさにするか指定します。ルビの大きさが変化しても元の行間などが変わらないので文字が重なってしまうことがあります。ルビの大きさに応じて行間なども調整しましょう。
2.[ルビ位置]/[ルビ調整]/[ルビと本文の間隔]
・[ルビ位置]…ルビの位置を[先頭揃え]/[中央揃え]/[末尾揃え]から選択します。
・[ルビの調整]…文字を上下(縦描きの場合)/左右(横書きの場合)に移動します。
・[ルビと本文の間隔]…本文とルビの間隔を調整します。
3.[ルビ字間]
ルビ文字の字間を設定します
[7]テキストの設定をサブツールに保存する
フォントの種類やサイズなど、テキスト設定を繰り返し利用する場合はサブツールパレットで設定を複製して保存しておきましょう。
※サブツールの保存について詳しくは、機能解説!トラの巻「ツールのカスタマイズ」を参照してください。
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