第10回:トーン貼り(2) -バリエーションとグラデ-
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※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.1
[1][簡易トーン設定]で色々なトーン
[選択範囲ランチャー]の[新規トーン作成]から、[簡易トーン設定]で色々なトーンを貼ってみます。
髪に[ノイズ(砂目)]を貼ってみました。
ものすごく抜けてる部分が多いですが(笑)、[選択範囲ランチャー]は、一カ所でも選択範囲があれば表示されて[新規トーン作成]ができるので、先にトーンレイヤーを作成しちゃってから塗り足しをしていく方が楽です。
[簡易トーン設定]の[サイズ]の項では、ノイズ(砂目)の大きさを変更できます。数字が大きくなるほど大きいサイズのノイズになります。
[係数]は、ここの数値が大きくなると、移動フィルタをかけたようにノイズが流れます。数値が大きいほど長く流れます。[角度]で角度の変更もできます。
[選択範囲ランチャー]の[新規トーン作成]からトーンを貼る[簡易トーン設定]は、貼れるのは基本トーンだけで模様トーンなどはここからは貼れませんが、これだけでも結構いろんな表情のトーンを貼ることができますよ。
[簡易トーン設定]の[種類]には、他にもこんなものがあります。
ただ、この中でも普通に実用的なのは、[円][線][クロス][ノイズ]くらいかなあと思います(笑)。
他のなんだかいろんな種類は、選択してみれば解りますが「ドットがいろんな形になっている」というものです。[星]型とか[ハート]型とか。[にんじん]というのは花形にんじんのことらしいです(笑)。線数:5くらいの大きなドットにしないと、あんまりよく解らないと思います。
[2]便利な[ドラッグで同じ色を塗りつぶす]
おもしろトーンのことはひとまず置いといて(笑)、髪に貼ったトーンの抜けてる部分を貼り足していきます。ここでも、トーンレイヤーが[レイヤー]パレットに追加になったら、選択範囲は解除しちゃってOKです。これ以降の操作は、[簡易トーン設定]以外の方法で貼ったどのトーンレイヤーでも共通です。
「トーン貼り(1)」の回でご説明したように、貼りたいトーンレイヤーをアクティブにして、貼り足したい部分を[塗りつぶし]ツールでクリックすればいいわけですが、この画像のように細かい領域がいくつもあって、いちいちそこでクリックをするのは面倒、という場合は[塗りつぶし]の[ツールオプション]でオンにした[ドラッグで同じ色を塗りつぶす]の機能が威力を発揮します。
この画像のように、トーンを貼りたい部分を一カ所クリックしたら、残りの貼りたい部分の上をそのままドラッグします。すでにトーンが貼られている部分には[塗りつぶし]はされません。
ワンアクションで複数の部分に[塗りつぶし]をかけることができます。
ただしこの操作をするときに、たとえば上の画像なら顔の部分や周りの髪じゃない部分までドラッグしてしまうと、そこにまで塗りつぶしがかかってトーンが貼られてしまいますので(笑)、注意です。
しかも、何カ所塗りつぶしても「ドラッグ一回でワンアクション」の扱いなので、[取り消し](アンドゥCtrl+Z)をかけると、そのドラッグで塗りつぶされた部分は全部取り消しになってしまってがっかりします(笑)。ちょっと慎重にドラッグした方がいいかもしれません。
なお、このノイズトーンレイヤーを[レイヤー]パレットで見ると[20% 75% 0]という名前になっていますが、これは「濃度20% サイズ75% 係数0」という意味です。
[3]ものすごく便利な[閉領域フィル]ツール
実は、コミスタにはこれ以外にも「複数の領域をワンアクションで塗りつぶす」という機能があります。[閉領域フィル]ツールがそれです。(Pro、EXのみ)
セルシス製のソフト以外ではちょっと見ないツールなので、なじみがなくてよく解らない、と思うかもしれませんが、ものすごい便利ツールなので、ぜひ使い慣れてください。
[閉領域フィル]ツールは、ペンのように使う設定と選択範囲を取るようにして使う設定がありますが、私は[投げなわ]で使うのが好きです。
この[閉領域フィル]ツールも、塗りつぶしのためのツールなので[ツールオプション]も[塗りつぶし]ツールと共通している項目がいくつもあります。
[塗りつぶし]ツールと同じ項目は、同じ設定でいいと思います。
でも初期設定の設定では[隙間を閉じる]の項目がグレーアウトしているかもしれません。先に[塗り]の方の設定で[対象色]の項を[白と透明のみに描画]に設定すると、[隙間を閉じる]の項目も設定できるようになりますので、チェックを入れておきましょう。
[対象色]の項目は他にも色々な設定がありますが、この[白と透明のみに描画]の設定が一番汎用性が広いんじゃないかと思います。
[コマの外枠を参照]にもチェックを入れておきましょう。
この設定の[閉領域フィル]ツールで、塗りつぶしたい箇所を投げなわで囲むようにします。
このワンアクションで、複数の箇所が塗りつぶされました。
この[閉領域フィル]ツールは、塗りつぶしたい箇所が小さくてクリックするためには画面をかなり拡大しないとならないような場所にも威力を発揮します。
この作例では線の数はたいしたことありませんが(笑)線がかなり込み入ってていちいちクリックするのはそうとう手間がかかる場合なんかもすごく楽になりますよ。
この機能も[塗りつぶし]の[ドラッグで同じ色を塗りつぶす]もない場合には、どんなに細かい部分も全部ちまちまクリックするか、でなければペンなどの描画ツールで手動でぐいぐい塗っていかないといけないわけですから。
もちろん、普通のベタ塗りの際にも使えます。この機能があるのとないのでは、作業の効率が全然違います。ぜひ使い慣れて、便利さを実感してください。
[4]トーンに[ペン]でハイライトを
髪にトーンが貼れたら、これにハイライトを入れてみます。
[トーンレイヤー]上では[ペン]などの描画ツールも使うことができます。
[インク色]を[黒]で描いたら、トーンをその描画ツールで「描く」ことができ、[インク色]を[透明]で使えば、その描画ツールで「描くように消す」ことができます。なお、[トーンレイヤー]上で使えるインク色は[黒]と[透明]のみで、[白]は使えません。
[ペン]ツールを[透明]のインク色で使って、髪のトーンのハイライト部分を消して行ってみました。
なおトーンレイヤー上では、綺麗な結果にならないので[鉛筆]などのグレーのツールは使わない方がいいです。
[5]グラデーショントーンを貼る
次は、目にグラデ(グラデーショントーン)を貼ります。
グラデーショントーンも[トーンレイヤー]ですが、ProとEXには[グラデーション]ツールが独立してあります。これでグラデトーンを貼ることができます。
まず、貼りたい箇所を[マジックワンド]などで選択範囲にしたら、[グラデーション]ツールを選択します。
[ツール設定]もいくつかありますが、細かい設定は[ツールオプション]で自分の欲しいグラデーションに設定します。
注意して欲しいのは、三つ並んだアイコンの下の[編集中のレイヤーに描画する]のチェック項目です。この画像ではグレーアウトしていますが、初期設定ではチェックが入っているかもしれません。
これは、下描きやペン入れをしたような普通の描画用の[黒白(2bit)]レイヤーや[グレー(8bit)]レイヤーに「直接グラデーションを描画する」という設定項目です。この画像では現在[トーンレイヤー]がアクティブになっているためにグレーアウトしていますが、ここがオンになっているようでしたら一度ペン入れをしたレイヤーをアクティブにして、ここのチェックをはずしてください。
グレーアウトしているときはチェックが入っていても問題はありませんが、描画レイヤーがアクティブになっているときにここがオンだと、グラデーションの[トーンレイヤー]は作成されず、アクティブな描画レイヤーに直接グラデが描画されてしまいます。[トーンレイヤー]じゃないグラデの描画が欲しい時に使う設定なんですが、これはちょっと高度な使い方になるので、まずはここのチェックははずして使ってみてください。
グラデーションのタイプは[直線][円][円内]の3種類あります。3つあるアイコンで選択します。[直線作成モード]は1番左です。
[繰り返しタイプ]は[繰り返し][折り返し][繰り返さない]の3種類が選択できます。
[トーン]のところでは、線数や角度が設定できます。
[濃度グラフ]では、どういう濃さのグラデーションにするかを設定します。
グラデの濃度は数値では設定ができないんですが、濃度カーブは自由に設定できます。カーブのポイントも好きに追加できますので、いろんなグラデが設定できます。
初期設定では、始点濃度100%、終点濃度0%のグラデですが、始点や終点のポイントの高さを変更することで濃度を変えることもできます。
ポイントは、グラフ上でクリックで追加することができ、ドラッグで好きな位置に移動できます。
余計なポイントを削除するには、グラフ外までポイントをドラッグします。
また、これでグラデーションの[トーンレイヤー]を作成した場合、後から線数や濃度、濃度グラフなどもいつでも変更できます。
この[グラデーション]ツールでドラッグした角度と幅が、グラデーションの角度と幅になります。
ここでは「60L 0.66cm」という名前の[トーンレイヤー]が追加になりました。これがグラデトーンのレイヤーです。[トーンレイヤー]が作成されたら、選択範囲は解除しちゃってOKです。
この「60L 0.66cm」というのは「60線 幅0.66cmのグラデ」という意味です。
両目にグラデを入れました。
目のハイライトはそれぞれのグラデトーン上で、[ペン]ツールの[透明]のインク色で描き入れましたが、この両目のグラデの上に[黒白(2bit)]レイヤーを作成して、そこに[白]のインク色で入れてもいいと思います。
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