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第11回:トーン貼り(3) -模様トーンと削り-

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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[選択範囲ランチャー]の[新規トーン作成]でトーンを貼る[簡易トーン設定]では、模様トーンなどは貼れません。
今回は模様トーンなんかの貼り方をご説明します。 その前に、もう一つ別の選択範囲の作成方法をご説明しましょう。

※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.1

 

[1][クイックマスク]を使う

選択範囲の取り方は[矩形選択:楕円選択][投げなわ選択:折れ線選択]や[マジックワンド]ツールを使う以外に[クイックマスク]を使う方法もあります。

[クイックマスク]モードにするには、[レイヤー]パレットの[選択範囲]と書かれているカテゴリ名バーに4つあるアイコンの左から2番目をクリックします。

また、上部メニュー[選択]→[クイックマスクを使用]や、画面上でマウスの右クリックをして出てくるメニュー[クイックマスクを使用]でもクイックマスクモードに入ることができます。

この作例画像では、周りの部分をマジックワンドで選択範囲にしてみました。あらかじめどこかに選択範囲を取ってから作業すると解りやすいですが、通常表示で 選択範囲がない状態 で[クイックマスク]モードに入ることもできます。

この[クイックマスク]モードにすると、通常表示で 選択範囲だった部分 が、初期設定では 不透明度50%の赤の塗りつぶしで表示されます。上の画像で、頭と腕の間が白く抜けているのは、マジックワンドで選択範囲を取った際、その部分は選択範囲になっていなかったということです。 
この[クイックマスク]モード上で、塗りつぶしツールや[ペン]などの描画ツールでこの赤いマスク部分を描いたり消したりすることができ、通常表示に戻ると、[クイックマスク]モードで赤くマスクされた部分が選択範囲になります。

[クイックマスク]から通常表示に戻るには、[クイックマスク]モードにしたときと同じ[レイヤーパレット]の[選択範囲]と書かれているカテゴリ名バーに4つあるアイコンの左から2番目をクリック、あるいは上部メニュー[選択]→[クイックマスクを解除]や、画面上でマウスを右クリックをして出てくるメニューで[クイックマスクを解除]です。

■[クイックマスク]モード表示

■通常表示

[クイックマスク]モードでは、[鉛筆]ツールのようなグレーで描画するツールは使わないようにします。 
でも[ペン]や[マジック][塗りつぶし]ツールなどは普通に描画するのと同じように使えまし、[閉領域フィル]ももちろん使えます。この機能を使えば[描くように選択範囲を作成する]ことができるわけです。[クイックマスク]モードで[矩形選択:楕円選択][投げなわ選択:折れ線選択]などの選択範囲を作成してそこをマスクとして塗りつぶしたり、マスクのその部分を消去することもできます。

[クイックマスク]モードで、四角い選択範囲を作ってみます。 
[矩形選択]ツールで四角い選択範囲を取ると、下に[選択範囲ランチャー]が表示されますから、このランチャーの左から5番目[選択範囲外をクリア]をクリックしてみます。

選択範囲以外の部分が消去されます。

なお[選択範囲ランチャー]の[選択範囲外をクリア]の左隣のアイコン[クリア]は、選択範囲の内側の部分を消去するコマンドです。

[クイックマスク]モード上の選択範囲は解除して(しなくても大丈夫なんですが)、[クイックマスク]を解除し、通常表示に戻ります。 
[クイックマスク]上で赤くマスクされていた部分が選択範囲になっているのが解りますよね。

 

[2][素材]パレットからトーンを貼る

「模様トーン」などは[素材]パレットの[トーン]フォルダから選択して貼り付けます。[素材]パレットを表示させましょう。 
上部ツールバーの[素材]アイコンで、[素材]パレットの表示はオンオフできます。

[素材]パレットの表示は、上部メニュー[ウィンドウ]→[素材]のチェックでもオンオフができます。

[素材]パレットは小さいと見にくいと思いますので、好きな位置に移動させてパレット右下をドラッグさせて好きな大きさに広げた方がいいでしょう。 
[トーン]というフォルダがあります。この中に、初期設定でも色々なトーンが入っています。トーンや素材(マテリアル)は後から自分で追加することもできます(Pro、EXのみ)。

[素材]パレットの表示方法は、上部の現在[大]と書いてある部分から変更ができます。またツリー表示や左下のプレビュー画面は、その右隣の2つのアイコンでオンオフができます。

トーン名が黒い文字のものと赤い文字のものがありますが、これは黒が[グレースケールトーン]赤が[モノクロ2値トーン]という種類の違いです。でもどちらのトーンも、普通のモノクロ2値の原稿に使うことができますので、あまり気にしなくていいです。 
[四角きらり]というトーンを選択してみました。右下のプレビュー画面の拡大率は、右下のアイコンかその横の拡大倍率のスライダで変更することができます。

選択したトーンを紙面に貼り付けるには、ページ画面の上まで選択したトーンをドラッグ&ドロップすればOKです。

別に選択範囲内にわざわざドロップしようとしなくても大丈夫です。 
また[素材]パレット左上の[素材の貼り付け]アイコンでも貼り付けることができます。

これも、[レイヤー]パレットに該当レイヤーの[トーンレイヤー]が追加になったら、選択範囲は解除しちゃってかまいません。 
[素材]パレットも、大きくて邪魔だったら表示を切っちゃっていいです。[素材]パレットからトーンを貼る場合の作業はここまでで、この後はどの方法で貼ったトーンでも共通です。

 

[3]トーンの模様の位置を変える

次にこの貼ったトーンの模様の位置を変更してみましょう。[レイヤー移動]ツールを使います。

[レイヤー移動]ツールの[ツールオプション]のチェック項目は、ちょっと挙動が解りにくくなるかもしれませんので、とりあえず両方ともチェックは切っておいていいでしょう。 
その下の[トーンの操作]のところで[柄を移動]にしておきます。なお、ここで[柄の回転]を選択すると、トーンの模様を回転させることができますが、同時に模様の拡大縮小もされます。また、回転の中心位置もここからでは変更できませんので模様を回転させたい場合は、この後で詳しくご説明しますがトーンレイヤーの[プロパティ]でやった方がいいかもしれません。 
[ツールオプション]の一番下の[アクションへの追加]の項目はとりあえず気にしなくて大丈夫です。これは[アクション]を登録するときに関係する項目です(EXのみ)。

この設定の[レイヤー移動]ツールで該当のトーンレイヤー上をドラッグすれば、「トーンを貼った位置はそのままで、模様のみ」移動させることができます。

[レイヤー移動]の[ツールオプション]の[トーンの操作]を[レイヤーを移動]にすると、「貼った位置ごと、トーンレイヤーそのものの位置が移動」になりますので注意です。

 

[4][パターンブラシ]でトーンを削る

今貼り付けたこの模様トーンの周りを削ってみましょう。トーンを削るには、細い[ペン]ツールを透明色でアナログ風に地道に削ったりすることも可能ですが[パターンブラシ]を使うのが早くて楽です。 
[パターンブラシ]は、いろんな場面でいろんな使い方ができますがトーンを削るのにも活躍します。[トーン削り用]というパターンも初期設定で用意されています。

[パターンブラシ]の[ツール設定]から[トーン削り用]パターンを選択します。とりあえず[ツールオプション]は特にいじらなくてもいいと思いますが、[サイズ]は様子を見て好みがあったら変更してみてください。 
この[トーン削り用]パターンで、削りたいトーンレイヤーをアクティブにして[インク色]を[透明]にして「描いて(削って)」いきます。

削りすぎた、と思った場合は、インク色を[黒]にして「描き足す」こともできます。ただ、もう選択範囲は取られていないので、この作例だと人物の上にでもトーンを「描き足す」ことができてしまいますので、その点は注意です。

この「トーンを削る」パターンは、使う[パターンブラシ]のパターンによっても色々と違う表情になります。 
あとでまたご紹介するように[パターンブラシ]を自分で追加することもできますし、初期設定でも、他にも[エアブラシ(トーン削り用)]や[削り線]なども用意されています。色々試してみてください。

なお、[パターンブラシ]には、こういった[2値化パターン]のものの他に[グレーパターン]や[カラーパターン]が初期設定でも入っていますが、これらの[2値化パターン]でないものは、[黒白(2bit)]レイヤーや[トーンレイヤー]上では使わないようにします。

トーン削り用の[パターンブラシ]を、[黒]で普通のレイヤーに描いてみるとこんな形状のパターンです。

これでトーン削りはOKです。

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