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第12回:トーン貼り(4) -影トーン-

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 20369回 総合評価 : 4件

今回は影のトーンを貼っていってみます。

※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.1

 

[1][レイヤーフォルダ]を作成

[トーンレイヤー]がだいぶ増えてきたので、これをフォルダにひとまとめにすることにします。[レイヤー]パレットで、アイコンが市松模様になっているのが[トーンレイヤー]です。

コミスタはレイヤーをフォルダ構造にまとめて管理することができます。フォルダ内フォルダのように入れ子構造にもできますので、レイヤーが増えていっても解りやすく管理することができます。まあ、あまり無計画にフォルダを作ったりするとかえって解りにくくなっちゃうこともありますが(笑)

単に[レイヤーフォルダ]を新規作成するだけなら、[レイヤー]パレット上部の真ん中の[新規レイヤーフォルダ作成]アイコンをクリックすれば、現在アクティブなレイヤーの一つ上に、新規のレイヤーフォルダが作成されます。

これで作成されるのは、フォルダ内にはなにも入っていない空のフォルダになります。この空のフォルダ上に、既存のレイヤーをドラッグすればそのレイヤーをそのフォルダに格納することができます。 また、以前「ベタ塗り」の回でもご説明したように、既存のレイヤーを上部の[新規フォルダ作成]アイコンまでドラッグすれば、そのレイヤーを格納した新規フォルダが作成されます。この機能は、いっぺんに複数のレイヤーを格納したフォルダを作成することができるので早くて便利です。

レイヤーを複数選択するには、[レイヤー]パレットのレイヤーの左端の目玉アイコンの右横のボックスにチェックを入れます。アクティブなレイヤーには、ここにペンアイコンが表示されます。 レイヤーを複数選択する方法はそれ以外にも、レイヤー名のところを一度クリックして、[Shift]キーを押しながら別のレイヤーをクリック、という方法もあります。この場合、クリックされた2つのレイヤーの間にあるレイヤーは全部選択されます。 また、[Ctrl]キーを押しながらレイヤー名の部分をクリックすると、選択のオンオフができます。この方法は、レイヤーの連続性は関係ありません。

複数選択したレイヤーは、まとめてレイヤーの位置を変えたり、上部アイコンの[新規レイヤー作成]アイコン上にドラッグして、まとめてそれらのレイヤーの複製を作ったりできます。[削除]のゴミ箱アイコン上にドラッグすれば、まとめて削除になります。 複数選択したレイヤーを、上部アイコンの[新規フォルダ作成]までドラッグすれば、それらのレイヤーが全部格納されたフォルダが新規に作成されるわけです。

ただ、複数レイヤー選択でフォルダを作成する場合は、選択されたレイヤーは全部連続して上下に並んでいないとダメです。途中に選択されていないレイヤーがある場合は新規フォルダ作成&格納はできませんので、まずレイヤーを全部上下に並べてから操作します。

レイヤーフォルダも、アクティブにして[プロパティ]で名前を変更することができます。 トーンレイヤーをまとめたので「トーン」という名前のフォルダにしてみました。

フォルダのアイコンの左横の小さい三角で、フォルダを開いたりたたんだりできます。フォルダ内のレイヤーも、フォルダに入れたまま普通に操作することができます。

レイヤーを非表示にしたり不透明度の設定などもフォルダ内のレイヤーで個別に操作もできますが、親になっているフォルダをアクティブにして、まとめて非表示にしたり不透明度を変更したりもできるわけです。

 

[2]影トーンを貼る

影を貼るには他の色味のトーンが邪魔になるので、他のトーンは一時的に表示を切りました。他のトーンはレイヤーフォルダにひとまとめにしたので、そのフォルダの表示を切ればOKです。

先に影の部分を選択範囲にしてそこにトーンを貼り付けてももちろんいいんですが、今回は先にトーンレイヤーを作成してからトーン部分を描いていく方法を取ってみます。

最初に「基本トーン」は[選択範囲ランチャー]の[新規トーン作成]から貼る方法をご紹介しましたが、こういう「アミ点」や「ノイズ」などの基本トーンも、「模様トーン」と同じように[素材]パレットから貼ることもできます。 [素材]の[トーン]フォルダの[Basic Tone]の中に[網点]や[万線](ライン)[ノイズ]や[グラデーション]なんかのトーンも入っています。

まず、影に貼りたいトーンを選択したら([60L 10%]を選択してみました)、紙面には選択範囲を取らずに、そのトーンをドロップします。

どうなるかというと、紙面全部にトーンが貼られた状態になります。

このトーンを、いったん全面[クリア]します。 特に選択範囲を取っていない場合、上部メニュー[編集]→[クリア]で、アクティブなレイヤーの描画が全面クリアになります。[Delete]キーを押しても[クリア]になります。 これで、全面消去された状態のトーンレイヤーができました。

この[トーンレイヤー]上で、[ペン]ツールや[塗りつぶし]ツールで影を「描いて」行けばいいわけです。ここでも[閉領域フィル]が活躍すると思いますよ。

トーンレイヤー上でペンで描いた線も、塗りつぶしの際に境界線として認識してくれるはずです。もしうまく行かない場合は、[塗りつぶし]や[閉領域フィル]の[ツールオプション]で[色の許容誤差]の項目が[0.0]になってるかどうかを確認してください。ただ、この操作はトーンが[ノイズ]などの場合はうまくいかない場合があります。アミトーンの場合は大丈夫なんですが。

 

[3][トーン貼り付け領域を表示]を活用しよう

でも、濃度が薄かったりドットが粗いトーンだと、ちゃんと[塗りつぶし]ができるように境界線が描けているかどうかよく解らなかったりしますよね。 そういう場合は、[トーン貼り付け領域を表示]にすると解りやすいです。どのトーンレイヤーでもこの表示にできます。

[トーン貼り付け領域を表示]するには、[プロパティ][トーン領域]の項にチェックを入れればOKです。その横のカラーチップみたいな部分をクリックすれば好きな色に変更もできますし、[不透明度]の項目で数値も変更できます。チェックをはずせば通常表示に戻ります。 また、[レイヤー]パレット右上のメニューから[トーン表示設定]→[トーン貼り付け領域を表示]を選択してもできます。通常表示に戻すには、その下の[トーン貼り付け領域を非表示]を選択します。 それにしてもこの画像の境界線ガタガタだな(笑)

これは、下描きの時に描画線の色を変更した[カラー表示]とは違います。このトーンレイヤーを[カラー表示]にするとこんな感じです。

トーンを[カラー表示]にすると、「ドット自体」が設定された色で表示されますが、この[トーン貼り付け領域を表示]は、トーンが表示される領域全部が色で表示されますので、濃度の薄いトーンや目の粗いトーンでも、どこに貼られているかが解りやすいわけです。貼り漏れなんかも見つけやすくなります。

こんな感じに影トーンを貼り込みました。

[トーン領域]を非表示にして通常表示に戻し、表示を切っていた他のトーンも表示させるとこんな感じです。

 

[4]ドットの位置をずらす

…でも、こうやって縮小表示で見ていると気づきにくいですが、トーンの重ね貼りは、網点同士の場合ドット位置の問題があります。 服の色味のアミトーンと影トーンが重なっている部分を拡大表示にしてみます。

これは100%表示にしてみたところです。 色味のトーンの方が濃度が濃いためドットが大きく、影トーンのドットはその中にすっぽり隠れる形になっちゃってます。これは、同じ線数のアミなのでドット位置は同じ場所に描画されるからです。
なお、線数の違うアミを重ねた場合は、これはたとえコミスタといえども(笑)、必ずモアレになりますから注意です。濃度が薄くて線数も粗いトーンの場合はあまり気にならないかもしれませんが。

色味のトーンの上にも影トーンを重ねて、そこを濃くしたい場合は、どちらかのドットの位置をずらせばOKです。 [レイヤー移動]ツールで、[ツールオプション]で[トーンの操作:柄を移動]にすれば、貼り込み位置はそのままで、ドットの位置だけをずらすことができます。

これで、色味トーンの上にかぶった影トーンのドットも現れて、その部分が濃くなって見えてくれます。

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