第18回:新規にファイルを作る1
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コミスタのファイルには、単ページの[ページファイル]と、ページファイルを複数扱うことができる[作品ファイル]があります。 [第5回:ファイルを保存&開く ]でご紹介したように、この[作品ファイル]というのは[複数のページファイル]で構成されています。ファイルを新規作成する場合は、この[作品]ファイルを作るか[ページ]ファイルを作るかが選択できます。
コミスタで[開く]ことができるのは、この[作品ファイル(*.cst)]と、[ページファイル(*.cpg)]だけです。
ペン入れまでをアナログで作業して、コミスタにスキャンする場合や、フォトショップなど他のソフトでスキャンして補正をした画像をコミスタで仕上げる場合も、まずはコミスタの[作品ファイル(*.cst)]か[ページファイル(*.cpg)]を作成する必要があります。(なお、EXの機能[連続スキャン]を使用する場合は、先にコミスタファイルを作成していなくても、スキャン時に自動でコミスタファイルが作成されます)
特にフォトショップ形式(psd)ファイルをコミスタで仕上げようと思った時に「コミスタの[開く]で開けない?」と思ってしまう場合がありますが、コミスタファイル以外の画像ファイルは、コミスタファイルのページを開いて、そのページ上にその画像を[ファイル]→[読み込み]で読み込む必要があります。
※ 使用したバージョン : ComicStudio EX 4.5.4
[1]使用する原稿用紙を選ぶ
[2]自分で設定した原稿用紙を作る
[1]使用する原稿用紙を選ぶ
上部メニュー[新規作成]で、[作品]か[ページ]を選択します。
ここではまず[作品]の作成法をご紹介しましょう。
上部のツールバー内の[新規作成/作品]アイコンをクリックでも作成できます。
[作品]を選択すると、こういうウィンドウが出てきます。
ここで用紙サイズやページ数、ページの綴じ方向などを設定します。
1.用紙テンプレートタブ
[用紙テンプレート]タブ(1)内では、すでに用意されている用紙を選択することができます。デフォルトでもいろいろ入っていますので、必要なサイズの用紙を選択することができます。それぞれの印刷所のフォーマットに合わせた用紙もデフォルトで用意されています。
ただし、コミスタはいったん作成、作業したページの[基本解像度]と[用紙サイズ]は変更することができませんので注意です。必要なサイズと解像度を確認してファイルを作成するようにしましょう。
[仕上がり枠]や[基本枠]などの[内寸]項目は後から変更することもできます。この設定の詳細は後述します。
2.ページ設定:ページ数
ページ数は(2)の[ページ設定:ページ数]の項目で設定します。
プルダウンからページ数を選択することもできますが、ここにない数値でも、直接ここに数値を入力して、好きなページ数の作品ファイルを作ることができます。ただし、コミスタの作品ファイルがいっぺんに扱えるのは99ページまでです。
ページ数は、作品ファイルを作成した後からいつでも変更できます。ページを足したり削除したりなどもできますので、[当初の予定ページ数]で作品ファイルを作っちゃっても大丈夫です。
3.ページ設定:綴じる位置/開始ページ/ページ構成
[綴じる位置][開始ページ][ページ構成]は(3)で設定します。
この項目も後からいつでも変更可能です。
[ページ構成]は、[見開き]を選択するとすべての開きのページが合体した見開きページになります。
[見開き]は、ファイルを作成した後に必要な箇所だけ後から合体させて見開きページにすることもできます。
[2]自分で設定した原稿用紙を作る
用紙サイズや内寸などを自分で設定した[用紙]を使うこともできます。
[用紙テンプレート]タブ内の[ユーザー]フォルダを選択し、上部アイコン[用紙の新規作成]をクリックします。
ここで好きな設定の用紙を作成できます。
ここで作成した用紙は、[ユーザーテンプレート]として後からも 使うことができますので、解りやすい用紙名をつけるといいでしょう。
また[メモ]の項目に、どういう設定のテンプレートかを書いておくと、後から用紙を選ぶのに便利です。
1.基本情報
[基本情報]はこの用紙で扱える最高解像度とデフォルトで使用する表現色を設定します。表現色は[モノクロ]か[カラー]かを選択します。これは、レイヤーを新規作成する際にデフォルトで作成されるのがモノクロレイヤーか、カラー(32bit)レイヤーになるか、という設定です。
[基本表現色]は後から作業したページやテンプレートの設定を変えることもできますが[基本解像度]は、作成したテンプレートでは変更できません。
2.用紙サイズ
[用紙サイズ]は、原稿用紙全体の大きさです。
アナログの原稿用紙でも、B5原寸用の原稿用紙は、紙のサイズはA4ですよね。これは、紙面に印刷範囲に入らない部分にトンボを入れるために、印刷サイズよりひとまわり大きい紙を使用するからです。
規定サイズでいい場合は、プルダウンからA4、B4などが選択できます。
この[用紙サイズ]も、いったん作成したページやテンプレートでは変更できません。
3.内寸
[内寸]は、印刷範囲の設定になります。
・仕上がり枠
[仕上がり枠]は、最終的に印刷される範囲の設定です。B5の本を作る用にB5原寸の原稿用紙を作成するなら、ここもプルダウンでB5を選択すればOKです。
・基本枠
[基本枠]は、よく[内枠]などともいわれる設定項目です。
コミスタでは、この基本枠に沿ってデフォルトの枠線定規が作成されます。B5原寸用用紙では、15.00cm×22.00cmが一般的ですが、アナログの用紙でも多少違いがあったりします。私がアナログ時代に使っていた原稿用紙は、縦が22.40cmでした。
ここの数値は普通規定サイズにはなりませんので、普通の漫画用原稿用紙の場合はプルダウンの設定は使わないと思います。
この枠より外側に絵を描くのが[タチキリ]です。
4.裁ち落とし幅
[裁ち落とし幅]は、[タチキリ余幅]などとも言われます。
版下が印刷される際、常に正確に位置が合っていれば絵を描く範囲は[仕上がり枠]ぎりぎりでいいわけですが、実際にはどうしても多少のずれが出ますから、ちょっとずれた際にタチキリで描かれた部分が切れてしまわないために、天地左右とも仕上がりサイズより多少余裕を持って絵を描いておく必要があります。
この[余裕]の部分がこの[裁ち落とし幅]です。
同人誌の場合など、印刷所によって指定の幅が違うこともよくありますので、確認しておく必要があります。指定幅は3mmくらいから10mmあたりまで印刷所によって結構幅があるようです。10mmは結構すごいと思いますが(笑)
四隅に二重の直角が入っているのが[トンボ]です。これは[コーナートンボ]です。
用紙の縦中心と横中心に入る[センタートンボ]というのもあり、コミスタのトンボにもありますが、これは設定の必要はありませんのでここには表示されていません。
コーナートンボの二重の直角の幅が[裁ち落とし幅]です。
タチキリの絵は、このコーナートンボの外側の線を結んだ範囲まで描く必要があります。これより外には絵を描く必要はありません。(描いてもいいですが印刷には100%出ない部分です)
これで、必要な項目を設定して[OK]を押せば、[用紙テンプレート]の[ユーザーフォルダ]内に用紙が追加されます。
作成したこのテンプレートは、今後いつでも選択して使うことができます。
また、登録したテンプレート名をダブルクリックすれば設定画面になって、ここで登録内容を変更することができます。ただし[基本解像度]と[用紙サイズ]はいったん登録した用紙では変更できません。
[テンプレート]は、これ以外にも必要なレイヤーをあらかじめ入れておいたり、必要な画像を入れておいてユーザーテンプレートの原稿用紙として使うことができます。
もっとつっこんだ用紙テンプレートの登録の方法は、また後ほどご説明したいと思います。
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