第3回:枠線を作る・ペン入れをする
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3-1.枠線を引こう
枠線の準備
みなさん、こんにちは。森野熊太郎です。前回までで下描きが描けたので今回はペン入れを始めていきたいと思います。ペン入れをする前に漫画原稿に独特の「コマ割り」をしていきましょう。マンガのコマは枠線と呼ばれるモノなんですが、コミスタではこの枠線を簡単に引くことができるようになっています。まずは枠線を引くための準備をします。簡単な作業なので順を追っていきましょう。
まずはコミスタの画面の上の方にあるファイルメニューから[環境設定]を選択します。[環境設定]ダイアログが表示されるので、[ページ]-[枠線・コマ]で[枠線の太さ]を0.4mmに[辺の間隔]の[左右の間隔]を2.0mm、[上下の間隔]を4.0mmに設定しておきましょう。枠線を引くときはこの[環境設定]であらかじめ設定しておくと便利です。
枠線用レイヤーを作る
次に枠線用のレイヤーを準備します。[ラスター+(枠線定規)]レイヤーを作ると、枠線がとても簡単に引けるんです。
それでは前回レイヤーを作成したときと同じように[レイヤー]パレットの赤枠で囲まれている部分をクリックしてメニューを表示させましょう。
[ラスター+(枠線定規)]を選んで、枠線用のレイヤーを追加しましょう。
基本となる枠線が現れました。レイヤーパレットには新しいレイヤーが追加されています。確認しておきましょう。このレイヤーはわかりやすいように名前を自由に変えることができます。今回はこのレイヤーを「枠線用」と命名しましょう。レイヤー名を変更する方法は覚えていますか?忘れちゃった人は前回の連載をもう一度読み直すと書かれていますので、確認してくださいね。
名前が「枠線用」に変更されたら、枠線を仕上げていきましょう。
3-2.コマを割る
枠線定規カットツール
まず、[枠線定規カット]ツールを選びます。
[枠線定規カット]ツールを選択する時にちょっと気をつけておきたいことがあります。[ツール]パレットではアイコンをクリックしてそれぞれのツールを選択することができるようになっています。
その中でも複数のツールを切り替えて選択するタイプのものがあります。この[枠線定規カット]ツールも[枠線定規カット]ツールか[コマ作成]ツールを切り替えて使用します。
[ツール]パレットのアイコンをマウスの左クリックで長押し、またはペンタブレットのペンならペンを同じ場所で押し続けます。すると上記のようなメニューが表示されて必要なツールを選ぶことができるようになっているんです。
他にも同様に複数のツールが隠れているツールアイコンがありますが、それらにはアイコンの右下に▲マークがついています。このマークがついているアイコンは長押しでどんなツールが隠れているか捜しておくといいですよ。[枠線定規カット]ツールが選択できたら、既に描かれている大きな枠線の中で枠線を引きたい部分をドラッグします。
これで1つ枠線が完成です。とても簡単でしょ?実はコミスタで枠線を引くのは本当に簡単な作業で済むんです。余談ですが、昔のアナログ作業 の枠線引きは「からすぐち」という特殊なペンを使う本当に職人技のいるような作業だったそうですよ。良い時代になったもんだとお父さんが遠い目をしながら 呟いてました。
下描きで枠線をドコに引いていくかは決めていたので、それに従って[枠線定規カット]ツールで枠線を引きましょう。水平や垂直の枠線を引きたいときは[Shift]キーを押しながら[枠線定規カット]ツールを使えばOKです。
カットする順番
コマの配置によってはカットする順番を考えておく必要があります。この例では1~7までの順番で枠線をカットしていきました。
[枠線定規カット]ツールは1つのコマを2つに分けるツールです。そこからさらに2分割を続けて必要なコマを割っていきます。言葉で言うとちょっとややこしいですが、とても簡単にコマ割りができます。
コマの外側
コマ割りが終わったら、ちょっと確認をしておきましょう。コマ割りをすると、コマの外側に描かれていた下描きが見えなくなってしまいます。ここで[透明部分表示]アイコンをクリックして、枠線がどのように描かれているのか確認してみます。
枠線の外は白く塗りつぶされています。これで枠線から多少はみ出して描いても安心です。でも、このままだと、枠線の外が見えなくなってしまうので、ちょっと不便です。そこでレイヤーの透明度を調整して、透かしてみましょう。
[レイヤー]パレットの[不透明度]を40%くらいにすると、枠線を描いたレイヤーが薄くなって下にあるレイヤーが透けて見えるようになります。
これで枠線の準備が終わりました。それではペン入れに進みましょう。
3-3.ペン入れしよう
ラスターレイヤーを新規作成
ペン入れはペン入れ用のレイヤーに行います。新しくレイヤーを作ります。前回に説明した下描き用レイヤーを作成するときと同じ手順で[ラスターレイヤー(詳細)]から[黒白(2bit)]を選びます。
新しいレイヤーがレイヤーパレットに表示されていることを確認してください。
さっき枠線レイヤーを作って枠線を描いたばかりなので、新しいレイヤーは枠線レイヤーの上にできていると思います。
このレイヤーを枠線レイヤーの下側に移動しておきましょう。
ペンの設定
それでは主線のペン入れを行っていきましょう。ますはペンツールを選びます。
今回ボクはペンの設定をこんな状態にしました。
1:ペンの設定を[G]に。もちろん、これはGペンのGです。
2:サイズは0.4mmで。このサイズは好みの太さに変更しておきましょう。筆圧が弱い人はもう少し太めで良いかもしれません。
3:補正はペンタブレットで引いた線がぶれないように補助してくれる機能です。「5」程度に設定しておくと線が綺麗に描けるようになります。必要に応じてON/OFFを切り替えましょう。
4:[表示サイズを補正に影響させる]ボタンはONがいいでしょう。画面表示を拡大縮小したときにも補正の具合が体感で同じになるようになっています。
よくわからない項目があってもこの例をお手本に、ひとまず使ってみましょう。少しずつ設定を変化させて、自分にあった状態を作り出していくことが大切ですよ。
ペン入れ
ペン入れは第1回でいろいろ遊んでコツがつかめたでしょうか。ペンタブレットに慣れるにはちょっと時間がかかるかも知れませんが、1本でも多くの線をひいていけば大丈夫。それに[消しゴム]ツールで何度でもやり直せるので、ペン入れも安心して行えます。
元に戻す(アンドゥ)
ここで、「元に戻す」を覚えておきましょう。「元に戻す」とは「今行った操作をなかったことにしてくれる」機能です。ペン入れした線が気に入らないときは、消しゴムを使うよりも、「元に戻す」機能を使った方が便利です。使い方はとても簡単です。
[Ctrl]キー+[z]
でひと段階ずつ自分が操作した内容をさかのぼれます。ビデオ再生を巻き戻すような感覚です。ぜひ試してみてくださいね。
そろそろ主線のペン入れも完成
さてそろそろ主線のペン入れも完成です。次回はペン入れ後の仕上げと、ベタ塗りなどの方法を紹介していきます。
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