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3D下描き機能を使った背景の描き方

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 33762回 総合評価 : 9件

※ 使用したバージョン : ComicStudioEX Ver.4.5.6

[1]3Dワークスペース内のパース定規
[2]平行線定規を利用した自由角度の直線との組み合わせ
[3]定規を3Dに読み込む
[4]パースに合わせた正方形を描く
[5]定規を3Dに読み込んで階段を描く

ComicStudio4.0EX/Proで共通に使える機能が3D下描き機能です。自由に回転移動させた3Dモデルを表示してアタリや下描きとして利用する方法です。

3Dワークスペースを使った描画方法を紹介しましょう。
ワークスペースの作成方法及び操作方法について詳しくは、機能解説!トラの巻「3DLT【EX】/3D下描き【Pro】の基本的な使い方」をご覧ください。

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[1]3Dワークスペース内のパース定規

3Dワークスペースでグリッドを表示させて、カメラを調整すると様々なアングルを簡単に作ることができます。

このワークスペース内でパース定規の様にパースに沿った直線をフリーハンドで描くコトができるので、この機能の使い方を紹介します。

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(1)3Dワークスペースのカメラアングルを調整します。
ここで注意したいのはモデルではなく[カメラ]を調整するということ。

3Dグリッドを表示するとアングルの調整がどうなっているか判りやすいですよ。

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3Dワークスペースを作成すると、[レイヤー]パレットに[3Dワークスペース]レイヤーフォルダ、その中に[3Dプレビューレイヤー]が作られます。この[3Dプレビューレイヤー]が下絵にあたる部分です。これが下絵なのでこのレイヤーには描画しません。

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(2)[3Dワークスペース]レイヤーフォルダ内に絵を描くためのレイヤーを作ります。

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(3)[パース定規]と[スナップ]アイコンをONの状態にすると、フリーハンドで描いた線がカメラアングルのパースに沿った直線で描けるようになります。

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(4)パースのきつさは[プロパティ]パレットの[パース]のスライダーを調整します。

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(5)消失点を直接ドラッグしてもアングルを変えることができますが、それ以外の消失点も一緒に移動してしまうので、注意しましょう。

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POINT

3Dワークフレーム内では、3Dの計算に基づいた「現実にあり得る」消失点配置しか再現できません。消失点の位置をデフォルメして、より迫力のある構図などにしたい場合はパース定規を利用しましょう。

 
 

(6)車のオブジェクト(3Dモデル)を読み込んで大きさを調整してみました。オブジェクトを利用しながら、パースを合わせた描画が行えます。

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POINT

1点透視と2点透視にあたるアングルの場合、水平垂直方向のスナップはありません。[回転]の[水平]と[垂直]の値が[0]の場合は注意しましょう。

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[2]平行線定規を利用した自由角度の直線との組み合わせ

3Dワークスペースにオブジェクト(3Dモデル)を読み込んだものを下描きとして、ペン入れを行う際の作業方法を紹介しましょう。

(1)オブジェクト(3Dモデル)を読み込んでアングルを決めます。

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(2)パースの方向と同じ向きの直線は[3Dワークスペース内のパース定規]で紹介したように、パース定規のスナップを利用して描画します。

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パースの向きと合わない直線を描くときは、平行線定規を作成して利用しましょう。

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(3)[レイヤー]パレットの[新規レイヤー作成]ボタンから[定規レイヤー]を作成します。

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(4)[定規]メニューから[特殊定規の作成]→[平行線定規を作成]を選択し[平行線定規]を作成します。

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定規レイヤーに[平行線定規]が作成されます。

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(5)下絵に併せて[定規選択]ツールで[平行線定規]の向きを変更し屋根を描画します。

[ペン]ツールなどを使っている場合は[Ctrl]キーを押している間だけ[定規選択]ツールに切り替わります。これを利用して、「[Ctrl]キーを押しながら定規の向きを設定」→「ペンで描画」を繰り返します。

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[パース定規]にスナップするには[Ctrl]+[7]、[平行線定規]にスナップするには[Ctrl]+[9]でそれぞれのスナップが切り替わります。

スナップそのものを無効にする場合は[Ctrl]+[1]でスナップのON/OFFを切り替えられます。ショートカットキーを利用して、スムーズに定規を切り替えられるようにしておきましょう。

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[3]定規を3Dに読み込む

オブジェクトとして読み込めるのは3Dモデルだけではありません。[定規レイヤー]に作った[定規]も読み込むことができるんです。定規の読み込み方を紹介しましょう。

(1)[定規レイヤー]に図形ツールを使って定規を作成します。

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(2)[定規レイヤー]を[3Dワークスペース]フォルダ上にドラッグすると、[3Dワークスペースプロパティ]に定規が読み込まれます。

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(3)[定規レイヤー]の定規はそのままのこっているので、ややこしくならないように[定規レイヤー]は非表示にしておきます。

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(4)読み込まれた定規は3Dモデルのオブジェクトと同じように回転/移動/拡大することができます。[定規]にスナップさせて[ペン]ツールなどでなぞって利用します。この定規を使うときは[3Dワークスペース]フォルダ内の描画レイヤーでなくてもスナップします。

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複数の定規を読み込んで、別々に操作することもできます。

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オブジェクトとして読み込まれた定規も、3Dモデル同様コピーして複製することができます。

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円定規を移動させて円柱を描いたり、色々と活用できますよ。

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[4]パースに合わせた正方形を描く

実は、パースを利用した描画で正方形を描くのは大変です。

パースに沿って描かれた正方形は、縦と横の辺が同じ長さかどうか、煩雑な手続きで導き出す必要があるからです。しかし、3Dワークスペースに定規を読み込めば、正方形を自由な角度に操ることができるようになります!

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(1)[定規レイヤー]に[矩形]ツールで[Shift]を押しながら描画し、正方形の定規を作ります。

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(2)[3Dワークスペース]に[定規レイヤー]をドラッグして読み込みます。

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POINT

読み込んだ定規をグリッドに合わせる

[プロパティ]パレットから読み込んだ定規を選択して下図のように設定すると、グリッドにぴったりと合わさります。

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(2)左右の消失点が線対称になっていないような構図でも、正方形の定規を[3Dワークスペース]プロパティで水平に回転させれば縦と横の「同じ長さ」を導き出せます。

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(3)等間隔線を[自由変形]でこの正方形にはめ込めば、縦と横に等間隔な線を描くことができます。

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正方形の定規を回転させることも簡単です。このような作画をアナログ作業で行うには煩雑な手続きで計算する必要がありましたが、3Dワークスペースと定規を利用することで正確に描くコトができるんです!

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[5]定規を3Dに読み込んで階段を描く

3Dワークスペースへの定規の読み込みを応用して、立体的な階段を描いてみましょう。

(1)[折れ線]ツールを使って一筆書きの要領で[定規レイヤー]に下図のような定規を作成しておきます。

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(2)[3Dワークスペース]に作った定規を読み込みます。

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(3)アングルを決めて、定規の位置を調整します。

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(4)定規をコピーして、平行に移動します。

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(5)踏み板部分をまず描画します。定規の角と角を上手くあわせて直線で結びます。

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(6)垂直方向の直線も描けば、階段が描けました。

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(7)3Dワークスペースのパース定規機能を活用して、部屋の壁なども描いておきます。これで階段のある室内を描くことができますね。3Dモデルを作るのは時間がかかりますが、簡単な部分なら定規を読み込んで活用するだけでも正確な立体を描けますよ!いろいろな定規を工夫してみましょう。

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