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描画ツールのカスタマイズ・基本編

提供者 : セルシス    更新日 : 2017/03/11   
閲覧数 : 43535回 総合評価 : 4件

ツールの描き味の調整と、その他ツールオプションの設定カスタマイズを紹介します。

※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.1

 

[1] ツールのカスタマイズ-形状-

線画を描くのに適したツール」で解説した項目以外にも描画ツールの[ツールオプション]には設定項目があります。
[形状タブ]の設定を変更すると、少し変わった描画ができます。

形状タブの設定項目は[ペン][鉛筆][マジック][消しゴム]ツールでほぼ共通です。

■厚み
ペン先の形状の厚みを調節します。
厚みを下げると線を引く角度によって太さが変わる設定にもできます。

 

■向き
ペン先の向きを変更します。

 

■アンチエイリアス
[レイヤー]パレットで色深度が「グレー(8bit)」「カラー(32bit)」のラスターレイヤーを選択している時、チェックをオンにするとアンチエイリアスが有効になります。
線のフチのジャギーが目立たなくなります。

 

※[鉛筆]ツールではアンチエイリアスを設定できません。
※[ベクターレイヤー]選択時のアンチエイリアスの設定は[表示]メニュー→[ベクター表示]→[アンチエイリアス表示]で一括して切り替えます。

POINT

パソコン上ではジャギーが確認できますが、600dpiでの1pxの実寸は0.04mm程度です。印刷すると確認できません。


■ブラシ形状
ブラシ形状は3タイプから選ぶことができます。

 

多角形は頂点の数を「3」~「8」の間で変更できます。

 

※ベクター関連の設定に関しては、「ベクターレイヤー」の回で詳しく解説します。

 

[2] ペンタブレットによる描き味の調整

デジタルで作画する場合は、実在の画材と違って同じタブレットでもアプリケーションやドライバの設定で描き味は大きく変わってきます。
筆圧が弱めの人や、逆に筆圧がかなり強めの人などは一度自分にあった書き味になるように、筆圧の設定をしてみると違和感なく描画できるのではないでしょうか。

 

1. 筆圧設定

[ペン]ツールや[鉛筆]ツールなどの描画系のツールは、筆圧調整によって線の太さや濃さなどを調整できます。
ツール設定ごとにペンタブレットの影響の仕方を設定することができます。

※ツール設定は、各ツールを設定別にまとめたものです。
[鉛筆]や[ペン]、[パターンブラシ]や[グラデーション]など、各ツールにはそれぞれツール設定が用意されています。
たとえば[ペン]ツールの場合、[G]や[丸]、[カブラ]などがツール設定にあたります。

 

[ツール設定]は、[ツールオプション]パレットや[ツール]パレットのツールを右クリックすると選択できます。

ComicStudioではツール設定単位でペンタブレットの筆圧の影響具合を調整できるため、同じ[鉛筆]ツールであっても、あるツール設定では筆圧が大きく影響するように設定し、他のツール設定ではほとんど影響しないように設定することも可能です。

設定の仕方は以下の通りです。

 

[ツールオプション]パレット→[一般]タブ→[サイズ]の横のアイコンをクリックし[ブラシコントロール]ダイアログを開きます。

 

影響元を[ペンの筆圧]に設定し、固有の設定でグラフを変更することで様々な描き味のペンを作成することができます。

 

2. 設定例

通常の設定です。

 

筆圧が弱い人向けの設定です。太く、濃くなりやすくなります。

 

筆圧が強い人向けの設定です。細く、薄くなりやすくなります。

 

入りと抜きがかかりやすくなる設定です。

 

筆圧の影響が大きくなる設定です。太く濃くなりやすく、かつ、細く薄くなりやすくなります。

 

筆圧や描き味に合わせて調節します。

 

[3] ブラシコントロールと影響元

ComicStudioの描画ツールは、筆圧のかけ方のみではなく、ペンの傾きやストロークの速度などペンタブレットの操作による細かい挙動を精密に感知します。
それらの情報は、設定した[影響元]に応じて値が変化するように設定できます。

パラメータの横のアイコンが「赤」の場合は[影響元]が[変化なし]に設定されています。
この場合、常に[ツールオプション]で設定した値のまま描画されます。

 

パラメータの横のアイコンが「緑」の場合は、何らかの[影響元]が設定されています。
筆圧や、ペンの傾きに応じて値が変化したり、ランダムで数値が変わったりするようになります。

 
 

1.影響元の種類

ツールやパラメータによっては選択できる影響元の種類が変わってきます。

 

■ペンの筆圧
「ペンの筆圧」に応じてパラメータが変化します。筆圧による変化の度合いをグラフで設定することができます。

[サイズ]の影響元に[ペンの筆圧]に設定した例

 

■ペンの傾き
「ペンの傾き」に応じてパラメータが変化します。傾きによる変化の度合いをグラフで設定することができます。

[サイズ]や[不透明度]に[ペンの傾き]に設定した例

 

■ペンの向き
「ペン先の向いている方向」に応じてパラメータが変化します。
※ペンの向きをサポートするタブレットでのみ有効です。

■ペン軸の回転
「ペン軸の回転」に応じてパラメータが変化します。
※ペン軸の回転(ひねり)をサポートするタブレットでのみ有効です。

 

[ペン軸の回転]によって線の太さを変化させる場合、ブラシ形状を縦横比の異なるもの(例 厚み:50% 形状設定:四角)にする必要があります。

■ストロークの方向
「ペンで描く方向」に応じてパラメータが変化します。

[向き]に[ストロークの方向]を設定した例

■ストロークの速度
「ペンで描く速度」に応じてパラメータが変化します。

[間隔]に[ストロークの速度]を設定した例

 

■ランダム
「ランダム」(不確定な値)でパラメータが変化します。

 

[4] ペンのサイズ-太さ-

ComicStudioでペン入れをして、印刷をすると線が太すぎた!細すぎた!なんてことにならないようペンのサイズを調整しましょう。
線の太さは[ツールオプション]パレットの[サイズ]により設定できます。

 

しかし、モニター上では表示倍率により線の太さが違って見えます。
アナログで描いていた時と同じサイズ(太さ)にしたいけど、よくわからない。
といったことはないでしょうか。

 

そんな時はアナログ原稿を原寸でスキャンし、ペンの太さを比べることでアナログと同じ太さのペンを設定することができます。

 

スキャンしたアナログ画像の線をなぞり、ペンのサイズを調整します。
これで、アナログと変わらぬペンの太さで描くことができます。

コメント
yuinosuke 2012/12/22 08:28
なんとなく読んでみたら知らないことだらけでびっくりしました。 とても参考になったので、みなさん是非読んでください