4.レイヤー分けと細部の描き足し
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次にレイヤー分けをします。今回の絵は、遠近のはっきりしている絵です。よって手前や奥など、同じ位置のオブジェクトごとにレイヤー分けをしておくことで、空気遠近(遠くのものほど霞んで見えること)や光の効果がかけやすくなり、さらにリアルな遠近感をつけることが出来ます。
色塗りの際にクリッピングフォルダを使うため、オブジェクトを丸ごと抜き出してレイヤーにします。ドラゴンを切り抜いた手順と同じです。
[マジックワンド]ツールや[投げなわ]ツールでオブジェクトを選択し、その後[コピー]し[貼り付け]て、新規レイヤーにする…という作業を繰り返します。レイヤー分けをしながら、描き込みが足りなかった細部は描き足し、要らないと思った部分は削り、調整していきます。
今回調整した部分の一例としては、背景の天井です。レイヤー分けにあたり、格子の部分をくりぬきました。これにより、空と遠景をもう少し描くことが出来るようになりました。
模様の部分などは、パターンブラシを使うと便利です。天井の格子の部分に、パターンブラシの[2重線]でラインを入れてみました。パターンブラシから、[2重線]を選択し、設定を「合成モード:乗算、サイズ影響元:ペンの筆圧」に変更し、格子に沿って線を入れます。
レイヤー分けが終わったら、それぞれのレイヤーが何かわからなくならないように、レイヤーにきちんと名前をつけておきましょう。その後、クリッピングフォルダを作成します。レイヤーの上でマウスを右クリックし、メニューから[クリッピングフォルダ化]を選択します。これを全てのレイヤーに対して行います。こうすることで、各パーツをはみ出すことなく色を塗ることが出来ます。
[クリッピングフォルダ化の方法と使い方]
(1)[レイヤー]パレットでクリッピングフォルダ化したいレイヤーを選択します。
(2)右クリックしてメニューを表示し、[クリッピングフォルダ化]を選択します。
(3)選択したレイヤーに「L」の表示がつきます。
(4)クリッピングフォルダ内に新規レイヤー(「青」)を作成し描画すると、この「L」表示のレイヤー(「赤」)に描かれた画像からはみ出ないようになります。
赤レイヤーを非表示にすると青レイヤーに実際に描画されたものは次のようになっていることが確認できます。
[クリッピングフォルダ]は[レイヤーフォルダ]を選択した状態で[レイヤープロパティ]パレット→[フォルダ]リブの[クリッピングフォルダ]でオン、オフを切り替えることができます。
[下のレイヤーでクリッピング]
この機能を使用すると、フォルダ化せずにクリッピングの機能を利用できます。
下図の状態で描画すると、「B」レイヤーは「A」レイヤーの描画範囲にクリッピングします。
多重クリッピングはできませんが、少ない枚数で描画する場合などに有効です。
近景→遠景 をそれぞれ 赤色→紫色 と対応させ、虹色にレイヤー構造を塗り分けてみました。
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