5.仕上げ
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残りは仕上げです。仕上げは主に、細部の描き込みと色調整の作業です。色がはみ出ているところ、ムラになっているところなどを修正していきます。[スポイト]ツールで中間色を拾い、なじませるように塗っていきます。事前にショートカットの設定で、[水彩]ツールと[スポイト]ツールを隣り合わせに登録しておくと、作業が楽になります。
1.パーツごとの色調整
木の上部が少し明るすぎたので、新規レイヤーを作成し、レイヤーの合成モードを[乗算]にして不透明度をやや下げます。その後、濃い青で上から均一に塗ることで、キャラクターよりも目立たないようにしました。
その他、画面全体が引き締まって見えるよう、キャラクターの服のしわが集まっている部分、木の根の枝分かれしている部分などの、線が集まって密度が高くなっている箇所にワンポイントで濃い色を置いていきます。
2.細かいパーツの描き足し
草など細かいパーツを増やしていきます。着色のときは[不透明度薄め・ブラシサイズ大きめ]ですこしずつ色を馴染ませていましたが、今回は[不透明度濃いめ・ブラシサイズ小さめ]で上から塗りつぶすように塗っていきます。暗い背景に、明るい色で草を画面全体に描き込みます。やや単調に見えがちな水面のアクセントになります。
ここで、もう少しキャラクターの「男の子らしさ」が出るように、顔や服など細かい修正や描き込みをしました。やんちゃな感じが出るように、帽子のツバを背景色と同じ濃い青色で、削るように描いてボロボロにしてみました。また、男の子の顔立ちも、目や眉の印象を強くして少し凛々しくしました。
左足の絆創膏と男の子の後ろに鞄を描き足しました。これで細部の描き込みは終了です。
3.全体の色調整
最後に色調整の作業をします。ここで、調整がしやすいように、すべてのレイヤーを統合します。うっかり統合したまま保存をしてしまうと、元に戻せませんので注意が必要です。レイヤーを統合する前に、必ず[ファイル]メニューの[別名で保存]を使い、バックアップを取っておきましょう。
今回、色調整に使った手順は以下になります。ひとつの手順を行った後は、レイヤーを再び1枚に統合します。これらの手順を、組み合わせて、好みの色合いが出るまで調整を繰り返します。
■色味を濃くする
絵のレイヤーをコピーし、コピーをしたレイヤーを[乗算]モードにします。レイヤーの不透明度を調整し、色の濃さを調整します。
■輪郭の色味を強くする
絵のレイヤーをコピーし、コピーをしたレイヤーを[焼き込みカラー]モードにします。レイヤーの不透明度を調整し、色の濃さを調整します。
■色相・彩度・明度
[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を使って、色調整をします。今回は彩度を少し下げ、落ち着いた色に整えました。
■全体をなじませる
絵のレイヤーをコピーし、コピーをしたレイヤーに[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を使いします。その後、レイヤーの不透明度を調整します。
■質感の付加
新規レイヤーを作成し、そのレイヤーに[フィルタ]メニュー→[効果]→[雲模様]を付け、合成モードを[焼き込みカラー]にして重ねます。
納得のいくところまで調整が出来たら、完成です!
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