5.ラフの清書ー背景ー

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 真彩子(まさこ)
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1.時計台を描く

パース定規を使い、時計台を描いていきます。

背景のラフ画像です。

背景のラフ画像

定規を画像レイヤーに作成する[サブ定規]を利用します。
パース定規は[エアブラシ]ツールでパースにそった線が引けるなど、便利なので使ってみると良いと思います。

パース定規を使用したいレイヤーを選択して、[定規]メニュー→[パース定規]→[3透視を作成]で、レイヤー上にパース定規を作成します。

今回の絵は、アイレベルが水平ではなく少し斜めになっているので、[パス編集]ツールを使って、作成されたパースが目的のパースになるように編集していきます。


2.アイレベルを決める

作成されたパースは[アイレベルを水平に固定]にチェックが入っているので解除します。
※アイレベルの固定の解除について詳しくは、「機能解説!トラの巻 特殊な定規の使い方~放射線、放射曲線、平行線、同心円~」をご覧ください。
アイレベルを斜めにするため、右側の消失点を斜めにしたい右側の高さにして、右クリックして[消失点の固定]で高さを決定します。(消失点は後から自由に変更することができます) 今度は左のアイレベルを任意の高さにして[アイレベルを現在の位置で固定]にチェックを入れて、アイレベルを固定します。

3.消失点を決める

(1)アイレベルの設定が終了したら、消失点を任意の位置にまで引っ張っていきます。消失点の位置が決定したら右クリック[消失点の位置を固定]で固定します。今回は画面の外に消失点をおきたいので、[虫めがね]ツールで縮小して画面外に消失点を作成します。3点が望み通りの場所になったところで、右クリック消失点の位置を固定します。

消失点を決める

パース定規は、[レイヤープロパティ]パレットで[サブ定規をレイヤー化]するにチェックを入れ、 [サブ定規]を表示させておくと便利です。

(2)[定規]メニュー→[スナップ]にチェックを入れ、[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース]に設定して、エアブラシツール不透明度100%で時計台の輪郭を描いていきます。時計台の文字盤の円を[図形]ツールの[ツールセット]パレットから[楕円(線)]を使って描きます。この円を描くときもパースを利用するので、[定規]メニュー→[スナップ先を指定]→[パース]にしておきます。

時計台の輪郭を描く

(3)時計の装飾を入れます。

装飾を入れる

(4)突起物などの装飾を描きます。

突起物を描く

(5)せっかくの時計台なのですが、少女でほとんど見えません。せめて時計っぽい雰囲気を出すために、文字盤の所に歯車を描きます。歯車は[図形]ツールの[楕円(線)]で土台を描き、[エアブラシ]ツールでギザギザの部分を描きます。小さい歯車は、[フィルタ]メニュー→[色調補正]→[階調の反転]で白くします。

歯車を描く1

歯車を描く2

(6)文字盤のふちを描きます。

文字盤のふちを描く

(7)文字盤を分割した線を入れます。

文字盤を分割した線を入れる

(8)歯車のレイヤーを選択した状態で、[レイヤー]メニューから[レイヤーから選択範囲]→[選択範囲の作成]で選択範囲を作成し、[編集]メニュー→[特殊な描画]→[選択範囲をフチ取り]で線画を作ります。

選択範囲をフチ取り

(9)作画中にはみでた線などを消したりして整理します。時計台のおおまかな形が取れたら後は色塗りの時に詳細を書き込むことにするので、細かい部分はひとまず置いておきます。

 

4.少女の座っている看板を作画する

少女の座っている看板を作画します。右下には看板に供給される電気のコードがあります。逆光なのでシルエットっぽく描きます。時計台の時に使用した[サブ定規]を、全てのレイヤーで使用できる[定規レイヤー]にコピーして使用します。

■手順
(1)サブ定規のあるレイヤーをアクティブにし、[定規]メニュー→[定規のコピー]をします。

定規のコピー

(2) [レイヤー]メニューから[新規レイヤー]→[定規レイヤー]を作成します。

定規レイヤー1

定規レイヤー2

(3)[定規]メニュー→[定規の貼り付け]

定規の貼り付け

(4)[サブ定規]は不要になったので削除します。

(5)[定規レイヤー]を表示し、[定規]メニュー→[スナップ]にチェックを入れます。[定規]メニュー→[スナップ先を指定]→[パース]にします。

(6)看板のラフのレイヤーに直接、[エアブラシ]ツール不透明度100%で描いていきます。広い面やぼかしたい所は、[パターンブラシ]ツールを使います。色は使用せずモノクロで、光の調子も入れます。全体的にシルエットのように描きます。左方からの光と、後方の逆光があると仮定していれていきます。

看板の描写1

(7)少女が上に座るので、見える所だけ細かく描いて行きます。

看板の描写2

猫の毛先は風を意識して、左側になびいています。

猫がくわえているのはトランプです。全体は逆光なのでほとんどシルエットですが、少しだけ左からの光と後ろからの光がある設定なので、猫の毛先の輪郭付近や、背中の部分と前足の部分だけは真っ黒ではなく、中間色や白を使って描いたり、ハイライトを入れたりします。

猫の描写

作者プロフィール:真彩子(まさこ)  (サイトURL:http://powergate.6615.net/glad/

イラストレーター。翼や、風化をモチーフにした絵が大好きです。

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