5.下塗り
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着色前の下ごしらえとして、下塗りをします。
塗りやすくする為に、パーツやカラー、素材の違いに応じて、レイヤーを分けて色を置いて行きます。
下図のようにそれぞれの「クリアパーツの線画」レイヤーは、それぞれの「不透明パーツの線画」レイヤーよりも上に作成して、着色用のレイヤーはそれぞれの線画レイヤーの下に作成して、下図のように分けていこうと思います。
それでは、実際に下塗りをしていきましょう!
新規でラスターレイヤーを作成して、線が途切れている箇所は[ペン]ツールで隙間を埋めた後、[塗りつぶし]ツールで色を流し込みます。
上図の手順を作業してみましょう。
(1)髪の線画を描いたレイヤーの下に着色用のレイヤーを作成します。
(2)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、髪の線が途切れている個所を埋めるように描画します。
着色時に塗りなおすので、ここで使う色は何でもOKです。
※右上図の緑色に塗られた箇所が作業した箇所です。
(3)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択します。
(4)[ツールセット]パレットから「レイヤー複数参照」を選択し、[ツールオプション]の設定を変更します。
・[領域を拡縮]にチェック:「3」
・[最も濃いピクセルまで拡張]にチェック
・[ドラッグで同じ色を塗りつぶす]にチェック
最も濃いピクセルまで拡張とは
線の色が最も濃い色の部分を認識して、その部分まで塗りつぶします。[領域を拡縮]で領域を拡大するように設定したとき、線の最も[不透明度]の高いピクセルより外側にはみ出さなくなります。
例えば、下図の菱形の内部を[領域の拡張]:「7」で、「最も濃いピクセルまで拡張」にチェックを入れている場合と入れていない場合を見比べてみます。
●「最も濃いピクセルまで拡張」にチェックしない場合
線の太さが7px以下のため、線よりはみ出した場所まで塗られてしまいます。
●「最も濃いピクセルまで拡張」にチェックした場合
線の最も濃いところで塗りどまってくれるため、線の外側まで塗られることはありません。
(5)[塗りつぶし]ツールで塗りつぶします。
(6)塗りきれなかった細かい隙間は、[ペン]ツールで埋めます。
(7)塗り分けたら、[レイヤー]パレットにある[透明部分をロック]を有効にします。
これで、カギアイコンの付いたレイヤーは、透明部分がロックされて、色が乗っている(不透明)部分にしか描画されなくなります。
同様の手順で、ラスターレイヤーを追加していき、全てのパーツを塗り分けます。
基本的には、色や質感でレイヤーを分けていますが、根本的には塗りやすいかどうかなので、色や素材が同系統であっても、分けたほうが塗りやすいと思った時点でどんどん分けます。
以上を踏まえて、全ての塗り分けを終えた所が以下の状態です。
クリアパーツは、着色時に線画とクリアパーツ背面の色を巻き込みたいので、レイヤーが不透明箇所の線画に被さるようになってます。
こちらが、現在のレイヤー構造です。
ここまでレイヤーが増えて来ると、特定のレイヤーを、レイヤーウインドウから選択するのが大変になってきます。
そこで、「レイヤー選択」ツールを活用します。
「レイヤー選択ツール」を使う事で、素早く目的のレイヤーを選択することが出来ます。
これでレイヤーが増えても作業速度を維持できますね!
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