提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 村上ゆいち(むらかみゆいち)
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塗りがひと段落したので加工に入ります。フィルタを使って『雰囲気』を出していきますが、その前に背景を描いておきます。

 

1.背景を描く


今回のイラストの場合、背景は人物でほとんど隠れてしまうのでざっくり塗ってしまいます。
「14.影付け(水彩塗り)」の水彩塗りと同じように塗りますが、今回はキャラを目立たせたいのであえてメリハリは意識せず、ぼやーっと塗ります。

 

2.線をぼかす


線画にぼかしをかけて雰囲気を付け、イラスト全体をなじませます。

(1)「11.レイヤーの整理」で「ペン入れ(参照元)」フォルダにまとめた「髪」と「人物」の線画レイヤーを結合し、1枚の「ペン入れ」レイヤーにします。
※「ペン入れ(ラスター強調)」レイヤーは結合しません。

 

(2)結合した「ペン入れ」レイヤーを複製して、片方に[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]でぼかしをかけます。
[ぼかす範囲]は、イラストによって変わるため、[プレビュー]にチェックを入れた状態で合う数値を探します。今回のイラストでは、だいたい30くらいに設定しました。

 

(3)このままでは絵全体が暗くなるため、ぼかした線画の色をラフや下描きの線の色を変えたときのように[編集]メニュー→[特殊な描画]→[線の色を描画色に変更]で、こげ茶色など適当な色に変えます。

(4)ぼかした線画の色をさらに変更します。イラストごとに合う色は違ってくるので、[色相・彩度・明度]で彩度・明度を上げて調整します。場合によっては色相を変えることもあります。

(5)ぼかしたレイヤーの合成モードを[乗算]に設定して不透明度を少し下げたら、下図のように「ペン入れ」レイヤーと「ペン入れ(ラスター強調)」レイヤーの上に置きます。この時点では、このレイヤーがレイヤー構成の一番上にあります。

 

【線画をぼかすときのポイント】
私は基本的にぼける効果の出るレイヤーは目の部分は[消しゴム]で消しています。
こうすることで、目の部分だけがはっきりしたままの状態になり、キャラの目力が強くなるため、イラストを見たときに自然と顔の方に視線を移動できるような気がします。

このように、目の部分だけぼけていません

 

線に雰囲気が出ました。

 

3.肌に赤味とハイライトを入れる


肌に赤味やハイライトを入れると、特に女性キャラはぐっと可愛らしさが増します。

(1)「肌」レイヤーフォルダの中にあるレイヤーを、「ペン入れ」レイヤーと同じ手順ですべて結合し、1枚の「肌」レイヤーにします。

(2)その上に新しく「紅」レイヤーを作り、レイヤーの合成モードを[乗算]に変更します。

(3)不透明度を下げた[カスタム丸筆]と[ぼかしブラシ]ツールで目元(頬)、肩や肘などの関節部分に紅をさします。

(4)「肌」レイヤーの上に合成モード[スクリーン]のレイヤーを作ったら、紅の色をぼかしてグラデーションになった色の一番濃い部分に、[カスタム丸筆]でハイライトを入れます。

ハイライトで使う色は、[スポイト]ツールで肌の色を取得して使うと浮かないハイライトになります。唇はツヤ感を強調したかったので、[カスタムGペン(塗り用)]でハイライトを入れました。

 

4.肌を光らせる


女優さんに当たるライトのようなイメージで肌を光らせます。この効果を加えることによって、キャラクターの肌に透明感が出て光を帯びたようになります。

(1)新しいレイヤーを作り、「女優ライト」という名前に変更したら、レイヤーの合成モードを[ソフトライト]に変更します。

今回は、このような感じでレイヤーを重ねました。

 

(2)[ソフトライト]で重ねたレイヤーに、肌の上からはみだすようにピンク寄りのオレンジ色を塗り、レイヤーの不透明度を下げて調整します。

このレイヤーも線画をぼかしたときと同様に、[消しゴム]ツールで目の部分を消しておきます。

 

作者プロフィール:村上ゆいち(むらかみゆいち)  (サイトURL:http://xmrkm.blog114.fc2.com

気付くとロングヘアーの女の子ばかり描いています。

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