5.下描きの作成-キャラクター

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/28    作家 : 加藤アカツキ(かとうあかつき)
閲覧数 : 3050回 総合評価 : 0件

キャラクターの下描きから始めます。キャラクターのラフのみが描かれた「キャラクター線画」レイヤーをアクティブにしたら、前回カスタマイズした[消しゴム]ツールでラフ線を消しつつ、上から濃い線で下描きをしていきます。

 

1.身体の下描き

今回は薄着で身体のラインが出るように描きたかったので、まずは裸の状態を描いていきます。

人体のディテールも当然背景のパースに沿います。背景を丁寧に描きこむほど、ズレは大きく見えるようになるので、関節の位置に気を使いながら描いていきましょう。場合によっては間接の位置に赤い○をつけて、パースに沿っているかチェックしてみるとわかりやすいです。

■人体パースのチェック方法

消失点がキャラクターの目線の位置にあるので、そこから下は俯瞰(ふかん)の形になります。試しに、肩と肘の関節に赤い○印をつけてみます。パースに沿うと、左肩(B)は右肩(A)より消失点に近いので、右肩よりも画面上にきます。肘の関節(C1、D)についても同様ですが、両肘の間接を結ぶラインは地面とは水平になっていないので、右腕を下ろした際の関節の位置(C2)を意識してみましょう。

 

2.服の下描き

身体のラインが描けたら服を着せます。「キャラクター線画」レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、このレイヤーに、身体のラインと区別がつくように赤色で服を描いていきます。

■作業手順

(1)「キャラクター線画」レイヤーの上に新規レイヤーを作成します。
「キャラクター線画」レイヤーをアクティブにした状態で、[レイヤー]パレット上部にある[新規ラスターレイヤー作成]ボタンをクリックすると、新しいレイヤーが作成されます。

 

(2)新しく作成されたレイヤーの名前を「線画服」に変更し、[カラー]パレットで赤色を選択しておきます。


(3)服が描きやすいように、先ほど描いた裸のレイヤー(「キャラクター線画」レイヤー)の色を薄く表示させます。
「キャラクター線画」レイヤーをアクティブにしたら、[レイヤー]パレット上部にある不透明度を調整するスライダーの数値を30%程度まで下げます。

 

(4)これで服を描く準備が整いました。「線画服」レイヤーにキャラクターの服を描いていきます。

 

3.下描きの調整

赤色で描いた服の線画を、[色相・彩度・明度]フィルタで「明度」を下げて黒い線に変更し、服と重なっている部分の身体のラインを消してから、レイヤーを結合しておきます。

■作業手順

(1)不透明度を30%に下げていた「キャラクター線画」レイヤーの不透明度を、100%に戻しておきます。

 

(2)次に、「線画服」レイヤーをアクティブにした状態で、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選択します。
表示されるダイアログの「明度」のスライダーを左側いっぱいまで動かして、服の線画が黒色になるよう調整します。

 

(3)「キャラクター線画」レイヤーの服に隠れている部分の身体のラインを消し、「線画服」レイヤーと「キャラクター線画」レイヤーを1枚のレイヤーに結合します。

[レイヤー]パレットの、「線画服」レイヤーと「キャラクター線画」レイヤーを、[Shift]キーを押しながらそれぞれ選択し、両方のレイヤーをアクティブにします。その状態で右クリックし、表示されるメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択します。

 

(4)表示される[レイヤーの結合]ダイアログの[レイヤー名]を「線画キャラ」と入力し、[OK]をクリックします。

 

※元のレイヤーを残しておきたい場合は、[元のレイヤーを残す]にチェックを入れておきます。

(5)[レイヤー]パレットにキャラクターの線画が結合された「線画キャラ」レイヤーが作成されます。

 

キャラクターの下描きが完成しました。

 

作者プロフィール:加藤アカツキ(かとうあかつき)  (サイトURL:http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/

静岡県浜松市出身。児童書などを中心に活躍するフリーイラストレーター。代表作は神永学「心霊探偵八雲」(文芸社)、宗田理「ぼくらシリーズ」(ポプラ社)など。自転車を題材とした作品の製作にも力を注いでいる。

コメント
コメントはありません