9.着彩レイヤーの作成

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/29    作家 : 加藤アカツキ(かとうあかつき)
閲覧数 : 4164回 総合評価 : 0件

デジタルで着彩する場合、パーツごとに別のレイヤーを作って作業することが多いですが、あまりレイヤーを増やしすぎても作業効率が落ちてしまうため、できるだけ少ないレイヤー数で、どのようにレイヤー分けをするか考えておきます。

今回の着彩では、キャラクター、こまごまとしたオブジェクト、背景の3枚のレイヤーで作成することにします。

 

1.塗りつぶしレイヤーを作成する

着彩レイヤーの下準備として、塗りつぶしレイヤーを作成します。

■作業手順
(1)「ペン入れ」レイヤーと「つなぎ」レイヤーを参照レイヤーに設定します。設定しておくと、[塗りつぶし]ツールを使うときに、参照レイヤーに設定したレイヤーのみを参照して塗りつぶしができます。

[Ctrl]キーを押しながら「ペン入れ」レイヤーと「つなぎ」レイヤーをそれぞれ選択し、両方のレイヤーがアクティブになった状態にします。
その状態のまま右クリックし、表示されるメニューから[参照レイヤーに設定]を選択します。
選択中の2つのレイヤーが参照レイヤーに設定され、レイヤーアイコンが変化します。

 

(2)着彩用のレイヤーを作成します。新規レイヤーを2枚作成し、参照レイヤーに設定した「つなぎ」「ペン入れ」レイヤーの下に置きます。
キャラクター用とオブジェクト用にそれぞれレイヤー名を変更しておきます。


(3)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択し、[ツールセット]パレットから[主線を参照]を選択し、[ツールオプション]の[複数参照]項目が[参照レイヤーを参照]に設定されているのを確認します。


(4)[塗りつぶし]ツールでキャラクターとオブジェクトを、それぞれのレイヤーに単色で塗りつぶします。塗りつぶす色は何色でもかまいません。

 

[塗りつぶし]ツールで塗り残された細かい部分は、[閉領域フィル]ツールや、カラーラフを作る時にカスタマイズした[鉛筆]ツールの[中芯]などで塗りつぶしておきます。

 

2.クリッピング機能を使う

塗りつぶしレイヤーができたら、クリッピング機能を使って着彩レイヤーを作成します。

クリッピングとは、下図の①のようにオブジェクトの形で塗りつぶしたレイヤーに、②のレイヤーを重ねると、③のように①のレイヤーで描画されている領域からはみ出さずに②のレイヤーを表示できる機能です。

 

以降の手順は、「キャラクター」レイヤーと「オブジェクト」レイヤーに対してそれぞれ同じ操作を行いますが、ここでは「キャラクター」レイヤーの手順を例に解説します。

(1)非表示にしていた「カラーラフ」レイヤーを表示させて、レイヤーを2枚複製し、複製した「カラーラフ」レイヤーを「キャラクター」「オブジェクト」レイヤーの上にそれぞれ重ねます。

 

(2)「キャラクター」レイヤーの上にある複製した「カラーラフ」レイヤーを選択し、右クリックで表示されるメニューから[下のレイヤーでクリッピング]を選びます。

すると、複製した「カラーラフ」レイヤーが「キャラクター」レイヤーでクリッピングされます。

 

(3)次に、「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーを結合して、1枚の着彩レイヤーに整えます。
「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーを両方選択した状態で右クリックし、表示されるメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選びます。

 

(4)表示されるダイアログの[レイヤー名]に「キャラクター」と入力したら、[元のレイヤーを残す]のチェックを外してから[OK]をクリックします。

※元のレイヤーを残しておきたい場合は、チェックを入れます。

 

(5)「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーが結合し、1枚の「キャラクター」レイヤーが作成されます。

同じように「オブジェクト」レイヤーもクリッピングしてから結合して1枚のレイヤーにしておきます。
(1)~(5)の工程が終わるとこのように表示されます。

 

作者プロフィール:加藤アカツキ(かとうあかつき)  (サイトURL:http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/

静岡県浜松市出身。児童書などを中心に活躍するフリーイラストレーター。代表作は神永学「心霊探偵八雲」(文芸社)、宗田理「ぼくらシリーズ」(ポプラ社)など。自転車を題材とした作品の製作にも力を注いでいる。

コメント
コメントはありません