9.着彩レイヤーの作成
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デジタルで着彩する場合、パーツごとに別のレイヤーを作って作業することが多いですが、あまりレイヤーを増やしすぎても作業効率が落ちてしまうため、できるだけ少ないレイヤー数で、どのようにレイヤー分けをするか考えておきます。
今回の着彩では、キャラクター、こまごまとしたオブジェクト、背景の3枚のレイヤーで作成することにします。
1.塗りつぶしレイヤーを作成する
着彩レイヤーの下準備として、塗りつぶしレイヤーを作成します。
■作業手順
(1)「ペン入れ」レイヤーと「つなぎ」レイヤーを参照レイヤーに設定します。設定しておくと、[塗りつぶし]ツールを使うときに、参照レイヤーに設定したレイヤーのみを参照して塗りつぶしができます。
[Ctrl]キーを押しながら「ペン入れ」レイヤーと「つなぎ」レイヤーをそれぞれ選択し、両方のレイヤーがアクティブになった状態にします。
その状態のまま右クリックし、表示されるメニューから[参照レイヤーに設定]を選択します。
選択中の2つのレイヤーが参照レイヤーに設定され、レイヤーアイコンが変化します。
(2)着彩用のレイヤーを作成します。新規レイヤーを2枚作成し、参照レイヤーに設定した「つなぎ」「ペン入れ」レイヤーの下に置きます。
キャラクター用とオブジェクト用にそれぞれレイヤー名を変更しておきます。
(3)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択し、[ツールセット]パレットから[主線を参照]を選択し、[ツールオプション]の[複数参照]項目が[参照レイヤーを参照]に設定されているのを確認します。
(4)[塗りつぶし]ツールでキャラクターとオブジェクトを、それぞれのレイヤーに単色で塗りつぶします。塗りつぶす色は何色でもかまいません。
[塗りつぶし]ツールで塗り残された細かい部分は、[閉領域フィル]ツールや、カラーラフを作る時にカスタマイズした[鉛筆]ツールの[中芯]などで塗りつぶしておきます。
2.クリッピング機能を使う
塗りつぶしレイヤーができたら、クリッピング機能を使って着彩レイヤーを作成します。
クリッピングとは、下図の①のようにオブジェクトの形で塗りつぶしたレイヤーに、②のレイヤーを重ねると、③のように①のレイヤーで描画されている領域からはみ出さずに②のレイヤーを表示できる機能です。
以降の手順は、「キャラクター」レイヤーと「オブジェクト」レイヤーに対してそれぞれ同じ操作を行いますが、ここでは「キャラクター」レイヤーの手順を例に解説します。
(1)非表示にしていた「カラーラフ」レイヤーを表示させて、レイヤーを2枚複製し、複製した「カラーラフ」レイヤーを「キャラクター」「オブジェクト」レイヤーの上にそれぞれ重ねます。
(2)「キャラクター」レイヤーの上にある複製した「カラーラフ」レイヤーを選択し、右クリックで表示されるメニューから[下のレイヤーでクリッピング]を選びます。
すると、複製した「カラーラフ」レイヤーが「キャラクター」レイヤーでクリッピングされます。
(3)次に、「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーを結合して、1枚の着彩レイヤーに整えます。
「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーを両方選択した状態で右クリックし、表示されるメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選びます。
(4)表示されるダイアログの[レイヤー名]に「キャラクター」と入力したら、[元のレイヤーを残す]のチェックを外してから[OK]をクリックします。
(5)「キャラクター」レイヤーとクリッピングした「カラーラフ」レイヤーが結合し、1枚の「キャラクター」レイヤーが作成されます。
同じように「オブジェクト」レイヤーもクリッピングしてから結合して1枚のレイヤーにしておきます。
(1)~(5)の工程が終わるとこのように表示されます。
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