提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 遠田志帆(えんたしほ)
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下描きに入る前にテクスチャを重ねますが、人物の顔のみ先に下描きをします。

私の習慣なのですが、人物の顔の描写を先に進めてしまう癖があります。
何度か直そうと試みましたが、人物の表情を何よりも重視して描いているせいか、私の場合は顔ができあがっていないと他の部分をスムーズに描けず、逆に時間がかかってしまいます。
一般的な方法とは順序が異なり不自然かとは思いますが、最後までお付き合いください。


1.顔の下描き


(1)まず、「ラフ」レイヤーと「ラフ色」レイヤーの不透明度を下げます。
[レイヤー]パレットの上部にあるスライダーを動かすと、選択しているレイヤーの不透明度を調節できます。数値が低いほど完全な透明に近くなります。ここでは44%に設定しました。

不透明度の調節は、「ラフ」「ラフ色」ぞれぞれのレイヤーに対して行います。

 

(2)[レイヤー]パレットの一番上にレイヤーを作成し、レイヤー名を「下描き」に変更します。
このレイヤーに、カスタマイズした[鉛筆]ツールの[濃芯]でざっくりと線を描いていきます。

 

2.顔のバランスを調整する


目の大きさを調整します。描いた後で気になったところは、描き直しをするのではなく[移動と変形]機能で修正します。顔の表情は塗りながらどんどん変化するのであまり気にせず、この段階では全体のバランスに気をつけます。
(でも、いつもここでバランスを大きく間違えてしまって、後々面倒なことになってしまいます)
ポイントは目と口です。目はあまり大きくなりすぎないようにしています。口は上唇と下唇の厚さがわかる程度に線を描きます。

(1)[ツール]パレットから[投げなわ選択]ツールを選択し、目の周りを選択します。

 

(2)選択範囲の下に表示される[選択範囲ランチャー]から[移動と変形]アイコンをクリックして、[移動と変形]ダイアログを表示させます。
「1.ラフスケッチのスキャン」のラフスケッチを変形させたときには、その形のまま[拡大・縮小]しましたが、今回は歪んだ形に変形します。
カーソルを赤いガイド線の角にあるハンドル(□)に合わせ、[Ctrl]キーを押しながら変形させます。
[Ctrl]キーを押している間は[処理の種類]が一時的に[自由変形]になるため、自由な形に変形できます。

 


(3)下描きの変形に合わせて、「ラフ色」レイヤーも塗ったり削ったりします。
髪なども描き足して、顔の下描きが完成しました。

 

身体の下描きは顔の描画が終ってから行います。
背景の下描きはしたりしなかったりです。建物は下描きしますが、植物の場合はほとんど下描きしません。

 

作者プロフィール:遠田志帆(えんたしほ)  (サイトURL:http://www17.plala.or.jp/shiffon/

秋田出身埼玉在住のイラストレーター。主な絵仕事は壁井ユカコ「14f症候群」「NO CALL NOLIFE」、綾辻行人「Another」(角川書店)、柴田よしき「朝顔はまだ咲かない」(東京創元社)、「百合アンソロジーひらり、」(新書館)表紙等。「公式IllustStudioステップ バイ ステップ」(ワークスコーポレーション)でメイキングを紹介。

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