8.線画と着色の準備
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線画や着色の工程に入る前に、私の基本的な線の引き方、下塗り、着色の方法を紹介します。
以降の工程はここで紹介する方法で描画していきますので、それぞれの工程での詳しい解説は省略します。
1.線の引き方
私は大きく分けて2通りのやり方で主線を描いています。
使用ツール:第2回でカスタマイズした[主線用鉛筆]、[軟らか消しゴム]
■人物の肌や洋服、花びらなどの柔らかいもの
いくつかの線をつなげながら一本の線にしていきます。
軽い力で、ス、ス、、、という具合に短い線を重ねます(①→②)。
はみ出ている部分を[消しゴム]ツールで消して(③)、一本の線に整えます(④)。
自然と線に強弱がつくのでより柔らかい線になりますし、少しずつ線を加えていくことで、思い通りの線が描けます。
■髪の毛、植物の茎、建物等の硬いもの
速度をつけて一気に線を引きます。速度をつけることで、より真っ直ぐな線を引けます。
上から下へ向かうストロークが一番引きやすいので、下から上や左右に線を引きたい場合は、画面表示を回転させます。思い通りに引けなかった線は、何度もやり直します。
私がよく使うショートカットキーを紹介します。左手はいつもこのキーが押せる位置に置いています。
作業のやり直し | [Ctrl]+[Z]キー |
押し続けている間[消しゴム]ツールに切り替え(ツールシフト) | [E]キー |
押し続けている間[回転]ツールに切り替え(ツールシフト) | [R]キー |
[移動・変形] | [Ctrl]+[T]キー |
ファイルの保存 | [Ctrl]+[S]キー |
2.下塗り方法
下塗りは、カスタマイズした[ベタ塗りペン]で塗ります。「ベタ塗り」とは、一定の範囲をムラなく均一に塗ることです。
■下塗りについて
顔、手足、服、葉、茎、など、パーツごとにそれぞれの範囲をベタ塗りし、これを下塗り(色のベース)として使います。
また、着色するときにクリッピング元になるレイヤーとしても使えるので、下塗りしておくと便利です。
※私は下塗りをしたレイヤーに、「肌範囲」等の名前を付けています。
IllustStudioには、[塗りつぶし]ツールや[閉領域フィル]ツールなど、主線で囲まれた範囲内を塗りつぶす便利なツールがありますが、私は[ベタ塗りペン]でひたすら塗っています。
単にこの下塗り作業が好きだからということもありますが、ひとつひとつ確実に塗っていくので、塗り残しなどのミスが起こりにくいというメリットがあります。
■下塗りの手順
葉の塗り方を例に、下塗りの方法を紹介します。
(1)線画からはみ出すように、緑色でガッツガツ塗ります。ブラシサイズは葉の大きさに合わせました。
[ベタ塗りペン]は、筆圧によってすごく細い「入り」が表現できるので、このサイズでも細かい部分まで対応できます。
(2)次に、透明色で茎の線に沿ってスッ、スッ、と塗ります。筆先はわざとはみ出すようにします。
(3)はみ出して消した部分を緑色で塗り直します。
(4)再び透明色で余分な部分を消していきます。鋭角な角部分がきれいに塗れました。
3.着彩方法
[水彩]ツールを使用して、塗ってはぼかしたり、色を足しては混ぜたりして着彩します。
私はたくさんのブラシを使いこなせないので、カスタマイズした[ふわ塗り筆]と[水彩着色筆]の2種類を主に使用しています。
■[ふわ塗り筆]を使った着彩方法
[ふわ塗り筆]は、フワっと塗りたい時に使います。
・透明色で混ぜるとフワっとぼかせます
※下図の1~の順番で少しずつ位置をずらしながらぼかした場合。
■[水彩着色筆]を使った着彩方法
[水彩着色筆]は、クッキリとよく混ぜたい時に使います。
・透明色で混ぜた場合
また、カスタマイズした[なじませ筆]を使うと、透明色を使わずにてっとり早くぼかしてくれるので、必要に応じて使用しています。
※ぼかしやなじませるときに便利なブラシは、[水彩]ツールの[色混ぜ]や、[ぼかしブラシ]ツールなど他にもあるので、使いやすいものを試してみてください。
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