9.顔の描写①
閲覧数 : 15749回 総合評価 : 1件
1.線画
顔を下描きした「下描き」レイヤーの不透明度を下げて線の色を薄くし、上に新しいレイヤーを重ねて「8.線画と着色の準備」で紹介した線の引き方で顔の線を描きます。
2.下塗り
「8.線画と着色の準備」で紹介したベタの塗り方で、カスタマイズした[ベタ塗りペン]を使って顔部分の範囲レイヤーを作ります。※顔と首はそれぞれ別のレイヤーに作成します。
3.目の着色
(1)新規レイヤーを作成し、第2回でカスタマイズした[細部描画鉛筆]で目の線を描いていきます。
線を修正するときは、同じくカスタマイズした[軟らか消しゴム]を使用します。
まつ毛の量は、多すぎると目の印象を変えてしまうため、気を遣います。また、目線がこちらを向いている時は、絵の中の人物と目が合わせられるように、黒目、そしてその中の瞳を、目線が合うような位置に置くことを心がけています。
(2)新規レイヤーを作成し、黒目を塗ります。彩色には、カスタマイズした[ふわ塗り筆]、[なじませ筆]のほかに、[覆い焼き]ツールと[焼き込み]ツールも使いました。
[覆い焼き]と[焼き込み]を使うことで、より強くコントラストをつけることができるため、黒光りっぽい効果を得られます。
4.肌の着色
肌の着色にはクリッピングフォルダを使用します。
下図のように頬の赤みを顔からはみ出して塗っていても(A)、クリッピング機能を使えばはみ出していないように表示できます(B)。
■クリッピングフォルダを作成する
(1)はじめに、顔部分を下塗りした「顔範囲」レイヤーの上に着色用の「顔」レイヤーを作成し、両方のレイヤーが選択されている状態にします。
※[Ctrl]キーを押しながらレイヤーをクリックすると、複数のレイヤーを同時に選択状態にできます。
(2)右クリックで表示されるメニューから、[クリッピングフォルダ化]を選択します。
(3)ふたつのレイヤーがクリッピングフォルダに格納されました。
クリッピングフォルダ内で「L」マークが付いている一番下のレイヤーがクリッピング元のレイヤーとなり、フォルダ内のレイヤーは、このレイヤーの描画範囲のみが表示されるようになります。
フォルダ内のレイヤーはあとから増やしたり、減らしたりできます。また、レイヤーをフォルダから出せばそのレイヤーに描かれた描画部分がすべて表示されるようになります。
■着色
(1)クリッピングフォルダ内の「顔」レイヤーに、[ふわ塗り筆]と[なじませ筆]を使って肌のベースを塗っていきます。
肌はとにかくふんわりと塗ります。リアルに塗り過ぎると、かわいらしく見えなくなってしまうので、陰影もある程度デフォルメします。
(2)次に、鼻や目元などの細部を[水彩着色筆]で描き込みます。
描き込みは、「顔範囲」クリッピングフォルダ内に[乗算]レイヤーを重ねて行います。
レイヤーは、必要に応じてどんどん新規作成して重ねていきます。部分ごとにレイヤーを作成したり、同じ頬の部分のレイヤーでも、数枚作成したりします。こうしておくと、後から修正したくなったときにより細かい調整ができます。
(例えば、後でほんの少しだけ色を薄くしたい時は、数枚の[乗算]レイヤーのうち1枚だけ不透明度を下げたりします)
少しずつ少しずつ色を足したり、ぼかしたりしながら塗っていきます。
立体感を意識しながら、目や鼻、唇等、立体になっている部分の頂点部分はやわらかく塗り、そうではない方の境界を残すことで、ふんわりとしたなかにもメリハリが出ると思います。
(3)このような感じになりました。
5.眉毛の描画
(1)眉毛は、新規レイヤー(「眉毛」レイヤー)を作成し、[主線用鉛筆]で毛を一本一本描いていきます。
(2)ひと通り眉毛が描けたら、「眉毛」レイヤーを複製して上に重ねます。レイヤーを複製して重ねると線の色が濃くなります。
レイヤーを複製するには、複製したいレイヤーを選択した状態で、[レイヤー]メニュー→[レイヤーの複製]を選択します。
濃すぎた場合は複製したレイヤーの不透明度を下げたり、濃さが足りなければさらに複製したりして調整します。
これで完成ではありませんが、ひと通り顔が描けたところで一旦置いておき、髪を描いていきます。
コメント