18.雰囲気を作るための加工

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 遠田志帆(えんたしほ)
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完成のイメージにより近づけるために、個々で描写してきたものを全体とのバランスを見ながら調整します。


1.手前の撫子の調整


手前の撫子をぼかしたり色を変えたりしていきます。
ぼかすことで花を多く見せたり、遠近感を出したりできます。マクロレンズで撮った写真のようなイメージです。

加工する前に、手前の撫子を描いたすべてのレイヤーやクリッピングフォルダを、ひとつのレイヤーフォルダにまとめ、さらに1枚のレイヤーに結合します。

(1)手前の撫子を描いたレイヤーを「手前撫子」レイヤーフォルダにまとめ、レイヤーフォルダを複製します。
複製するには、普通のレイヤーと同じように、複製したいレイヤーフォルダを選択した状態で[レイヤー]メニュー→[レイヤーの複製]を実行します。


(2)「手前撫子」、「手前撫子のコピー」レイヤーフォルダをそれぞれ1枚のレイヤーに統合します。
レイヤーフォルダを選択し、[レイヤー]メニュー→[選択中のレイヤーを結合]をそれぞれ実行します。
1枚のレイヤーに結合できたら、「手前撫子のコピー」レイヤーを「手前撫子」レイヤーの下に移動しておきます。


(3)「手前撫子のコピー」レイヤーにだけ、ぼかしをかけます。
[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を実行します。今回は、[ぼかす範囲]を下図のように設定しました。


(4)ぼかしたレイヤーの合成モードを[ハードライト]に変更し、不透明度を60%に下げます。



2.全体の雰囲気の調整


全体の雰囲気や色を調整します。

(1)[レイヤー]パレットの一番上に[色相・彩度・明度]フィルタレイヤーを作成し、色相を少し変えます。
温かい雰囲気にしたかったので、[色相]スライダーを「13」に設定し、全体的に少し黄色くなるよう調整しました。


(2)人物の顔も黄色っぽくなってしまうため、[色相・彩度・明度]フィルタレイヤーの顔の部分を黒色で塗ります。
フィルタレイヤーに黒色で塗った部分にはマスクがかかり、色が変化しなくなくなります。



(3)前景にぼやけた雰囲気のレイヤーを追加します。下図のように描画したレイヤーを、不透明度を50%くらいに下げてからテクスチャレイヤーのすぐ下に重ねます。




3.人物に雰囲気を出す


(1)人物が描いてある「統合」レイヤーを複製し、「統合のコピー」レイヤーを作成します。このレイヤーにぼかしをかけます。
レイヤーの合成モードを[スクリーン]にしたら、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を実行します。
今回は、[ぼかす範囲]を「130」くらいに設定しました。


(2)このままでは、人物が全体的にぼやけすぎてしまうため、「統合のコピー」レイヤーにマスクをかけます。
「統合のコピー」レイヤーを選択した状態で、[レイヤー]メニュー→[フィルタフォルダ化]→[マスク(全領域を表示)]を実行します。
※この操作をすると、「統合のコピー」レイヤーの合成モードが[スクリーン]から[通常]に戻ってしまうため、フィルタフォルダ化したあとに、フィルタフォルダの合成モードを[スクリーン]に設定し直します。

下図のように、左上から斜めのグラデーションをかけ、顔の部分にもマスクをかけました。
※下図はわかりやすいように赤で表示してありますが、実際には黒色で描画しています。


これで、手前の背景と人物の描写が一旦終了しました。


次回は、遠景の描写と全体の最終調整をして仕上げます。

 

作者プロフィール:遠田志帆(えんたしほ)  (サイトURL:http://www17.plala.or.jp/shiffon/

秋田出身埼玉在住のイラストレーター。主な絵仕事は壁井ユカコ「14f症候群」「NO CALL NOLIFE」、綾辻行人「Another」(角川書店)、柴田よしき「朝顔はまだ咲かない」(東京創元社)、「百合アンソロジーひらり、」(新書館)表紙等。「公式IllustStudioステップ バイ ステップ」(ワークスコーポレーション)でメイキングを紹介。

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