21.各パーツの強化・仕上げ
閲覧数 : 3506回 総合評価 : 1件
1.コントラストの強調
全体的に色合いがを濃くなるよう、調整します。
(1)人物の描いてある「人物」レイヤーを複製して重ね、人物の色を濃くします。
(2)「背景」レイヤーの上に「ピンク→無色」と「オレンジ→無色」のグラデーションのレイヤーをそれぞれ作成して重ねます。
背景のピンクからオレンジへのグラデーションのコントラストを強調しました。
2.撫子の量を増やす
(1)手前にある撫子の量をさらに増やします。
作業しやすいように、「手前撫子」レイヤー以外のレイヤーを非表示にします。
[Alt]キーを押しながら「手前撫子」レイヤーの目のアイコンをクリックすると、それ以外のレイヤーを一括で非表示にできます。
(2)このレイヤーを4つのパーツに分けるように[投げなわ選択]ツールで囲み、コピー&ペーストで選択部分のレイヤーを増やします。
(3)下図ように、4つのパーツに分割してコピーしました。
それぞれ、わかりやすいようにレイヤー名を変更しておきます。
「撫子部分」レイヤーをそれぞれ[編集]メニュー→[移動と変形]を使って、位置や大きさや向きを調整します。部分によっては何度も使用するため、レイヤーを複製してから変形します。
また、元の「手前撫子」レイヤーと合成したときに不自然にならないよう、カスタマイズした[軟らか消しゴム]で部分的にふわっと消しておきます。
手前の撫子を増やし終わりました。
3.テクスチャの強化
今回のイラストのテーマでもあるアナログ感を強調するために、さらにテクスチャを重ねて強化します。
(1)「水彩」テクスチャのレイヤーを複製し、元のレイヤーと同じ合成モード[オーバーレイ]で重ねます。
(2)重ねただけでは全体的にピンク(紫)色になりすぎてしまうため、元の色味に近づくように、[色相・彩度・明度]フィルタでテクスチャの色を変えます。
[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を実行し、ダイアログのスライダーを下図のように調整しました。
(3)人物が赤くなり過ぎてしまったので、カスタマイズした[軟らか消しゴム]で人物の部分だけテクスチャを消します。
(4)また、空のムラが気になるので[スタンプ]ツールで均一にし(A)、[水彩]ツールの[かすれマーカー]ペン(サイズ以外は初期設定のまま使用)で、雲を追加しました(B)。
※テクスチャを[スタンプ]ツールで均一にする方法は、「7.テクスチャを使う」で解説しています。
4.効果の追加
新規レイヤーを作成し、合成モードを[加算発光]に変更します。このレイヤーに、光の効果を描写します。
(1)[水彩]ツールの[ツールセット]パレットから[丸筆]を選択し、ツールオプションの設定を下図のように変更します。
A:ブラシサイズの影響元を[変化なし]に設定します。
B:不透明度の最大値を「20」に設定し、最小値の(△)を最大値の近くに移動します。
C、D:[絵の具量]と[絵の具濃度]をそれぞれ「27」に設定します。
E:[水彩境界]にチェックをいれてonの状態にします。
F:[処理範囲]を「3.7」に変更します。
G:[透明度影響]を「100.0」に設定します。
H:[明度影響]を「3.0」に設定します。
I:[ぼかし幅]を「2.8」に設定します。
J:[速度による手ブレ補正]のチェックを外し、offの状態にします。
(2)ブラシサイズを変えながら、白色でポン、ポン、とペンを置くように描写し、効果が強すぎた部分は、あとから消して調整します。
5.色味の調整
全体のバランスを見ながら、それぞれのレイヤーの不透明度を変更したり、レイヤーを複製して重ねたりして色味を調整します。
(1)左上の空のグラデーションが強かったので薄めて、雲にオレンジ色を加えました。
(2)人物を強調するために、「人物」レイヤーを複製して重ねます。
複製したレイヤーの合成モードを[オーバーレイ]に変更し、不透明度を30%に下げました。
(3)月の下の部分の明るさを少し強めました。
(4)最後に、逆光を意識して、人物全体に影を加えます。
レイヤーの合成モード[乗算]の新規レイヤーに下図のような影を描いて重ね、不透明度60%に下げました。
これで完成です。
クリックすると拡大画像が表示されます。
コメント