3.パース定規の作成①近景用
閲覧数 : 18062回 総合評価 : 3件
IllustStudioで使用できる各種の定規は、画像レイヤー([レイヤー]パレットの[画像]タブに表示されるレイヤー)上に作成してしまうと、別の画像レイヤーを編集しているときには表示されません。 複数の画像レイヤーで共通のパース定規を使用するには、[定規レイヤー]上にパース定規を作成する必要があります。
また、この絵では構図が単調にならないように、手前の車止め、遠景、階段、踊り場で、それぞれの向きをずらします。
向きを変えると消失点の位置も変わるため、定規レイヤーとパース定規を複数用意します。
1.パース定規の作成
まず、近景として手前の車止めや左側の柵を描くための定規を設定します。
あまり定規を増やしすぎても、パースの統一感を出しにくくなるので、キャンバス中段の右側にある民家も近景と同じ消失点で描くことにします。
フカン(上から見下ろす視点)なので、2点透視ではなく3点透視図法で描画します。
■パース定規の作成方法
[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[定規レイヤー]を実行し、[レイヤー]パレットの[定規]タブ内に[定規レイヤー]を作成します。
この[定規レイヤー]を選択し、レイヤー名の左側にペンのマークが付いて編集対象になっていることを確認してから、[定規]メニュー→[パース定規]→[3点透視を作成]を実行します。
すると、下の画像のように3点透視定規が作成されます。
上の画像では、「線」レイヤーの不透明度を40%に下げて定規が見やすいようにしています。
2.アイレベルの設定
この絵では、アイレベル(水平線)の右側を若干低くなるように傾け、階段の線の向きと反するようにして絵に動きを出したいと思います。
まず、ラフで遠景の住宅街の横のラインを水平線とほぼ同じ角度で描いたので、そこを参考にしながらアイレベルの角度を合わせます。
■アイレベルの角度を変更する方法
(1)[定規]メニュー→[パース定規]→[アイレベルを水平に固定]のチェックを外します。
パース定規に表示されている定規ハンドルの[回転・拡大・縮小コントロール](この定規をドラッグで回転します)をドラッグして傾けます。
※定規ハンドルが表示されていない場合は、[表示]メニュー→[定規ハンドルの表示]にチェックを入れると表示されます。
ただし、IllustStudioの初期設定では角度の変更が5度間隔になっています。
定規ハンドルを一旦右側にドラッグして拡大・縮小できる状態にすると、角度を小刻みに変更できます。
今回は1.7度ほどかたむけました。
(2)次に、アイレベルの位置をキャンバスの外部上方に移動します。フカンのアングルでは、アイレベルがキャンバス外部の上方にあると自然に見えます。逆に、見上げるアオリの視点では、アイレベルをキャンバスの下方に置きます。
アイレベルを移動するときは、[Ctrl]キーを押しながら(※)アイレベルの線をドラッグします。
キャンバスの外に移動させたら、[定規]メニュー→[パース定規]→[アイレベルを現在の位置で固定]にチェックを入れて、アイレベルの角度を固定します。
※[Ctrl]キーを押している間は、ツールが一時的に[パス編集]ツールに切り替わるため、アイレベルを自由に移動できます。
3.消失点の位置を決める
ラフのイメージをできるだけ崩さないために、それぞれの物の角度(ここでは手前の車止めと階段の横の線、中段右側の民家)から大きく外れない点を探します。
ここでは、アイレベル上にある2つの消失点のうち、右側の消失点を例に解説します。
■消失点の位置を設定する方法
(1)ガイド線上に3つある○のうち、中央のセンターポイントをドラッグして、ポイントの位置と角度を合わせたい部分が重なるところまで動かします。ひとつの消失点から伸びるガイド線は2本ありますが、そのうちの1本を右側民家の屋根まで動かし、もう片方を手前の車止めに合わせました。
(2)屋根に合わせたガイド線上にある○のうち、センターポイントの両脇にあるガイドハンドルをドラッグして、ラフの線とガイド線の角度が合うところまで動かします。
同じ消失点から伸びている車止めに合わせたガイド線も、屋根のガイド線の傾きに合わせて変化します。
(3)同様の方法で、左側の消失点は民家の壁面の角度に合わせ(B)、地面への消失点は車止めや電柱の縦のラインに合わせて設定します(C)。「近景」定規レイヤーに作成したひとつ目の定規にある3つの消失点は、下図の位置になりました。
コメント