15.修正・加筆
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1.線画の着色
遠近感を出すために、黒一色で描画してある線画に色の変化を加えます。
近景~中景はそれぞれのパーツの境を明確にしておくために、あえて主線を黒のまま残し、遠景の線画と手前の電線・支線の色だけを今より薄くすることにしました。
遠景の線画の透明部分をロックし、オリジナル[軟らかいエアブラシ]を使って、遠くになるほど線が薄くなるようにブラシをかけます。
壁や屋根よりも明るい色を塗ると形の境目がわからなくなるので、塗る場所の周りの、陰になっている部分から[スポイト]([Alt]+クリック)で色を拾って塗ります。
2.遠景にディテールを追加
遠景の電柱も、家の線画と同様に透明部分をロックして着色し、さらに新規レイヤーにアンテナや電線、屋根の線を描き込むことで遠景の情報量を増やし、現実感を強調しました。
また、遠くにあるものは細部を省略すると遠近感が出るので、屋根の線は比較的手前に位置する家にだけに描き入れます。
遠くの電線はそんなにはっきりと見えるものではないので、省略してハイライトのみで表現しています。近景の電線と同じように曲線ツールで白く線を入れてから[消しゴム]ツールのオリジナル[薄い]で消して、色に強弱を付けました。
3.近景~中景の修正と加筆
前回の彩色の工程で一旦置いておいた修正や加筆が必要な部分を、まとめて調整します。
■線画の修正
線画の、植物にかぶさっている部分を消したいのですが、[消しゴム]ツールで直接線画を消してしまうと元に戻せなくなるので、「5.下描き①パーツの配置を決める」でも使った[マスクフィルタレイヤー]を利用します。
(1)[レイヤー]パレットで線画レイヤーを選択した状態で、[レイヤー]メニュー→[フィルタフォルダ化]→[マスク(全領域を表示)]を実行し、線画レイヤーとマスクフィルタレイヤーが格納されたフィルタフォルダを作成します。
(2)マスクフィルタレイヤーを選択し、オリジナル[水彩ベタ]で黒色を塗ると線画を消せます。
消した部分を修正したい場合は、マスクフィルタレイヤーに透明色で描くか、または[消しゴム]ツールで消します。
■水たまりの加筆
水たまりは水面らしさを出すために[ペン]ツールのオリジナル[補正付きG]でハイライトと影を入れ、波紋を表現しました。
■階段の修正
階段のコンクリートは古びて汚れた感じに彩色しましたが、線画を真っ直ぐきれいに引いてしまったので違和感があります。
線画レイヤーの上に新規ラスターレイヤーを作成し、オリジナル[カスタム平筆]で少し削るように塗り、欠けた感じにしました。
■雨上がりの表現を加筆
雨上がりなので、手前の車止めや階段の手すりに水滴を付けます。
雨が降ってから少し時間が経っていて、下の部分にだけ水滴が溜まっているイメージです。
水滴を入れたい部分に輪郭を描き、光源のある方向にハイライトを入れてから、オリジナル[軟らかいエアブラシ]で光源の反対側をうっすらと白く光らせます。
もし、何かの上に水滴が乗っているような場合は、水滴が落とす影もいれるとさらに水滴らしくなります。
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