11.料理の質感(3)
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質感の強化-その他の部分
パンやココットに入っているジュレ等にも、肉と同じ方法で質感を描き込んでいきます。
前回作ったブラシも継続して活用します。
ですが、ブラシは紹介した設定のままずっと使う訳ではなく、用途によってサイズや抜きを変えたり、不透明度を変えたり、散布の間隔を変えたりなど、臨機応変に設定を変更しています。
照り用その2のブラシ「まばらこな」が思いの他汎用性が高いのでフル活用しました。
パンの粉感を出すには、照り用その1「こなこな」が流用できました。
パン
以下、作業例です。
パンです。
焼きムラや細かい気泡を入れます。
照りを描き込みます。
パンの天辺に卵を塗られてつやつやしてるアレ再びです。
ジュレ
謎のレインボージュレです。
透き通ったゲル状の物体ですので、表面に漣(さざなみ)を作ります。
ブラシで模様を作ったあと、下の色が適度に影響するように、レイヤーの合成モードを[オーバーレイ]にして重ねました。
ランダムに強めの反射光を入れます。
これらの描き込みは、『8 背景の描き込み』で竈(かまど)の岩肌を描いたときと同じように、別レイヤーに質感の形状を作っていき、形ができた後からレイヤーの透明部分をロックし、色の調子や陰影をつけていくと簡単です。
食器の描き込み
ここで、曖昧にしていた食器部分も描き込んであげたいのですが、殆どの食器はいままでの手順の踏襲で大丈夫です。
籐かご
問題は、パンかごです。
籐かごのようにしたいのですが、なかなかに網目が複雑です。
しくみを解析してみましょう。
断面を考えるとこんな形でしょうか。
藤弦が交互に組まれている状態だと思われます。
このしくみを単純に図にしてみました。
縦の軸は見えないものとして、一方の凹凸をベタ塗り。
もう一方を1本ずつハイライトと影の部分だけ作ります。
では、基本をこの形として陰影をつけていきます。
ベタ塗りで凹凸を描いて。
もう一方の凹凸のハイライトと影だけ入れる。
これで藤かごは出来てしまいます。
木のココット
木のココットの木目は、図の様に片方のエッジをしっかりとって、反対をぼかして消すというラインを作り、並べていくとそれらしく見えます。
木目を描く物の形に沿わせて、角度が変わる所は同じように曲げてあげれば、立体感も出ます。
実際に描くとこのような感じです。
さらにサラダや飲み物なども同じように、よりらしく見えるよう描き込みをしていきます。
ただ、手前から奥へ行くにつれて、描き込みを徐々に抑えていくように意識します。
前面が写実寄りですので、キャラ部分の絵柄に近づけていくという理由と、描き込みの有無で遠近感に差が出せるという両方の意味があります。
まだ少し、あちこち物足りない部分や、描き忘れ、気に入らない部分などがありますので
次回は仕上げとして、全体の完成度を上げていきます。
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