12.全体の仕上げ・調整
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描き足りない部分に手を入れていきます。
肉の質感
まずは一番メインの肉。
もっともっと質感を足していきます。
筋やナイフ跡、細かい凹凸を、さらに描き足していきます。
切断面の表面に肉汁の溜まるへこみもプラスしました。
油の浮き、焦げ付き。表面のひび割れ等も足します。
肉の下敷きの葉にも、したたり落ちた油を追加しました。
描画には、これまで作成したブラシに加え、デフォルトの[パターンブラシ]ツールの「にじみブラシA」も使用しています。
表面に溜まっている油を追加します。この油や、ジュレの反射がこの絵の中での白を使う所です。
ただし255の白、0の黒は乱用せず、少しはずれた白なり黒を、本当に見せたい部分だけに使います。
今回は黒は使用しません。
その他の食べ物
飲み物がいまいち水面がわからなかったので、色を足しました。
もともと不思議な色の飲み物を目指していたので、それも兼ねてです。
サラダの一部が気になっていたので修正します。
葉野菜がごちゃついていたので、青く塗った部分をまとまった葉に整理しました。
その他の小物など
女の子のブローチを描くのを忘れていたので、付け足します。
透明感を意識しながら青系の色を重ね、最後にハイライトを入れます。
背景の植木に、薔薇の花を描き足します。
薔薇の形の単純な取り方は、内側から回転させるように移動しながら、花びらを大きくして描いていきます。
開始部分は三角から始め、だんだん複雑な形状にしていきます。
薔薇を描いたら、遠近感が出るように調整します。
[レイヤー]パレットで薔薇を描いたレイヤーのサムネイルを[Ctrl]キーを押しながらクリックします。
花の形のシルエットが選択範囲になります。
薔薇のレイヤーの上に新規レイヤーを作成します。
[グラデーション]ツールの[描画色→無色(線)]を選択します。
描画色は黒を選択し、奥から手前にかけて黒~透明のグラデーションを描きます。
[レイヤー]パレットの[新規フィルタレイヤー作成]ボタンをクリックして、メニューから[色相・彩度・明度]を選択します。
[色相・彩度・明度]ダイアログで調整すると、黒~透明のグラデーションに対して影響を与えられます。
徐々に色を変えたり、ぼかしをかけていったりする時にこの方法を使います。
背景の薔薇はこの方法で、奥の花にいくにつれて彩度を落とし、明るくなるように調整しています。
仕上げとして調整した重要な部分は、以上で完了です。
画面の色調整
ここでちょっと、画面の色調整についてお話します。
[レイヤー]メニュー→[新規フィルタレイヤー]から「フィルタレイヤー」を作成することができます。
このフィルターレイヤーを利用すると、塗りなおしをすることなく色の変更をしたり、元の色を
保持したまま何度も調整したりすることができます。
フィルタレイヤーで色の調整を行うと、下にあるレイヤーの色がこのレイヤーで行った調整の
影響を受けます。レイヤーフォルダ内に作成した場合は、レイヤーフォルダ内のフィルタレイヤー
以下にあるレイヤーへ影響します。
さらに、フィルタレイヤー内にマスクを作成して、好きな部分の色を調整することもできます。
機能解説!トラの巻「フィルタレイヤーとフィルタフォルダ」
実はこのイラストの作成途中にも、バランスを見ながら度々フィルタレイヤーを挿入していました。
ほぼ描き込みが完成したところで、さらにフィルタレイヤーを使って、画面の色を最終調整します。
上図は、調整前と調整後を交互に表示しています。
非常に微妙な変化で、よーく見ないとわからないような気がしますが、隠し味のようなものでして
調整するとしないとでは、実はかなり印象が変わります。
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