1.コンセプト~ラフ
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[1]コンセプト
絵のコンセプトというのは、ほとんどが表に出て観客に知られる事はありませんが、自分なりのコンセプトや構図のイメージを描き出したラフを用意すると、絵に説得力を持たせられます。
オーロラや、バオバブの木、ウユニ塩湖のような人間には作り出せない圧倒的なスケールの光景は私たちに感動を与えてくれますが、そんな非日常的な美に人間のはかなさを再認識させられ、どこか恐怖や絶望に似た感情を覚えた事はないでしょうか?
非日常的な美と恐怖、この二つを表現したいと考えたとき、無数の飛行機が空を舞っている時代のモノクロ写真を思い浮かべました。これが、今回の作品のコンセプトです。
ただ、その光景をそのまま絵にすると写真以上のリアリティーは出ないので、飛行機を動物に置き換え、ディテールよりもシルエットが見えるよう、ハイコントラストの画面にしようと思います。置き換える動物についてですが、鳥だと日常的過ぎるので魚にしました。飛行機に似た形状の魚ということで、シュモクザメをモチーフにしたいと思います。空は曇り空にする事で不安定な世界を演出します。
[2]資料集め
コンセプトが決まれば、それを構成するモチーフがはっきりします。それに関連する資料を集めます。ネット画像でも写真集でも、形が把握できるものならなんでも参考になると思います。
要素は「街」と「シュモクザメ」と「曇り空」。特にシュモクザメはデザインを変更するため、いろんな角度から見た姿を想像してスケッチします。 肌はどんな素材か、どれくらいの厚みか、どれくらいの大きさか、色をどうするか等意識しながら描きます。
必要に応じて追加で資料を集めます。
こういった準備をしておくと、後々描きながらデザインで悩むのを防ぐ事ができます。
[3]ラフ
形のイメージができたら構図を決めます。
パースやスケールなどは、後にデジタル上で修正するため気にせず、コンセプトを念頭に置いて要素を自由に配置してください。
デジタル上のキャンバスの縦横比を決定するため、配置が終わったらおおまかにトリミングします。
この絵の主役はサメであり、一番最初に注目させたい要素ですので、大きく中央に配置しました。
他のサメは、中央のサメの大きさや距離感などを演出するための引き立て役なので、ポーズは大人しめです。
街と空は、世界観を表現するための重要なパーツですが、絵全体で見ると脇役なので控え目に配置します。
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