8.仕上げ(1)背景の調整と煙
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最後の描きこみに入る前に、作成してあったフィルタレイヤーを使い最終調整を行います。
フィルタレイヤー、マスクへの描きこみ
まず、フィルタレイヤーのトーンカーブを再設定していきます。
土台をある程度しっかり作っておくと、多少無理な補正を行っても、わりとはまってくれます。デジタルだと実際いかようにも演出できるので非常に迷いますが、ここは初心に戻ってラフでどのようなものを描こうとしていたかを思い出します。
最初のイメージを具現化するためにここまで描いてきたわけですからそれを信じます。ここまで、積み重ねてきたものが、埋もれてしまわないようにしつつ補正をかけます。
レイヤー構成を変えています。
[舞台]と[背景の木と家]にも効果を適用しました。
フィルタレイヤーはこのように効果の範囲を広げることもできるので便利ですね。
マスクにグラデーションをかけなおします。
画面左上に効果を強く残しています。
機能解説!トラの巻「フィルタレイヤーとフィルタフォルダ」
さらに、効果を強めたいところと弱めたいところを直接、[水彩]ツールの[油彩筆]で描きこんでいきます。
作成したフィルタレイヤーには、はじめからマスクがかかっていますが、マスクは[レイヤーパレット]の[マスクフィルタレイヤー]でどのレイヤーにも適用できます。
レイヤーの不透明度で表すと、
白(100%)→グレイ(50%)→ 黒(0%)
という具合に黒が濃くなるほどに透明になります。
ここでもマジックワンドワールドを展開し、マスクを削っていきます。
例えば下の画像は、不透明度20~30%くらいの濃度で塗っています。
併せて、背景レイヤーにも塗りこんでいきます。
空はパターン塗りつぶし、というかぼかしていく感じです。
背景レイヤーに濃淡を塗りこみつつ、マスクを削りながら、メリハリをつけていきます。
煙を描く
さて、煙を描かなくてはいけません。あまり画面に影響を与えたくなくて、延ばし延ばしにしていました。一枚絵とはいえ、なるべくなら画面の中に時間の流れを感じてもらいたいので、あまり静止した印象を与えないような描写を心がけてみます。
さっそくフリーハンドでいくつか線を引いてみましたが……これは無理そうだな、と即座に判断!
そこで、[フィルタ]メニュー→[変形]→[波形]を選択します。
[波形]ダイアログの[波の波形]で[正弦波]を選択し、下図のように数値を設定します。
フリーハンドで引いた線に波形フィルターをかけます。出て来たラインを複製して二重線にしました。
[編集]メニュー→[移動と変形]→[自由変形]を使用して変形させます。
二重線の中を塗りつぶし、さらに[フィルタ][波形]を重ねます。
[消しゴム]ツールで削ったり、反転させたり、
部分的に変形させたりと望むものがでてくるまで、とにかくコネコネします。
最後はフリーハンドで整えて、できあがり。変形を繰り返す中で保存しておいた元画像を使い、線をもう一本ふやして2重螺旋のような形にしました。
煙下部のぼかし部分を追加していきます。
[油彩筆]で不透明度20%くらいの軽いタッチで描いてます。
[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択します。
[ガウスぼかし]では、ぼかし具合を数値で調整することができます。
不透明度20%程度の[消しゴム]ツールで削った後に[アンシャープマスク]をかけます。
[フィルタ]メニュー→[シャープ]→[アンシャープマスク]を選択します。
このままでもいいかな……と思っていたのですが、全体を表示させたら必要以上に目立ってしまっていたので、さらに[消しゴム]ツールで削りました。
結果的にはほとんど使いませんでした……まぁいいでしょう。
不透明度の数値を低くした[油彩筆]と[消しゴム]ツールで焚き火のあかりも描き直してます。
塗っては削って塗っては削ってを数回重ねています。レイヤーの合成モードは[通常]です。
できました。
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