3.クリッピングフォルダ
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クリッピングフォルダ機能を利用した、特定の範囲からはみ出さないように塗る方法を解説します。
塗った後に色を変更したいなど、 [透明部分をロック]機能を使用しパーツごとに一枚のレイヤーに着色している場合、各パーツの影の色だけを変更することが難しい場合があります。[クリッピングフォルダ]機能を活用すれば、こういった場合の対処ができます。
■[クリッピングフォルダ]機能
[クリッピングフォルダ]内の一番下にあるレイヤーを参照し、表示する領域を制限できる機能です。参照するレイヤーの透明部分がマスクとなり、フォルダ内にある他のレイヤーに対して適用されます。マスクされた部分は表示されません。影などの描画部分からはみ出さないように描画したい場合に便利です。例えば、髪の基本となる色と影の色とを別のレイヤーに分けた上で、髪の部分にだけ影を塗ります。
普通に塗るだけでは髪の領域からはみ出してしまいます。
このような時には髪の色が塗られているレイヤーに「影のレイヤー」をクリッピングすると、髪の部分にのみ影の色が表示されます。
はじめからクリッピングさせた状態で影を描画すると、髪の領域からはみ出すことなく影の色を塗ることができます。
■使用方法
作例の髪の部分を例に[クリッピングフォルダ]機能の基本的な使い方を解説します。
髪の領域を塗りつぶした「髪」レイヤーをベースに、[クリッピングフォルダ]を作成します。「髪」レイヤーを選択し、[レイヤー]パレットのメニュー表示から[クリッピングフォルダ化]を選択します。
[クリッピングフォルダ]が作成され、[クリッピングフォルダ]内にある一番下のレイヤーがクリッピングの参照先に指定されます。一番下にあるレイヤーを参照し、レイヤーを移動することで入れ替えることもできます。下図の場合、レイヤーがひとつのため「髪レイヤー」がクリッピングの参照先に指定されます。
影を描画するレイヤーを作成します。「髪クリッピングフォルダ」を選択した状態で[新規ラスターレイヤー作成]ボタンをクリックして新しいレイヤーを作成します。レイヤー名は「影」に変更します。
この「影」レイヤーに[ペン]ツールなどで描画します。
「髪」レイヤーの塗りつぶしてある範囲のみ表示されます。
この機能を応用すれば、特定の範囲からはみ出さないように塗ることができます。
■多重クリッピング機能
IllustStudioではさらに、クリッピングされているレイヤーをベースに、別のレイヤーをクリッピングさせることができます。例えば、髪の影の範囲のみを表示するレイヤーにさらに濃い影を描画する場合、[クリッピングフォルダ]内のレイヤーを選択した状態で[クリッピングフォルダ化]を実行します。
下図のようなレイヤー構成にすれば上図のようなことができます。
基本の色、影の色、ハイライトの色などでレイヤーが分かれていると、塗った後に色を変更することが簡単になります。[クリッピングフォルダ]の機能解説は以上です。
POINT
[下のレイヤーでクリッピング]機能
この機能を使用すると、フォルダ化せずにクリッピングの機能を利用できます。
[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーでクリッピング]を選択すると、レイヤーのアイコンの横に赤いマークがつきます。
下図の状態で描画すると、「B」レイヤーは「A」レイヤーの描画範囲にクリッピングします。
多重クリッピングはできませんが、少ない枚数で描画する場合などに有効です。
作例を縮小書き出ししたJPEG画像です。
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