提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 7612回 総合評価 : 2件

下描きから主線を描き起こします。
主線の描画には、主に[ペン]ツールや[鉛筆]ツール、[パターンブラシ]ツールなどを使用します。作例では[ペン]ツールを使用しています。

(1)「下描き」レイヤーの上に[ラスターレイヤー]を新規作成し、レイヤー名を「主線」とします。

(2)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、下描きを参考に主線を描画します。

(3)ペン入れが終わったら「下描き」レイヤーを非表示にします。

■ペンツールの設定

各ツールの詳細の設定は、[ツールオプション]で変更できます。ここでは[ペン]ツールの設定を紹介します。

[厚み]や[向き]など[ツールオプション]の一部パラメータは初期設定で非表示に設定されています。
すべての項目を表示するには[ツールオプション]下部の[すべてのパラメータを表示する]をクリックします。

■描き味に影響するパラメータ

サイズスライダー…ペンのサイズ、つまり線の太さを設定します。[影響元]と[最小値]を設定できます。

不透明度スライダー…不透明度を設定します。

ブラシ形状…ペン先の形状を指定できます。[円]、[四角]、[多角形]から選択します。

厚み…ペン先の厚みを調整します。値が低いと潰れたような形状になります。楕円や長方形のブラシ形状を作る場合は、この[厚み]の設定を併用すると簡単です。

向き…ペン先の向きを設定します。また、影響元の設定によってはペンの向きによってペンの形状をどう変化させるかも設定できます。

手ブレ補正…タブレットのブレの抑制について設定します。小さいほど入力に忠実になります。

後補正…線を描画したあとの補正を設定します。手ブレなどを補正して線を滑らかにします。

入り抜き…線の描き始め/描き終わりを自動的に細くなるよう補正します。それぞれ個別にオン/オフや強さを設定できます。

はらい…入り抜きの設定とは別に、線の描き終わりのニュアンスに影響を与えます。値を大きくするとペンを離した後も線が徐々に細くなってのびていきます。

■ペンタブレットによる描き味の調整1-影響元

IllustStudioの描画ツールは、ペンタブレットの操作によって微妙なニュアンスを表現できます。ペンタブレットは、筆圧のかけ方やペンの傾き、ストロークの速度などの細かい挙動を精密に感知します。IllustStudioでは、それらの情報を多くの設定に影響させることができます。

・「影響元」の設定

スライダーの左にあるアイコンをクリックすると、「影響元」のリストが表示されます。「影響元」ではペンタブレットによって入力される様々な情報の、どれを影響させるかを選択できます。
パラメータによっては影響元に設定できる情報が異なります。
また、影響元を[ランダム]に設定すると、値は最小値から現在の設定値までの範囲でランダムに変化します。

・最小値
[影響元]によっては、[最小値]を設定できるものがあります。 [最小値]とは、[影響元]の影響によってパラメータの値がそれ以下に下がらないように制限する設定です。
線が細くなり過ぎないように、色が薄くなり過ぎないように設定する場合は、最小値を上げます。

「最小値」を設定可能な影響元は、スライダーに小さな▲が表示されます。この▲を操作して、最小値を設定値の何%にするかを調整できます。

■ペンタブレットによる描き味の調整2-筆圧設定

・ツールセットごとの筆圧の調整
[ペン]ツールや[鉛筆]ツールなどの描画系のツールは、筆圧調整によって線の太さや濃さなどを調整できます。筆圧のかかり具合などはタブレットのプロパティでも調整できますが、IllustStudio側でも調整できます。
IllustStudioでは、ツールセットごとにペンタブレットの影響の仕方を設定することができます。

※ツールセットとは、各ツールを設定別にまとめたものです。

[鉛筆]や[ペン]、[塗りつぶし]や[グラデーション]など、IllustStudioには多種多様なツールがあります。各ツールにはそれぞれ、サイズや不透明度、補正や入り抜きなど多くの設定項目があります。それらの設定を様々な組み合わせでまとめたものが、ツールセットです。たとえば[ペン]ツールの場合、[G]や[丸]、[カブラ]などがツールセットにあたります。

IllustStudioではこれらのツールセット単位でペンタブレットの筆圧の影響具合を調整できるため、同じ[ペン]ツールであっても、あるツールセットでは筆圧が大きく影響するように設定し、あるツールセットではほとんど影響しないように設定することも可能です。

設定の仕方は以下の通りです。
[ツールオプション]の[筆圧設定]をクリックし、[筆圧設定]ダイアログのグラフを調節します。

※設定例
以下を参考に筆圧や描き味に合わせて調節します。

■IllustStudio全体の筆圧の調整

ツールセット個別の筆圧調整の他に、IllustStudio全体で筆圧の感度を調整できます。

 

[ファイル]メニュー→[カスタマイズ]→[筆圧検知レベルの調節]を選択します。

[筆圧検知レベルの調節]ダイアログが表示されます。
この状態で、キャンバスに描画すると、筆圧グラフが自動調節されます。
※この時描画した線は一時的なものなので、しばらくすると自動的に消えます。
また、筆圧グラフを直接操作して感度を調節することもできます。

設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックすると、調整結果が反映され、IllustStudio全体の筆圧感度が変わります。

・筆圧2048レベルに対応
IllustStudioはintuos4の筆圧2048レベルに対応しています。これによって、より繊細な表現が可能になります。

2048レベルに対応させる場合には、[ワコム タブレットのプロパティ]のオプションで、[筆圧レベルの互換性]のチェックを外します。

タブレットペンでの筆圧のかけ方や速度などにより、とめ、はね、入り抜きが自在に表現できます。

コメント
翠河 2014/04/01 19:29
勉強になります
kurochibi 2012/08/04 04:26
筆圧設定が与える影響が一目で分かるように解説されているので、自分の筆圧と相談して設定する時に役立つと思います。 ふむふむ、こういう風に設定すると細く薄くなるのかー…と。 ここで上げられている題材のイラストは本当に強弱があり、メリハリがありますね。 線そのものにこだわりたい人で、筆圧設定に悩んでいる人にとっては参考になると思います。