7.植物を描画(パターンブラシの自作)
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[パターンブラシ]ツールを使い、柵の向こうの植物を描画します。
雲の描画では既存のパターンブラシを使用しましたが、今回はパターンブラシを自作します。
1.ブラシ素材用の画像を作成
まずパターンにする画像を作成します。
・パターンブラシ用の画像の直径は300~500px程度にしておくと、画質が粗過ぎず、処理が重すぎないパターンブラシになります。
・パターンにする画像を作成するときには、パターンごとにひとつずつレイヤーを分けておきます。
今回はこの3つの画像をもとに、3つのパターンブラシを作成します。
2.ブラシ素材用画像からパターンブラシを作成
画像をブラシ素材として登録し、新しいパターンブラシを作成します。
(1)[レイヤー]パレットで、パターンブラシに使用する画像を描いたレイヤーを選択します。
(2)[編集]メニュー→[素材の登録]→[画像をブラシ素材に登録]を選択します。
[画像をブラシ素材に登録]ダイアログが表示されます。
(3)ブラシ素材名を入力し、[表現色]が[カラー(32bit)]になっていること、[ブラシ素材から新規ツールオプション設定を作成する]がオンになっていることを確認し、[OK]をクリックします。
(4)登録した画像から、新しいパターンブラシが作成されます。作成したパターンブラシは[ツールセット]パレットに登録されます。
他の画像も同様にブラシ素材に登録し、それぞれからパターンブラシを作成します。
3.パターンブラシの設定
作成したパターンブラシの設定を変更します。
ブラシの用途に沿った描画が可能になるように、パターンブラシの設定を調整します。
(1)設定を変更したいパターンブラシを、[ツールセット]パレットから選択します。
(2)同じツールセットをもう一度クリックし、[ツールオプション]を表示します。
(3)[ツールオプション]で設定を変更します。
作例で使用したパターンブラシの設定は以下の通りです。
※[ツールオプション]には、初期状態で非表示に設定されているパラメータがあります。すべてのパラメータを表示するには、下部にある[非表示設定のパラメータを表示する]をクリックして表示させます。
他のブラシについても同様の設定になっています。状況に合わせ、ブラシサイズなどの設定を変更しながら描画します。
気に入った設定が出来上がったら、以後どんなに設定を変更しても、すぐに元の設定に戻れるよう、設定を保存しておきます。
[ツールセット]パレットの左上にあるメニュー表示をクリックし、表示されるリストから[初期設定に登録]を選択します。これで、現在の設定が初期設定として保存されます。[ツールオプション]を元の設定に戻したい場合には、[初期設定に戻す]を選択します。
4.パターンブラシで作画
新しく作成したパターンブラシを使って、実際に作画します。
(1)「送電線」レイヤーと「柵」レイヤーの間にラスターレイヤーを新規作成し、レイヤー名を「葉_影」にします。[パターンブラシ]ツールの「にじみブラシB」を使い、大まかなシルエットを描きます。
(2) 「葉_影」レイヤーの上にラスターレイヤーを新規作成し、自作した葉っぱのパターンブラシで、シルエットを描き足します。タブレットペンの向きでパターンの向きを調整しながら描画します。
(3)[カラー(32bit)]で作成したパターンブラシは、描画色の変更ができません。元の色のままだとシルエットになじまないので、レイヤーの[透明部分をロック]し、「葉_影」レイヤーのシルエットの色を拾いながら「にじみブラシB」などで着色します。
塗り終わったら[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーに統合]を選択し、「葉_影」レイヤーと結合します。
(4)さらに[ラスターレイヤー]を新規作成し、パターンブラシで描画します。描画後に、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]など、色調補正系のフィルタで色を調整します。
(5)「柵」レイヤーの上にラスターレイヤーを新規作成し、はみ出した葉っぱを描画します。その後「柵」レイヤーに、葉っぱの影を描き足します。
パターンブラシで植物が描きあがりました。
[ラスターレイヤー]を新規作成し、線路の向こうの建物を描き込み、奥の方を[エアブラシツール]などで白くぼかします。
送電線、柵、植物などのレイヤーをまとめて圧縮フォルダ化して閉じ、フォルダ名を「近景」にします。
近景のレイヤー構成は上図のようになりました。
背景が描き終わりました。次に人物の着色を仕上げます。
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